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俺がいる自宅の二階は子供部屋が二つある。
俺の部屋と隣は妹の部屋だ。そこから強く壁を叩く音が聞こえてきた。
「うるせえよ、馬鹿兄貴!」
壁越しにガラガラの怒鳴り声が聞こえてきた。
そのあと、壁からドスンと大きな音。蹴っ飛ばす音がドンドンと聞こえた。
「戸破……いたのか」
「文句あるか、あたいの家だぞ!」
「いや……ない」
「だったら黙っていろ!あたいは寝ているんだよ!」
俺には一個下の妹がいる、『戸破』という名だ。
だけど戸破は変ってしまった、昼型人間から夜型人間に。
妹の戸破の怒鳴り声で、俺は不満げな顔を見せつつも再びゲーム画面を見ていた。
しょうがない、マスクつきヘッドホンをつけるか。
なんとかライブで使ってきりのヘッドホンは便利だ。
ヘッドホンをつけて、俺は再びゲーム画面を見ていた。




