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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
五話:憧れの英雄とアズライト
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放課後、俺はゲームをしていた。

もちろんアズライトに会うためだ。

三日ぶりの学校、なによりあの日に出てきた『榊』という男。

そのことも踏まえて俺は母親の車でお出迎えだ。


車内に乗ったまま、片道三十分ほどの住宅街に戻る。

雪の日でも車で迎えはないので、珍しいが高校生になると母親と積極的に話すこともない。

学校で起きたことを適当に話して母は運転をしている最中に、俺はDSPを取り出した。


~~リッチバル城・訓練室~~


ここは道場のような場所。しかし場所はエメラルド城じゃない、地方都市リッチバルだ。

アズライトは遠征しにここに来た。

剣と盾、鎧が飾られて、兵士たちが剣を素振りしていた。

まさに中世の訓練所、兵士の詰所で金属の激しく響く音が聞こえてきた。


男が多い兵士の中に、ひときわ小柄でかわいい声が聞こえてきた。

剣を振っていたアズライトがいた。かわいく凛々しい女兵士は、剣を構えて戦う。

エメラルド王国の金属鎧を着て、若手兵士と剣を交えるがアズライトが圧倒していた。


「ま、参りました」

アズライトの剣技で、若手兵士の剣が宙に舞う。

そのまま地面に刺さり、若手兵士はおののいていた。

そんな光景を俺はじっと見ていた。


「やっ、大ちゃん。夕方だね」

「ああ、アズライトか。こんなところで何を?」

「決まっているさ、修行だよ。剣の修行」

アズライトは頬に絆創膏をしたまま、無邪気に笑っていた。

子供っぽいというか、人なつっこいな。


「修行って、アズライトは剣技高いよな」

「ああ、気分……てところ。もうすぐ戦争が起こるしね」

「戦争か……なんか嫌な響き」

「大丈夫だよ、ボクは負けないさ。悪い奴を倒さないといけないから」

「ライチョウ軍か?」

「いいや……もっと違う敵」

「もっと違う敵?」

「敵は何も外とは限らないよ。

エメラルド王国は領土拡大のために、多くの戦争を繰り返してきた。

ライチョウ軍もそうだ、だけどエメラルド王国が大きくなるにつれて降伏していった国々があった。

その中でもエメラルド王国に、表面上で従っている連中がいるんだ」

「それで遠征軍?」

「うん。リッチバル(ここ)はライチョウ軍の他にも小さな集団がいくつかあったからね。

リッチ山の周りを取り囲むように昔は国がいくつか存在していたんだよ。

でも強大なエメラルド王国に抗うことなく投降した連中、そういう奴の方がずるいんだ」

アズライトは、やけにムキになって言っていた。

半分怒っているが、戸破ほどの険しさがない。


「分かった、そいつらと今はエメラルド王国が戦っているんだな」

「そう。でもボクは強くならないといけない」

「なんか伝わってくるな、アズライト。頑張れよ」

「うん。ボクは兄ちゃんよりも強くなりたい」

「そう……だね。がんばるよ」俺は苦笑するしかない。

アズライトではなく戸破の兄は俺だけど……でも俺じゃないよな。

誰なのだろう、純花の時みたいに純花パパが白馬の王子様とかいうオチじゃないよな。


「どこかで生きていると信じたいが……信じられない。兄ちゃんに会ってボクは証明したい」

「証明?」

「そう、ボクは兄ちゃんより強いって証明したいんだ。

なんでも兄ちゃんはできたから。完璧で慕われていた兄ちゃん……だから」

「どうしたんだ?」

「でもボクには剣しかない……剣だけ」

「また卑屈に……」

「しょうがないよ、僕は剣以外何も持っていないんだ」

最後は苦笑いをしながら、再び剣を構えた。

そのまま彼女は再び稽古に戻っていった。

アズライトに言うその言葉を聞いて、俺はショックがあった。

その言葉は、俺が一度戸破に言われた言葉なのだから。



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