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ジュエル☆クイーン♡スクーリング  作者: 葉月 優奈
三話:白馬の王子様とセレスタイト
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DSPはバッテリーが許す限りつけておこう。

ゲーム画面では顔が眠そうなドワ太。

それもそのはず、DSPの時間は夜六時になっていた。

いつの間にか阿弥野ケ原樹海に入って三時間が過ぎていた。どうりで足が痛いわけだ。

寝ぼけていたのか、のんきなドワ太が俺にゲームをつけるたびに急いで起きた。


「ふむ、眠いのう」

「このゲームと阿弥野ケ原が連動しているなら、純花はここにいるんだな」

「それはタッチしてみればよかろう」

だけどタッチをすればクリスタルゲージは減っていく。だからタッチは安易にできない。

とりあえず最初にブザーが鳴ったところを外して、山あたりの森を見ていた。

すると、ゲーム画面に動きがあった。イベントマークだ。


~~エメラルド城・会議室~~


イベントの場所は会議室だ。

そこで出てきたのは伯爵。それから将軍らしき老将がそばにいた。


これは『ジュエル☆プリンセス♡スクール』と同じ将軍だ、『センチネル』って名前。

しわの数が、歴戦の勇者であることを物語っていた。

まだこの世界だと現役なんだな。さすがは老兵。


「姫様は魔物の森に入っていったのは本当だな」

「ええ、あそこに入ったと見張り兵から報告がありました」

「魔物の森……か。姫を、セレスタイトを助け出さなければ」

渋い表情の侯爵の顔がアップになった。やっぱり顔は純花パパだ。

初老の白髪交じりの男は、唇をかみしめていた。


「で……大臣よ。セレスタイトに関して聞きたいことはあるのか?」

いきなり俺に振られてきた、選択肢は二つ。

特にないともう一つの選択肢、迷うことなく俺は後者を選んだ。


「姫様は魔物の森に昔何度か遊びに行ったと聞きますが……本当でしょうか?」

「ああ……本当だ。元々あそこはきれいな場所だ。

かつては穏やかな国指定の公園だよ。

悪い大臣の魔法実験が行わなければ、あそこは魔物がいない森だという設定だからな」

この設定は、ジュエル☆プリンセス♡スクールのものをそのまま使うのか。

なんだかリアルとゲームの情報が混じっていて、だいぶややこしいな。


「それは初耳ですね」

「きれいな高原植物は生えている花畑があって、セレスタイトはそこが好きなんだ。

フォレスセント族は、花を大切にする種族と聞くし。

湖のほとりにあるそこは、天国だ……まさか」

「その可能性はありえますぞ、聞くに大臣」


センチネル将軍が、大臣である俺の方にドアップを見せてきた。

しわのある迫力のあるご老人だ。イラストレーターが全く同じだ。

まさかリアルでセンチネル将軍は……いないよな。


「セレスタイト姫の好きなものと嫌いなものを知っておるか?」

「好きなもの?う~んなんだろ……変なあだ名つけるのとか」

「ふむ、それは好きというより特技みたいなものじゃ。

わしなんかセンジイじゃよ」

なぜかセンチネル将軍は、少しうれしそうに語りかけてきた。

確かにセレスタイトも純花も、変なあだ名をつけようとするな。


「好きなモノって……後は花……そうか」

「ならば答えは出ているはずだろう」

まるでセンチネル将軍は、俺に対して純花のことを託すかのように言ってきた。


「はい、花畑を探せば……」

「うむ……だがもう一つ……」

「はい?」

「嫌いなものは分かるか?」

「えと……たぶんそれは分かっています」

そうだ、それが純花やセレスタイトが逃げた原因になったものだ。

俺はセンチネル将軍の言葉を胸に、ゲーム画面の前に頷いた。


「伯爵……昔に行った花畑の場所を教えてもらえますか?」

「大臣、まさか行くというのか?」

「無論です、これは俺の仕事です。姫を連れ戻すのは白馬の王子様の役目ですから」

それははっきりとした俺の決意。

それを見た伯爵は、目を細めて嬉しそうな顔を見せていた。


「場所はここのあたりだ」

侯爵の話の後に、下の画面付近にマークが出ていた。


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