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荒れる貸衣装屋

「投票の結果・・・貸衣装屋に決定しました!!」


どっとわき上がる男性陣。

まぁ、わからなくもない。

おそらく、男の趣味丸出しのものとかが混ざっているのだろう。

それとは対照的に女性陣は不満の声を上げている。

と、いうか、なんか俺をピンポイントに文句つけられてるんですが・・・

匿名性も何もないなほんとに・・・

 

 

 

「あっはっはっは!!南も男だもんなぁ!?」

ばしばし叩きながら相川が笑っていた。

「色々あるぜぇ?メイドに、巫女に制服に・・・」

「うっさい」

一言で叩き伏せようと右ストレートをたたき込む。


一瞬でそれを見切り軽く首を横にそらしてよける。

「・・・・」

「・・・・ふっ」

鼻で笑いやがった!!

「パンチというのはこう打つのだ!!」

言うが早いか、相川から放たれる高速のジャブ。

とっさに体制を低くして回避を試みるが、容赦ないその攻撃は空を切りながらも近くにいるクラスメイトを一発一人餌食にしていった・・・

「カモーーーン・ボォーーーイ」



「カァーン!」

俺たちの間にのみ聞こえるゴングが今、鳴った・・・

とたんにお互いに距離をとり、相川は左腕をL字に曲げ振り子のように左右に振り右腕は顎をカバーするように構えている。

俗に言うヒットマンスタイル。

ざわっっと教室がざわめく・・・

そう、知る人ぞ知るあれは「死に神の鎌」

そこから放たれるフリッカージャブは逃れることは至難の業となる。

「クククク・・・・」不気味に笑う相川。

心なしか、眉毛が真ん中に濃く寄っているような気がする・・・

対する俺は体を上下左右に揺らし、的を絞らせないようにする。

がっちりと腕を折りたたみ、顎、水月、をガードする。

じりじりとお互いの距離を縮めていく。一瞬早く相川が射程圏内に俺をとらえた。「かはぁっ!」

不気味な気合いとともに放たれる変則的なジャブ・フリッカー。

しなやかな筋肉が作り出す独特の軌道。

死神の鎌は一転鞭となって襲ってくる。

被弾しながらじりじりと前へ詰める。あと一歩で射程圏内。

じり、じり、じり。

フリッカーを全て被弾する覚悟で。

―はいった!射程圏内!


一息に飛び込む。

爆発力の要は足の親指。

踏張りが効くからこそ、一瞬で距離をつめることが出来る。


肝臓リバー!もらった!

左足で踏み込み、体の中心を独楽の軸のように回転させて撃つ。

当たれば悶絶は必至。

ヒットマンスタイルの弱点を突いた一撃は、しかし相川には届かず空を切る。

「―っち」

舌打ちをしていつのまにか取られていた距離を測り直す。

バックステップでいつのまにか逃げられていたのだ。

相変わらず振り子はリズムを刻み、南をチクチクと牽制する。

「―ふぅ!」

短い気合いと共に再び飛び込む。

相川も距離をとろうとバックステップを…

取れなかった。

背中が急造のリングバー(机)にぶつかってしまったのだ。

「チィッ!」

逃げられないことを悟りフリッカーを繰り出す。

死神の鞭は容赦無く標的を叩くが獲物は中々怯まない。

上下左右小刻みにゆれる標的。

直線的な動きはやがて曲線を描きだし、有限な動きが無限の意味を持つ軌道を刻む。


右へ左へ再び右へ。

振り子のように規則正しいそれは、しかし殺人的な威力を拳に乗せている。

―ギュバ!ギュバ!

奇妙な音は上履きのゴムと床が摩擦で上げる悲鳴。

「左右に振り子のように規則正しく動くこれはぁー!!」

突然降ってわいた様に黒板の前に手書きで

「りんぐあな」

と書かれた札を机の上に乗せた学生が一人、これもまたどこからか持ってきたのか(恐らく放送室)マイクを片手に実況を始めていた。

一瞬教室が静まりかえる。

突然の来訪者に視線が集まる。

それに気をよくしたのか、満足げに実況を続ける珍入者。

「実況は私、葉山巧!」

勢い良く自己紹介をして教室の廊下側を指差す。

「解説は日野 トウマがお送りします!!」

「おい、俺もかよ」

さぁっと教室の温度が数度下がった様な気が生徒全員に感じられた。

「試合会場は一年C組にて、放送は全校放送でお送りします!」

ハイテンションな実況が試合(死合い?)を無駄に盛り上げる。

「お、入った」

すっかり忘れられていた二人に視線が戻る。

渾身の力をこめた左拳が見事に相川の肝臓にめり込んでいた。

「きょ〜〜〜れつ!!南選手の凶悪な一撃が相川選手に突き刺さりましたぁぁぁ!」

歯をくいしばり、痛みに耐える相川に更に追撃の一撃が襲いかかる。

「〜〜!」

とっさに顔面を両腕で守る。

(来るぞ来るぞ来るぞ!)

ガッチリとはをくいしばり、恐らく来るであろう最大の一撃に対する覚悟を決める。

最大の攻撃は防がれれば最大の弱点に直結する。

つまり、次の一撃さえ防ぎきれば。

「…勝てる」

誰に聞かせるで目なくぼそりと一言。

瞬間突然左側から一撃が撃ち込まれた。

「相川選手しっかりとガードしたぁ!」

ガードを崩そうとした瞬間右側から激しい衝撃。

「南選手反撃をゆるさない!」

右、左、再び右。

容赦ない連打が襲いかかってくる。

(ーしかもこれは)

心の中で小さく舌打。

「デンプシーロールか」

解説者が一言。

「左右からの激しい連打!しかまそれが全てKO必至の一撃!」

実況が興奮したように巻くし立てる。

おぉぉぉぉー!

教室が興奮の渦に飲まれる。

「お」

「おぉぉおー!!」

「ついにガードが崩れたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!右に!左に!また右に!!規則正しく顔がはじけとぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

リングバー(机の塔)が激しく崩れ落ち、その上に相川が倒れ込む。

実況席から飛び出してきた生徒が突然南の腕をつかみ高々と掲げる。

その瞬間会場(教室)はけたたましい歓声に包まれた。

「えー、放送席放送席ぃーこちら勝利者の南選手です」

気分はノリノリのインタビュアーだ。

「どうですか!?因縁の相手を打ち倒した気分は!?」

「え…いや、あの…」しどろもどろ。

「なるほど!確かに強かった。また戦いたいと!!」

うんうん。なんて大げさに頷きながらインタビューをねつ造する。

「さてさて、敗者の相川選手ですが…」

胸ポケットからなにやら少し使い古された黒い手帳を持ち出した。

さっ…と教室中の温度が下がる。

「?」

「お楽しみの暴露た〜〜〜〜〜〜〜〜いむ!!」

ビクッっと担架の上で瀕死の患者のようにしていた相川が跳ね起きる。

「えーーーーーーっと」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!ヤメテ許してお願いゴメンナサイギャァァァァァァァ!!!!」

きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん…

ものすごくよく響く負け犬の遠吠え。

「…………はい!相川選手の暴露プロフィールは以上です!」

「…助かった?」安堵の表情で葉山をみる。

「続きましてぇー。相川選手の赤裸々な秘密を暴露させていただきます。」

「どうぞ!」なんていいながらよくニュースキャスターがVTRを流すときの動きをする。

「うお…」

その瞬間教室中、いや、学校中のテレビ、ディスプレイに相川樹の「赤裸々」な私生活がVTRと文字の解説付きで流された。

「何時撮影したんだこれ…」

葉山と一緒に入ってきた生徒がつぶやいた。

それは誰もが思っていうる疑問だろう。

「いやぁ、別に?ちょっとカメラを落としたら偶然電源が入ってて、偶然撮影しちゃってたんだよねぇ」

しれっと言う。

「…」

「偶然」カメラを「落として」「偶然」「クラス全員分」を「偶然撮影」しているのかもしれない…

そう誰もが思った瞬間だった。

…………

……




葉山巧が無事に帰った後、南たちは5秒間相川に対して黙祷を行った後せっせと会場準備を開始した。

とは言っても、着替えのスペースと衣装置き場を作っただけで教室もいっぱいいっぱいになってしまったわけだが。

「すごいな…本当に何でもそろってるように見えるから不思議だ…」

メイドにバニーガール、看護婦に巫女さん。

「…ほんとにいろいろあるな…てか、誰だ作ったやつは」

基本といわれるところからマニアックなところまで揃えられているらしい。

ぎりぎり開店は間に合ったわけだが、後は人が来るかどうかだ。

幸い撮影スペースは隣の教室を何故か無償で借りられたので、ありがたく使わせていただく。

「男、いらなくねぇか?ここ…」

非常に居づらい。

なにせ9割方女性用の服だ。

なんて言うか、女性用下着売り場に迷い込んじゃったみたいな?

「外出てきます…」

そう言って教室のドアを開けたところ何か見知った顔が二人。

「あ」

「お」

「よっ」

驚き顔二人、ご機嫌顔一人。

今まさに入れ違いになろうとしていたのは先ほどまでのエセりんぐあなこと葉山巧と一緒にいた解説の生徒。

「さっきはおもしろいものを見せてもらったけど、ここは何をやってるんだ?」

教室の中を見回しながら興味津々と聞いてくる葉山…先輩

「貸衣装です、隣の部屋で撮影もできますよ」

「ほう…貸衣装ねぇ…」ギラリと葉山…先輩の目が怪しく光った。

光の速さで衣装の列を駆け抜ける。

数分後、満足げな顔で帰ってきた。

「ありがとう!!」そう言うと興奮しながらいきなり俺の手を握ってきた。

ポケットから携帯電話を取り出して、どこかに掛けている。

「〜♪」

「どこに掛けてるんだ?」

いやにご機嫌な先輩に声を掛けるもう一人の先輩…確かヒノ・トウマといったっけ。

「んー?ノノカちゃんのとこ」

もう、満面の笑みで返す先輩。

「ほう…」

ヒノ先輩は急に低い声を出して携帯電話を右手で握った。

ミシ…メキメキメキメキ…




パキン…

「あ…」

「…え?」

「ふん」

携帯電話、つぶれました。

「あーっとそうだな、いい店じゃないか?」

必死に今目の前で起きた現実から目をそらす葉山先輩。

「…」俺はあまりの光景に言葉を発せられなかった。

「確かにいろいろな服がそろってるな」

怒気を含みつつも感心した声で相づちを打つ。

「ただなぁ…残念だ…ひじょーーーーーーーにざんねんだよ」

「な…なんです!?」

やばい、さっきの暴露でこの先輩の恐ろしさは身をもって相川が示してくれた。

まさか俺も赤裸々VTR+文字付き暴露の刑か!?

おれのあんなことやこんなことやあれもこれもそれもどれも!!!!!

「チャイナドレスが無い!」

「…へ?」

「…」

ちゃいなどれす」?

「知らないか?中国の伝統的な服装だが」

いやそれは知ってます。

てか、あるはず。

さっき見たし。

「ありますよ。そこら辺に」

指さしたところを逡巡するが、見つからなかったらしく落胆して戻ってくる。

「無いな・・・残念だ非常に残念だ。」

「はぁ…」

ものすごく落胆している先輩。

なんかこのまま背景の一部になりそうだ。

「ふふふふふふふふふふふふふふふふふ…」

どこからともなく聞こえる笑い声。

「ん?」

「お?」

声の出所は…着替えように作った個室の一つからだった。

勢いよく開かれたそこから出てきたのは。

「出番アルネェーーーーーーーでべろっぱぁぁぁぁぁ!?」

出現した瞬間吹き飛ぶナニカ。

反射的にハートブレイクショットとカエルパンチとドラゴンフィッシュブローの全方位からの必殺技を受けて沈む。

愛と勇気と正義の3プラ○ン。

三人の背中には天(一人点)と書かれていたとかいないとか。

「なんでおれだけぇぇぇぇ!!」

叫びながら二階の窓から落ちていく相川君。

「死んだか?」

「死にましたね」

「むしろ死んどけ」

一人明らかな殺意を持って落ちた窓から下をのぞく。

「あ、生きてた」



…………チッ………




誰だ!?今舌打ちしたの!?

振り返った瞬間クラス中の人がみんな目線をそらした。





何のネタが入っていたかわかる人はいたでしょうか?

結構好き放題やらせていただきました。

キャラは名無しの物語の人たちが壊れました。

ゴメンナサイ。

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