文化祭
一話完結形にするつもりです。
文化祭―それは年に一度の無礼講の日。
学校公認のイベント。
朝から何だかそわそわとした教室は、なぜかいるだけで気分が昂ぶる。
「よぉ、今日って文化祭だったんだな」
などと俺の机に座って話しているのは同じクラスの 野村 勇二。
「だな、おれも今さっき気が付いた。」
あっはっはっはと笑ってみる。
―うっ、なんだこの大量の冷たい視線は…
「仕方ないよな、俺たち手伝いあまりしてなかったしなぁ」
遠い目をして呟く野村。
「失敬な、俺は手伝ったぞ?大量にケーキを用意したり、服の素材を探してきたり、周辺の家からフリーマーケット用の不用品を掻き集めたり…」
「そりゃご苦労さん。でよ、話し聞いてるかぎり何やるんだ?ウチのクラスは?」
「そういえばそうだな何するんだろ?」
あははと笑いながらクラスを見渡す。
―また、冷ややかな視線が…
「止めよう。村八分にされる…」
その言葉に
「だな」
と小さく同意する野村。
「それはお前のせいだ南」
と、後ろの席の生徒が声をかけてくる。
「ナンデスト?」
「出し物は投票で決めることにしたろ?」
―ウム、その通り。ちなみにうちのクラスは40人。
「で、だな、内訳をいうと」
食い逃げ喫茶13票
着たい放題!貸衣装屋13票
持ち逃げ上等!フリーマーケット13票
「こんな感じ」
―また、えらく個性的な出店をすること…
食い逃げ喫茶に持ち逃げ上等ですか…
いったい何を考えてるんだこのクラスは―。
「さぁ、今すぐ投票してくれ」
白い正方形の小さな紙が渡された。
「あ、名前はいいよ、匿名だから」
―この状況で匿名って意味あるのか?
「書けたか?」
ずぃっと投票箱が出された。
「待って、もうちょっと。」
喫茶店は女子に人気があって、貸衣装屋は男子に人気が、フリーマーケットはほぼ半々となっているようだった。
―何でわかるかって?
後ろで出し物のコールが聞こえるから。
「喫茶店!喫茶店!」
とか。
「あぁ、うるさいな…」
そう思うも頭にこないのは、やはりお祭りの雰囲気があるためだろうか?
ささっとペンを走らせ投票箱に入れる。
すとんっ。
わりと控えめな音が響いた。
いつのまにか教室が静まり返っていた。
みんな箱を凝視している。
―頼む、そんなに期待しないでくれ…
確実にクラスの三分の二は敵に回すんだから
もっともらしく箱のなかを掻き混ぜる生徒。
そしてついに読み上げられる―
「出店するのは……」
三つの店の話は全部やりたいと思ってます。 「もしも〜」て感じで