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診断結果は呪われっ子

 「お前、呪われたぞ」



 ‥…髭おじ、何言ってんの?


 「聞こえなかったか? お前、呪いを受けたな」


 ‥…師匠呼びしないからって嫌がらせ? 大人気ないぞ!


 「だぁかぁらぁ、お前、呪われてんだよ。呪われっ子」


 ‥‥あんたは子供か!


 「おい、聞いているか? チッ! 言葉の意味がわからねえのか。くそ、だからガキは嫌なんだ」


 ‥…聞こえてるし意味わかるし。髭おじの言い方に戸惑ったの!

 うら若き乙女に対してその言い方はないわ、ないない。



 なぜ冒頭から髭おじに不吉な言葉を掛けられたのか‥…

 診察が必要だと言われ、医者じゃなく髭おじに診察されただけでも不服なのに、その診断が冒頭のセリフ。ちょっといい加減怒ってもいいかな私。


 ‥‥診断したなら説明義務放棄しないでちゃんと言葉で説明して欲しい。


 不満顔でジトリと髭おじを睨んでいると観念したのか説明を始めた。


 「経緯は知らねえがお前は呪術具に触れた。それが僅かだがお前の体内に残っているんだ。‥‥と言ってもお前にわかるか?」

 「わかるわからないではなくて、わかるように説明して下さい。その、呪術具とは一体何ですか? 呪いと言いますがそんな象徴的な言葉でなく具体的に説明して下さい。それで?」


 グイグイ行くのは仕方ないと思う。だって意味不明な言葉で誤魔化そうとする髭おじが悪い。説明は相手が分かって初めて説明になるのだ。自分だけ理解してては駄目なんだぞ、髭おじ。

 

 「お、おう、わかった。しかし、お前本当に幼女か?」

 「ええ、まごう事なき幼女ですが何か?」

 メガネがあればクイって上げてるよね。


 「‥…まあいい。本来の術具は魔力を使って具現化するための補助目的で魔術具がある。生活補助の魔術具や医療補助、軍用補助と言った多岐に渡る用途の魔術具が作成されているのは‥‥お前は知らないんだな。それは追々教えるか。それで呪術具は‥‥禁術の術具でな、今はどの国も製作禁止だ」

 「え? はっ?」

 

 (? 何言ってんのこの人。魔術具? え? マジックグッズ? マジシャングッズ? 多岐に渡るマジックグッズ?!)

 不吉な言葉を聞いたがマジックグッズの響きで楽しくなった。

 多岐に渡るマジックグッズ! ふわぁぁ~、ちょっ面白そう! 

 何だか宴会芸に持って来いじゃない?! うわ~隠し芸にピッタリ! 

 わ~私も一つ二つ欲しいな、宴会グッズ! いいね! 

 

 マジックショーを思い浮かべてニマニマした私を見た髭おじが、

 「‥‥理解してない顔だな。仕方ない、一丁ここで見せるしかないか」



 そう言って髭おじが出して来たのは小瓶。ちょっと形が徳利に似てなくはない代物。その徳利には記号なのか図形なのか文字なのか、見たことのない絵柄が刻まれていた。それに向かってどこから出したかペンサイズの棒切れを一振り。

 動作のショボさが手品だね。マジックと手品だったらどっちがそれっぽい言い方かな? やっぱ手品だよねこれは。

 どうでもいい事を考えているうちに髭おじは何処からか出してきた小さいコップ。そんなモノ出してどうするの? ニヤリと笑った髭おじは小さいコップに徳利の中身を注ぎ、中に水が入っていることを私に確認させた。

 徳利に刻まれた絵柄に手を触れた髭おじは心なしか嬉しそう。笑みを浮かべて小声で何か喋った。聞き取れない。


 「おう、出来たぞ」


 何が?!

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