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【婚約のクローバー】  作者: yuuppi
3/3

二日目:追憶

目が覚めた。

よし、大丈夫だ。今日も一年前の日付だった。元の時間と生活はなんら変わりは無いはずなのに、黒葉がいるという事実を必死に求めている自分がいる。


一通のLINEが来ている。内山からだ。

「おい!いつもの三人で川遊びにいこうぜ!3時からな!肉も焼く予定だし絶対来いよ!」


いつもの"三人"


この言葉だけで口角があがる。


「おう!三人分のコーラ用意しとくぜ!」

と元気に返信しておいた。



朝ごはんを食べて、テレビを見ているとお母さんが

「どうしたの、なんかいつもより嬉しそうね。」

と言ってきた。

「今日、内山と黒葉の三人で川遊びに行って来る。」

「あらそうなの。そういえば最近黒葉ちゃんとはどうなの~?」

いやらしい顔で聞いてくる。

「別に。」

「そんなそっけない返事しないでよぉ。昔はよくーーー」

と言いかけた途端俺はムカついて部屋に戻った。





「よぉ、コーラ買ってきたぞー。」

「ナイスゥ~」

二人そろって親指を立てている。

「あ、そろった!」

次は声がそろった。

本当仲いいな。俺達はケラケラと笑ったあとBBQの用意を始めた。内山は火を起こそうとしている。




何もいわずに黒葉が近づいて来る。

「ねぇ、手空いてるならついて来てくんない?」

と言われ、言われるがままに俺は黒葉に連れていかれた。


「懐かしい...」

そこには一面クローバーが生えていた。


「でしょ?覚えてる?幼稚園のとき幽君ここで『ぼくね!将来大人になったら黒葉ちゃんと結婚するんだ』って言ったの思い出すなぁ。」

「それは言うなって..恥ずかしい。」


黒葉はからかうように笑ったが少し間を空けた後、遠くを眺めるように微笑んだ。

「私、嬉しかったな。」

「え?」

俺はドキッとした。

思わず聞き返してしまう。

「.................。もういいよっ」

俺がじっと顔を見つめていることに気がついて顔を抑えて照れる。

「今のは聞かなかった事にしてっ!」

今度は俺がからかうように笑う。


「おーい、幽~、黒葉~、火が起こせたぞ~」

遠くから内山の呼んでいる声が聞こえる。



網を囲んで内山が買ってきたという肉を焼いて頬張る。

「おっいし~!!」

「うめぇ!!」

「あったりめぇだぁ!じいちゃんの友達の精肉店でチョー良いお肉を安くおまけしてもらったんだぁ!」

へぇ、すげぇ。それよりなんで急に口調が変わるんだよ。


「てか、お前ら二人で何してたんだ?」

おぉ、いきなりかよ。

黒葉と目を合わせる。どちらもうん!と頷いて

「ヒ・ミ・ツ」

と言った。


「なんだぁそりゃあ。まぁいい、今日は肉食ってエビチリも食いまくろうぜ!!」

前からエビチリ好きなんかい。

とにかく、エビチリの効果(?)でなんとか話を逸らせた。


「バイバーイ!」

三人は日が暮れてから解散した。



夜になってベッドに潜って今日楽しかった事を思い出していると、

俺は何か大事な事を忘れている気がした。

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