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STAR RAIN  作者: bagswife
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プロローグ

ワアアアアアアアア


歓声が響く。


ここはエルドラの南方に位置する国

"バークエン"


かつて戦争を統治し、停戦に運んだ英雄セルドアルーズフェルトが治る国。


この国にはかつて国を両断したことにより生まれた貧富の差が原因で国内で大規模な内戦が行われた国。


セルドアが率いるレジスタンスが内戦の勝者となり、現在までの活気ある幸せな国へと変わった。

かつてのレジスタンスは名を改め、神栄団となり、新たなる王に仕える戦力になった。


セルドアによる統治から20年。


ここに新たなる伝説が始まる。


=============================================


首都リンドウェル


「はぁっはあ、はあ、はあ」


ものすごい勢いで駆けていく少年が2人


「レイ!お前のせいで遅刻してるんだぞ!!」

銀髪の少年が叫ぶ


「フユがずっと寝てるからだろ?」

レイと呼ばれた黒髪長身の少年が返事をする。


「だからってなんでお前は風呂になんか入ってんだ!

あーもー、折角神栄団の入団試験だっていうのに…遅れたらシャレにならないぞ!!!」


フユとレイはお互いに負けない様に走り続ける。


「おー、フユ、レイ!今日か!試験!」


街を歩いていた金髪の青年が声をかける


「あ!ギル!そうだよ!絶対お前追い抜いてやるからな!!」


フユは走り止めることなくギルという青年に返事する。


「あははそりゃいい。レイ!お前うちに来るんだろ?頑張れよ。」


「ああ、入るとすればナイツバード一択だよ。じゃあね」


レイもフユの後を追いかける


「知り合いか?」

ギルの横を歩いていた人間が問う。


「ああ、故郷が同じでな。あのアホヅラは別として後ろのレイは強いぞ?抜かれるかもなリタ。」


リタは笑いながら返答する

「新人に負けれるかよ。まあそもそも新人になれるかどうかも怪しいがな」



リンドウェルの中心部

そこに高く聳えるのは神栄団の本拠地フローゼル。

フローゼルの目の前にあるコロシアムで試験は行われる。


「なんとか間に合った…あぶねぇ」


アルトは息を切らしながらつぶやく


「時間ギリギリにくるなんて意識が足りないんじゃ無いか?

士気が下がる。田舎者か?」


フユの横にいた男がきつく言い放った


「んだと、お前」


「お前みたいな奴がいると全体の士気が下がるって言ってるんだよ。僕なんて30分前にはここにいた。それぐらいの心意気がないのに何が神栄団だ。笑わせるな」


フユは遅刻しかけている手前、何も言えなかった。


「ま、この時点で君の落選は決定してる様なものだよ。」


そう男は言い放つとアルトの側を離れた。


そうだ。ここは自分が憧れた場所

そんなに甘いものでは無い。


フユは気合を入れ直した。



『注ゥゥモォォォォォク!!!!』


声が聞こえて会場にいる参加者全員が壇上を見上げる


『良く集まってくれた‼︎‼︎若き戦士達よ!本来なら全員受け入れたいところだが、神栄団には多くは要らない!!是非自分の能力を存分に見せてくれ!!!有能な者には各団団長からの指名が入る!!受ける受けないは自由だが使命がないものは不合格とする!!!!』


ゴクリ。

皆が唾を飲み込む。それはそうだ。神栄団に二度は無い。

一度落ちた人間が受かるという事例はないのだから


『俺は今回進行を務める!トップ所属!ライオットヴァルドだ!!!』


「おい、レイ、聴いたかよライオットヴァルドって言えば"大噴火"だよな?」


フユのいう大噴火とは災厄等級(グラディエート)の指標が特級ー一般的には一国の軍に匹敵すると言われるほどの被害が想定されている災害や魔獣、または人間につけられる指標。

その指標に当てはまる大噴火とは火山獣バリマラの名称であり、進行役のライオットヴァルドはバリマラから街を守った英雄として知られる。


「ああ、あれほどの人が見物席じゃなく進行役か、益々高いな。神栄団の壁は」


レイは答える。


『ここで各団の紹介をしよう!若き司令官アリス=バッカーレン率いる頭脳派集団ブレイン!!!団員数22名!』


ワアアアアアア

会場が湧く


見た目20代だろうか、若い女性が手を挙げる


『遊撃に長けた美しき兵団!女性ながらそのパワーは一騎当千マリーナエバホーン率いるホワイトウォーカー!団員数10名!』


白の鎧に身を纏う女性が手を挙げる


『現龍王セルドアも選出された聖天剣號にも選ばれた剣技の持ち主、曹操了(ソウソウリョウ)が率いていた部隊でもあり、現団長は次期聖天剣號に名高いムサシが担う!

アギト!団員6名!』


髭面の男性が手を挙げる


「聖天剣號ってなんだ…?」


フユは傾げる


「聖天剣號はエルドラの中でも5人しかいないという剣技の持ち主を指す剣士の名称だよ。等級は超級以上。」


フユの横にいた青年が答える


「僕はフラット、よろしくね」


フラットはフユに握手を求める


「ああ、ありがとう。よろしくな、俺はフユ」


「フユね、お互い受かるといいね」

2人は握手を交わす。


『続いて我らが先行行動隊!現団長アルバスが率いる攻撃に長けた部隊!トップ!団員41名!』


おどおどした青年が手を挙げる


『そして!龍王セルドア!左大臣リチャードが率いていた団

であり、現団長リヒトが率いる最も能力が高い集団!ナイツバード!!!』


黒髪の男性が手を挙げる


『以上5団と神栄騎士団500名による我ら神栄団!入団できるかどうかはお前たちの能力次第だ!!』


ワアアアアアア!!!!


再度会場が湧く。


『そして、龍王から一言。セルドアさん。お願いします。』


セルドア=ルーズフェルト。

エルドラに住む人間なら知らないものはいない。

人類最強、優れた統率力、判断力と非の打ち所がない。

龍王という称号はバークエンを統制するだけでなくエルドラ内での地位を指す。


「…龍王に俺はなるぞ…」


フユは激らせている。


『あー、紹介に預かりましたセルドアです。

そうですね、僕からは一言。君たちは僕たちとは違う。

それは歩いてきたところが違う。とは言わない。

各々がそれぞれの道があるのであり、そこを僕たちは干渉しない。自分の正義を貫いてくれ。』


細かくもなくさっぱり終わった演説だったが

卵たちには充分すぎるほど火をつけた。


『ありがとうございます。

よし!では選考に移行する!!!全員並べ!!!』


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