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憎悪騎士シリーズ

弱みを握る姫と憎しみの騎士

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2021/07/16



 長い間、辛い思いをしてきた。


 その人物は、苦しみを強いられてきた。


 しかしそれも、今日で終わる。


 多くの人を味方につけ、人脈を築き上げた。


 だから、反抗できるようになったのだ。




 その日、騎士は長い間仕えていた姫に述べた。


 無理やり仕えさせられていた、その軽蔑すべき主に。


 それは決別の一言だった。


「私は今日からあなたの言いなりにはならない」


 その騎士は、家族を人質にとられていた。


 才能のある騎士だったため、姫に目をつけられたのが不幸の始まり。


 便利なコマとして強制的に働かせるために、家族が囚われてしまったのだ。


 姫はことあるごとに家族の命を手に取って、騎士を脅していた。


 それで、騎士は様々な仕事を押し付けられた。


 その中には、命をかけなければならないような、危険な仕事もあった。


 けれど、騎士はやられっぱなしではなかった。


 姫の目を結んで協力者を見つけ出し、その者達と手を組んでいたのだ。


 同じような境遇の者達と。


 そして、今全ての準備がととのったのだった。


 騎士は、姫へ剣をつきつける。


「これで終わりだ。観念しろ」

「思い上がらないで、ただの騎士のくせに」


 剣をつきつけられた姫は激高する。


 そして、自らの手がかかった者達、周囲に並ぶ兵士達に、反抗者を排除するように命じた。


「お前達、この裏切り者を殺してしまいなさい」


 けれど、声を賭けられた者達は姫の言葉では動かない。


 なぜなら、彼等が協力者だったからだ。


 騎士と同じように弱みを握られた者達だった。


 彼らは、姫へ剣を向ける。


 姫はうろたえた。


 そんな姫に、騎士は状況をつきつける。


「ここまでだ。お前の罪は王に知れている。国の上に立つ者として在ってはならない行為だと言っていたぞ」


 王は良識のある人間だった。


 姫の横暴を知った王は、姫を必ず罰すると騎士に約束していた。


 姫に味方はいない。


 これで、もう姫はおしまいのはずだった。


 多くの騎士の弱みを握り、言う事を聞かせていた姫は、牢に繋がれることになるだろう。


 しかし、姫にはまだ手札があった。


 姫は人間だけでなく、ペットの弱みも握っていたからだ。


 姫が口笛を吹くと、ペットの竜が現れる。


 それは、子供の竜を人質にしているためだ。


 子供の身を思う親竜は逆らえないのだった。


「これで、形勢逆転ね。消し炭になってしまいなさい」


 ペットを呼びつけた後、高らかに笑い声をあげ、勝利を確信する姫。


「さあ、炎を吐いて燃やしつくすのよ!」


 しかし、竜は姫のいう事を聞かなかった。


 なぜなら、すでに子供の竜は騎士の手で救出されていたからだ。


「いいや、消し炭になるのは、姫。あなただ」


 竜が姫の方を向く。

 姫は信じられない、といった顔になった。


「そんなっ、いやぁぁぁぁ」


 怒りの感情で目を細めた竜は、姫を見据えながら大きく口をあけて、炎を吐く動作をした。


 姫はそれだけで、ショックをうけて気絶してしまったようだ。


 姫は泡を吹いて、床に倒れ伏す。


 受けた衝撃がおおきすぎたのか、丸一日は起き上がらなかったらしい。


 自由を封じられて運ばれていく姫を見つめる騎士は、安堵の息をはいた。


 長年横暴な姫に困らされてきた者達が、ようやく解放された瞬間だった。





 その後、好き勝手をしていた姫は、王の約束の元牢獄に繋がれる事になった。


 彼女はさらにどうやってか情報を知り、看守の弱みを握って脱獄しようと試みたのだが、騎士達の手によって阻まれる事になる。


 その後も似たようなやりとりが頻発したが、情報元である囚人が特定されてからは、何の騒動も起こらなくなっていた。


 牢屋での暮らしに適応できかった姫は、若くして早く、この世を去る事となった。





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