私の1ページ_9
街が停電している。電力不足による計画停電のため人々は準備万端で臨んでいる。
だが、如何せんやることがなく中学生ながら電力に頼りきった生活をしていることを実感している最中だった。もうすぐ空が薄暗くなってきて停電も終わるはずだが、借りてきた漫画も読みきってしまってリビングのソファで寝転んでいた。
傍らに置いていた携帯電話のメールの着信音が鳴る。手にとって表示を見ると、心臓の鼓動が早くなった。秘かに想いを寄せていたクラスメートからだ。
『停電中だね。どうしてる?』
どうしてるもなにも、君からのメールにときめいています。しかし、何故今このタイミングでメールが送られてくるのか。もしや、秘かに、と思っていたのは自分だけで相手にはバレていたのか。まぁ、もうすぐ卒業してしまうし、別の高校に通うし、もういいか。
起きあがってソファに座り直し、会話を続けられるような返信を考え始めた。