人外種(イビルダ)
え、恋!?
ペチペチペチ、、、ペチペチペチ、、、
ん...
「痛っ、、、」
「おっ!起きたか」
ルイナさんが俺のおでこをペチペチ叩いていた。ベッドの近くの棚にはタオルやら水の張った桶が置かれていることに気がついた。
ありがとうと伝えると、
「ばっ、なんだよ、看病なんてしてねーから」
何照れてんだこの人は、しかし、
本当に綺麗な顔してるよな、目もぱっちりしてて、小柄で、、、かわいい
「なっ、何見つめてんだよ」
ルイナさんが落ち着くまで待ち、話を聞くと、俺は熱中症で倒れていたらしい、それと、早くハンター登録を済ませてこいと怒られた。
「言ってなかったけど、戦闘における遠隔スキルはしっかり申請すれば、使用を認めてもらえるから、明日あたりに行こか」
政府の役人にこっぴどく叱られたそうだ。ルイナさんが何とか取り繕ってくれたらしい。ありがと、と心の中で伝えたが、、、
「ふーっ、ふーっ」
パタパタと手で自分の顔を仰いでいる。
だからなんで照れてんだルイナさん
その日の夜は、なかなか寝付けなくて次元獣を倒した所に行ってみた。ゲートも、次元獣の死体も跡形もなく消えていた。そして、あの時の胸の高鳴りを思い出していた。快感、、、
なんだか気分が悪くなってきた。命を、あんなに怯えた命を奪って、快感を得るなんて、、、気分転換にあてもなく夜風を浴びながら歩いていた。たまにはこういう日があってもいいなと思った。
「ねぇねぇ、そこの君?」
しばらく歩くと一人の女性に声をかけられた。
「こんな時間にどうしたの?ひとり?」
高校生だろうか、短いチェックのスカートに、ローファー、大きいサイズのセーター、その胸元は、ワイシャツが大きく開き、双丘の谷が覗かせている。
いつもルイナさんのような幼いルックスの子ばかり見てたからか、、、なんだか新鮮だ。
「私と遊ぼっか?」
と、ワイシャツの襟をつまみ、さらにはだけさせた。
「いっ、いえすぐに帰るので」
ふ~んと、意地悪そうな目を俺に向けてきた。
「そんなに私の胸見といて、帰るとかよく言えんねぇ」
仕方なくだ、仕方なく彼女と一緒に散歩をしている。会話は、途切れることなく続いていった。とても気さくな人で話が弾んでいた。
「お~カワイイねぇちゃんだなぁおぃ」
酒臭い男に絡まれた。まるで俺の事など目に入って無いようだ。
「よぉ~俺と遊ばないか~?」
「お断りよ、ダーリンとデート中なの」
俺の腕に抱きついてきた。
心地よい圧が腕を覆った。何とか酔っぱらいをやり過ごしたが、あれがナンパってやつか、、、この子、たしかに可愛いもんな、
「君さ、名前は?」
「私はね、ミカって言うのよろしくね」
「ミカはよくナンパされるの?」
「まぁそうだけど、なに...ちょっと心配してる?」
「いっ、いや誰にでも着いて行くのかなって」
何を聞いているんだ俺は。
「誰にでもってワケじゃないよ?でも気に入った人とご飯行ったり、遊んだりするけどね」
喋りながらミカの声は、だんだん小さくなっていった。
「毎日、毎日、つまらない、、、君も私と同じ気がしたの。」
今までの元気な様子は無く、小さく言い放った。つまらない、か
「それよりさ」
声色が戻っていた。
ダン!
「その傷どうしたの?ディーン」
壁に押し付けられ、ミカに顔を至近距離で見られている。体は密着して、彼女の太ももは俺の股に入り、、、
これが壁ドンってやつか、しかも密着バージョン。
彼女の目線は俺の頬の傷に釘付けだ。
彼女の息遣いが荒い。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
何?この美味しそうな“血”
傷から滲み出てるこの姿...
ん~~~!!たまらないわ、心臓の音聞こえちゃう...興奮してるのバレちゃう。
あ~~ウズウズする、最近ご無沙汰してたからね、我慢してたからね、
キュンキュンしてきちゃったよぉ~ディーンくんの足当たってるよね?バレちゃうよね、、、
もう我慢できない!
ペロッ
ん゛~~~ッ 「お゛いしぃ~~ッッ」
「えっ?」
「あっ...」
二人で荒い息をかけ合いながら少し見つめあっていた。
ドキドキした~、心臓の音聞こえてたかな?ミカちゃんあったけぇ~あ、そういえば
「美味しいって?」
「あっ、それはなんでもないの、」
顔を真っ赤にしてミカちゃんはバイバイって言って帰ってしまった。
ドキドキドキドキ
か、かわいいなあの子
ドキドキドキドキ
「おい、心臓うるさい」
読んでいただきありがとうございます。
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ではまた、次のお話で!