第8話 血
新章突入
新たな壁が立ちはだかる
「ふぅ~っ」
「ルイナさん、その荷物なに?」
ウィンに見送られ、宿に戻り支度を整え現世に戻ってきた。
のは、良いものの
「これか?ウィーウッドの特産品 ウィー・ビールだ!」
山ほど貰ってきたぞ!とやけに自慢げだ。
魔法界と現世の時間軸は同じらしく、現世に戻っても夜だった。
部屋に戻りステータスを覗いて見た。
スキルコード:アイ ウィン・ロードの加護
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“物理移動”のスキルは、遠隔スキル(禁止スキル)なのでハンター登録してもスキルが使えないため、ハンター登録をしに役所に行くのは乗り気しなかった。
「スキルが使えないんじゃな~」
一日中腕立て伏せをして、怒涛の数日間をほぼノンストップで過ごしヘトヘトだったが頭の中はスキルのことでいっぱいだった。禁止スキルのため、練習すら出来なかった。
なんだ、外がやけに騒がしいな
案の定、次元獣との戦闘が繰り広げられていた。三人の小隊が討伐にあたっていた。
全身が岩で覆われ、オオカミのような姿をした生き物は、所々に亀裂が入りそこから真っ赤な溶岩のようなものが覗かせていた。
ひとりが炎属性の打撃を与えたがまるでタージが入っていたなかった。もうひとりが手から水を発生させ、握っているロングソードに水をまとわせる高等スキルの持ち主だった。大きな打撃音と共に水しぶきが上がり、ダメージを負った。
次元獣は、怒り狂った。
命の危機を感じた生命体の自然な行動だろう。
キラーの体温が急上昇し、岩の体表は赤々と熱を帯び、水は蒸発して言った。
自分が殺られる前に殺ってしまおうと鋭い爪を奮っていた。
ディーンは無意識に家を飛び出していた。ひとりのハンターに襲いかかろうとしている。次元獣との間に入り やめろ!!と力の限り叫んだ。
視界がふらりとふらついた。一帯はとてつもない高温に見舞われていた。
次元獣を睨みつけ目が合った途端、体に強い衝撃が走った。次元獣に体当たりされた。次の瞬間には数メートル先に吹き飛ばされていた。
しかし、ディーンの表情は余裕げだった。
感じ取った。次元獣はとてつもない恐怖で満ちている。
自分の生命が脅かされているのだ。生きるものなら仕方の無い感情だろう、
追記ステータス: 殺気
目の奥に激痛が走る、次元獣の注目は俺に向いていた。とてつもない殺気を感じる。しかし、動じることは無かった。
「俺はもっと強い殺気を知っている!!」
途端に目を開けていられない程の痛みが走った。ぎゅっと目をつぶると目の奥がドクンと大きく波打つ、
バシャン
音と共に殺気が消えた。と同時に痛みが引き、目を開けると、次元獣は無惨に砕け散っていた。次元獣の臓物やら、血やらが周囲に散乱していた。
熱せられたアスファルトの上で血が沸騰していた。赤黒い煙が漂う。
ドクッドクッドクッドクッ、
「はぁ、はぁ、はぁ、」
目の前の光景に吐き出しそうになる。
あぁ...快感、、、
バタリ
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