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ヨルム様の独り言日記  作者: 斎藤 怜
6/22

6話

サイトの使い方を教わりました。

どうやら、見てくれている方が増えているの?んですかね。嬉しい事です。

感想お待ちしてます。


ということで、6話は、是非ご覧ください。

「見つけましたよ!そこまでです!!」


教会の前は時折開かれる公開説教の場でもある為、ある程度の広さが確保されていると聞いた事がある。


その広い空間に大声が響き、仰々しい鎧をまとった騎士の一団が埋めてしまった。


そして、俺とアリシアに対峙するように扇状に広がった。


「何の騒ぎです。『集会の後はその日1日を慎ましく過ごす』という事をお忘れですか。………聖導騎士?」


さっきの大声が教会の中にまで聞こえたのか目つきの悪い修導女が再び扉を開いて出てきた。


彼女に言われるまでもなく、鎧についた紋章、装備をみれば彼らが聖導都から派遣された騎士、というのは明らかだった。


問題はこいつらがこんな小さい町にやって来ているのとさっきの発言。


「聖女候補を騙る不届きで不信心な詐欺師よ!無垢なる修導女を拐かし、己の利益に利用した事、この聖導騎士であるマッシュ・ガーリーが聖導師様と聖導貴族―アルドラゴ導士様の名の下に裁いてくれる!!」


聖導貴族、という単語が出てきたって事はあの狼の連中と同じ。


にしてもまさか町中で堂々と仕掛けてくるとは完全に予想外だった。


修導女という単語にアリシアではなく目つきの悪い方が反応してこっちをみるが違う、あんたじゃない。


「さあ!その聖z、修導女をこちらへ渡しなさい」


他の連中と同じ見た目だが、他の連中とは明らかに大きさの違う剣を下げた騎士が1人、こちらへと言う。


「…もし、この聖女候補、じゃなかった修導女様を渡したら、俺の事は無罪放免で見逃してもらえるのかな」


「罪人を逃すわけないでしょう。ましてや私は聖導騎士。あなたの様な聖導師様の教えを利用するような者を赦すわけにはいきません」


だろうなあ。


でもこいつ、馬鹿なんじゃねえか?


確かに包囲は出来ているように見えるが、後ろには逃げられる。


おあつらえ向きに教会裏は木々が生い茂っている雑木林だから撒ける。


しかも馬もどこかに置いてきているし何よりあの鎧だ。


いくら俺がアリシアを担いだとしても逃げ切れるのは明らかだ。


「なら断る!あばよ!」


「え、きゃ!」


俺はさっと両腕でアリシアを担ぎ上げ、一目散に走り出す。逃げ出す先には銀のきらめきが目の前に、


「逃げようとしても無駄です」


気づけばアリシアを担いだ俺の喉元にマッシュとか名乗ってた奴の剣が添えられていた。


銀のきらめきは、その切っ先だったらしく、唖然とした俺の表情を映していた。


嘘だろ、あの鎧を着込んでこの距離を一瞬で詰めたのか。


俺と奴らの間には目測20歩以上離れていたはず。一方俺はアリシアを担ぎ、10歩も走ってない。


こいつ筋肉馬鹿かよ。


「さては雑木林の中に逃げ込めれば我々から逃れられる、とでも考えたのでしょう。鎧を着込んだ我々より速く走れる、と。貴様、我々を舐めているのか。貴様の様な賊如きでは到底及ばない程我々は常に鍛錬を積んでいます。その気になれば貴様がその聖女候補を抱えて半日走ろうとも、我々は3日3晩、貴様を追い続けることができるのです」


流石に盛っただろ。


と思ったが、この騎士ならやりかねない。


後ろの連中もこいつと同じだけの実力があるのか。だとしたらまずい。


「流石はマッシュ聖導騎士隊長」


「3日3晩とか。半日が限界だよなあ?」


「その脳筋精神、もとい胆力にはとても、とても。我々では及ばない」


喉元に剣が当られているのに騎士達からそんな会話が聞こえてくるのはずるい。


やっぱこいつが脳筋なだけじゃねえか。


緊迫しているのか和んでいるのかわからない、そんな空気になりつつある。


「騎士様お待ちください」


「シスター。まさかこの詐欺師である罪人の庇いたてを?」


「いえ、そうではありません。ですが、どうか発言をお許し下さい。この町は聖導師様のお導きに従う善良な民の住まう町です。そしてここは教会の前です。教会の前を罪人の血で汚すなど。どうかお控えください」


「それは。私としたことが配慮が足りなかったようですね」


騎士が目つきの悪い修導女の言葉に怯んでいる。よし、


「そうだそうだ。それにな、騎士様。そもそも詐欺師って言葉に偽りありだ!こっちは本物の聖女候補様を連れているんだぜ!詐欺師呼ばわりっていうのはそっちこそ不敬じゃねえのか」


と、すっかり俺の腕の中で縮こまっているアリシアを降ろし、彼女の左手の平、聖印を見せつけた。


アリシアは恥ずかしいのか、顔を下に向けてしまってる。堂々としてほしいんだが。


「なに、ぐ、いや、しかし」


「しかもだ。これが偽物でないという事はこの教会の修導女様が確認済みだ。なあ修導女様ぁ」


「え、私!?」


「そうだよな修導女様ぁ?」


「え、ええ。確かにこの方、聖女候補様の聖印は本物でした。少なくとも、刺青や焼印の類ではありませんでした」


「さあどうだ、これでどちらが正しいか!なんなら周りの善良な市民にも確認していただこうか!」


いつのまにかこの騒ぎに町の住人達も集まり、騎士達の包囲を更に囲むように人だかりができていた。


「ぐ、く……しかし、アルドラゴ導士様の御命令が……」


騎士は頭が悪いのかそれとも分が悪いと感じているのか言い返してこない。


だが、このまま騎士達を論で言い負かしても聖導貴族の権威の方が圧倒的に高い。


たとえ適当な理由でも向こうがその名の下に、と言い出せばこちらとしては逆らえない。ならば、


「ここまで言ってなんだが騎士様よ。俺から一つ提案がある」


「提案、とは。いや賊の提案を受け入れるなど」


「聖女候補様の聖印が本物なのは確かだ。だがそれはあくまで俺とこの修導女が言っているだけに過ぎない。もし俺がこの修導女に金を払い、『聖印は本物です』と言ってくれと頼んでいたとしたら?」


「な、何を言い出すのです!」


「なるほど……?」


「ちょ」


「あくまでもし、だ。あんたが言わないから俺から言ってみたんだが」


「だがなぜわざわざ自分が不利になるような発言を」


「結局は意味がないからだ。ここにいる聖女候補様も本物、あんたが聖導貴族から賜ったという命令?えーっと、勅命、ていうんだっけか?まぁそれも本当だとすれば。互いの真実を貶めあっても意味はない。そこで俺からの提案というのがだ。騎士の剣、それは聖導貴族からもらったものなんだろ」


「無論。私の剣は聖導貴族様に捧げています。これが振るうという事はアルドラゴ導士、ひいては聖導師様の行いと同等の意味を持つのです」


「ならばその剣で俺を斬れれば俺の言葉が間違っていたことになるし、逆にその剣を俺が跳ね除ければ、俺の言葉が真実だと、証明される、そうはならないか」


「ほう、つまりこの私とこの剣に誓って決闘をする、と。……いいでしょう。賊からの、という点は気に入りませんがその提案、このマッシュ・ガーリーが受けて立ちます!!」


良し!乗ってきた!こいつ正真正銘の馬鹿だ!!


6話を読んでいただきありがとうございました。


最近になって宣伝担当からなろうの仕様を教わりました。一応この作品に目を通してくれてる人がいたんですね。まえがきでも書きましたが。



どうしよ。誰も見てないと思ってまえがきあとがきにつらつら独り言書き過ぎたな。

まあいいや。続行で。

本編を読んでいただければもうそれで嬉しいのでこの辺りの文は読まなくて大丈夫ですよ(遅すぎる忠告)



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