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ヨルム様の独り言日記  作者: 斎藤 怜
17/22

16話

どうしますかね、ストックが尽きそうです。


投稿が伸びるようならお知らします。

『…かくして、3勇者を退けたアルファズルは吾輩の力を使うことなく、次の街へ向かうのだった。………これ、吾輩の日記なはずなのに吾輩出番無くない?いや、まあそういう回ならわかる。温泉回とか、テコ入れ回とかなら吾輩、正直出番ないもん。だがしかし、敵の中になんかよくわからん吾輩の力の一端を持っている奴とか現れたのに?吾輩の出番というか?ふふふ、所詮は先祖から薄まった程度の呪い、このヨルム様本体の力には遠く及ばん、なあ下僕?みたいなシーンあってもよくなあい?まああの下僕が3人に勝てるはずないだろ!という状況を運任せとはいえ上手い事やったのは褒めてやりたいがな。当分、吾輩の出番ないのでは?まあ最後にあやつが意味深なセリフを言ってくれたおかげでちょっとは今後の展開を面白くできそうだがなあ。まあ良いわ。え?例の山脈デス・フジャンはどうしたかって?本当に追手は来なかったのか?険しい山道で遭難はしなかったのか?だって?はあ、それもないからこの件は描写はなし。ほんとに。雪山に棲むエンティティとかいう化け物でもでないかなーと思ったらそれもない。という事で出番があるまでアプリの周回でもやってるか』




俺達は3勇者(を名乗る連中)を運よく退け、山脈デス・フジャンを超えた。


最初に大ジリョーに向かう時は反対したが、ちょうどその大ジリョーに向かう、しかも最近開通した


という比較的安全で超短縮した道の地図を持っている糸目の商人と出会っていたので何事もなく大


ジリョーに着いた。さすがに糸目の商人の人の好さ、も限界なのか大ジリョーに目前で別れを告げら


れ、そそくさと行ってしまった。まあ俺としても目の前に大ジリョーが見えるわけでこれ以上贅沢は


言わない。なので、大ジリョーへは最終的に歩きで向かう事になった。


「けど、おっさんはいらなかったけどな」


俺、アリシア、そして情報屋のおっさんの3人で大ジリョーに入るべく門の列へと並ぶ。大ジリョー


の門は行商、聖職者、そして一般と3つの門に分けられているが、俺達はあえて一般の列に並んだ。


「そんなこと言うなよお前。おっさん話して良し、戦って良し、床上手で良しの3拍子揃ってるんだからな。こんなお得なおっさんそうはいないぞ?」


「無駄に税掛けられたくないからって言って鉄臭せえ鎧をきこんだまま聖抜都のジリョーに入ろうとする奴がお得感アピールすんな」


「なんで?!」


「そういえばアリシアはこの大ジリョーには来たことはないのか」


「はい、ジリョーに来たのは初めてです。元々私はニコライ導師様のそばを離れた事はないので、聖導都以外に行った事ある町はいままでありませんでした」


「そうなのか。まあ聖女様になる前に色々世間、て奴を知れて良かったんじゃないか。偉い連中ってのは大抵下々の事は知らないからな。アリシアが聖女になって聖導師様の下で働くようになったら本当に俺達みたいな奴の為になるかもしれないな」


「そう、ですね」


「お、おっさんのセンサーが今反応したぞ。いや、下のセンサーじゃなくてね?もしかして聖女になるの躊躇ってる?おじさんのお嫁さんに鞍替える?」


「まじで止めろバツイチ」


情報屋の汚い発言を抜きにしてもアリシアの顔はなんだか暗い。せっかく目的地である大ジリョー、


しかも降臨の儀1週間前に着いたんだ。喜んでもいいんじゃないか。


「なあ、本当に後悔はないのか」


「後悔、ですか」


「そうだ。アリシアは俺から見ると無理にでも聖女になろうとしてるみたいだ。今ならまだ引き返せる。ジリョーに入らなくてもいいし、ジリョーで普通に1週間観光気分で降臨の儀を眺めてもいい。その後の暮らしは自分で決めていいんだぞ」


「いえ、それでも私の役割は聖女となり、聖導師様にお仕えする事ですから。それだけの為に生きてきたのです」


「役割役割、てそんなのもう1人の聖女に任せればいいじゃないか」


「役割、というと違うかもしれません。これは私が決めた、私の生き方なのです。…確かに、あなたには他の人々の生き方や町の様子など色んな事を見せて教えてくれました。その事は嬉しかったですし、その、あなたの事も、賊とかごろつきとか言われている割には凄く良い人で私にも優しくしてくれますし、とても、とても感謝しています。けど、私が聖女になる事は変える事が出来ません」


「もしかして振られた?」


「うっせ!そんなんじゃねえよ」


「あ、あの私もなんかそういうのではなくて」


「んんん、失礼。混んでいるのでもうよろしいかな」


気が付けば順番が来ていて、門番の前に着いていた。俺はなんか知らないが、変な空気になりつつ


あったのをごまかす為に門番に向き直った。


「ああ悪い。何でもないんだ」


「よろしい。で、人数は3人。生まれた国と名前、そして目的は?」


「それなんだが彼女を見てほしい」


と、俺は小ジリョーでも使った手をここでも使おうとした。が、


「ああはいはい。聖印ね。手なんて随分シンプルな所に書いたな。まあ分かりやすくて助かるが。じゃあ降臨の儀を見に来た観光で、と」


「いや、観光じゃない。俺達は聖女降臨の儀に」


「だからそういうのはいいって。大体そこまで言うならあっちに並べ。こっちは一般だぞ」


あれ、意外と話が通じない。


「あんた、聖導都の孤児院から聖女候補様が出たって話聞いた事あるか」


「ああ、もちろんあるとも」


「実はな、」


「その方ならもうこのジリョーに到着して控えの間にいる。そのネタを使ってきた奴今日で3度目だ。俺はもう聞き飽きたよ」


「なんだって」


「じゃあ来たのは3人、聖導都より。名前はー、あっちで通行税払う時に書くか言ってくれ。はい、次の人」


俺が最後まで言う前に流されてしまった。まあ問題なく大ジリョーに入れたのは良いが、これは予想外だった。


「なんだ、そんなに意外か」


呆けている俺とアリシアの代わりに情報屋が記帳と税の払いを済ませた。


「いくら聖抜都とはいえ聖印の扱いが雑じゃないか。もっと、こう、話が分かってくれるみたいな」


「そもそも正規の聖女候補であれば事前に到着前に早馬で知らせて専用の通路を通るってもんだ。それを知らないだけでお前みたいなのは観光のお上りさん、みたいな扱いを受けるんだよ。まあ前向きに捉えればこのジリョーにいる限り狙われる必要はないって話だ。1週間楽しもうぜ」


そんじゃな、とジリョーに入った途端、情報屋は俺達から離れ、どっかに行ってしまった。おそらく


酒場だろうがもう分からない。なぜなら、


「「す、すごい人だーー?!」」


俺とアリシアの言葉が被った。それほどまでにすごい人だった。広いはずの道には人や馬車で埋まっ


ていて、店や露店、酒場はたまた商会にまでも人だかりか行列のどちらかが出来ていた。


小ジリョーは大きな湖を1周するように作られた輪の街であるとすればこの大ジリョーは四角、の街


だ。


全ての道が区画として整理され、縦横の道が区画を仕切っている為、道に囲まれた四角がたくさんで


きる事になる。その為、街の外から俺達みたいな奴は迷いやすい。だが、対策もされていて、通りに


目印になるよう数字が振られているのだ。


「あそこに見えるのが降臨の儀で行われる祭壇、でしょうか」


アリシアが人混みのはるか向こうを指さす。


「あー多分そうだな。けどこの人ゴミじゃたどり着けないぞ」


「それでも、なんとか、人をかき分けて、きゃ」


「おい、それは無理そうだな」


アリシアが流れに逆らって進もうとしたが弾かれた。俺が引っ張ってやれば行けない事もないが、


「なあこれは辿り着くのは無理だな」


「そんな」


「だからさ、」


「今日1日は楽しまないか?」




「アリシア、熱いから気をつけろ」


「はい」


「こっちは甘いな。これも食うか」


「はい。あ、見てください。あそこ魔導具の展示だそうですよ」


「ほんとだ。という事はあの糸目の商人もいんのかな?」


「いない、みたいですね」


「だな。なあ、次はあっちの通りに行こうぜ」


「はい!」


俺はアリシアを説得し、他の連中と同じようにこの祭りを楽しむことにした。屋台、出し物、展示等


を目についた所をアリシアを引っ張って連れ回した。いや、正直に言うと俺自身もはしゃぎたかった


のかもしれない。こういった経験は俺自身にもない。おそらくアリシアもだ。夜の酒場とは違う、祭


りの雰囲気と熱を俺達は全力で楽しんだ。


「ふう、さすがに疲れたな」


「ええ、少し休める所があるといいですね」


「ならー、あそこ。なにやら芝居かなんかやってるっぽいぞ」


席もまばらに埋まりつつある出し物を指さし、俺とアリシアは席に座った。席料は取らない代わりに


飲み物か菓子を買うよう言われたので飲み物と菓子、それぞれを2つずつ買った。喉も乾いてたしな。


どうやら出し物は芝居、といっても声だけで絵を次々と流しながら声を当てていく声芝居、というも


のだった。


内容は聖女降臨の儀、その儀式へ参加する為巡礼する聖女候補たちのお話だった。俺とアリシアは純


粋に物語を楽しんだ。


「そして、数々の聖女候補の乙女がその道半ばで命を落とす中、彼の聖女は傷つき、苦しみながらもとうとうこのジリョーへと辿り着いたのです。その刻限はちょうど降臨の儀間近。突如、街の中心にある祭壇から光の柱が立ち上がったのです。聖女候補であった乙女はこれこそが降臨の儀だと思い、最後の力を振り絞って祭壇を登りました。ついに、辿り着いたのです。そして彼の乙女は光の柱に飲まれ、聖女へと生まれ変わったのでした………これにて声芝居、終演となります!ご清聴ありがとうございました!どうぞ、お土産に光の柱を模した綿菓子、どうぞお求めください!」


俺達は最後にその綿菓子も買って引き上げる事にした。空もようやく陽が落ち始め、人々も帰路に就


く者、宿に向かう者、まだまだこれからと酒場へ向かう者と流れがまた分かれる。


宿は結果から言うとなんとか取れた。だが、祭壇近くの宿は既に埋まっており、結局入って来た門に


近い場所の宿に泊まる事になった。


「いやー食ったし歩いたし疲れたなー」


「ほんとですね、けど楽しかったです」


「まあな。その分散財もしたがなー」


「あ、ごめんないさい」


「あーいや、いいんだ。俺も楽しめたし。それにやっと大ジリョーに着いたんだ。報酬の金貨300枚が手に入れば気にならないさ」


「そう、ですよね」


「そうそ。それに、」


「それに?」


「いや、前にも聞いたからさもう聞くつもりはなかったけど。本当に聖女になるのか?」


「はい。それが、私の役割ですから」


そうか。


「そうか。なら最後に」


最後に楽しい思いをしておかないか。


正直情報屋のおっさんに煽られた時は気にしなかったが、普通に考えればそこらの街一番の可愛さを


誇るであろうアリシアとこうしてずっと部屋を共にしてきたんだ。もう我慢の限界だった。


大丈夫。酒場で口説いた時と同じようにすれば、


「アリシア…」


俺はアリシア顔に手を伸ばす。その頬は先程まで外にいたせいか冷たく赤みがかっていた。まるで化


粧の様に感じて俺の気持ちは余計に高ぶった。


アリシアに顔を近づける。


するとアリシアは、


「ふえ?」


と、眠たげな顔でこちらを見た。


「…いや、顔が疲れてるなって。今日は歩き回って疲れたろうからもう寝よう。うん」


ここで引き下がったとばれたら情報屋のおっさんにまたドーテーとか言われそうだが、アリシアの眠


そうな顔を見たら流石に抱けなかった。


俺はそう思うと、正気に戻った気がして一気に遊んだ疲れが来て、すぐに眠くなった。


「…お休みなさい」


後ろでアリシアの声が聞こえ、俺は目を閉じた。


最後まで読んでいただきありがとうございました。


最近投稿頻度ガばってます。

それもそのそのはず語ると長いので二言でいうなら、



アプリゲー が 面白い。


あれ?本当に二言で言ってしまった?


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