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隠れ家バーシンデレラ  作者: 藤ヶ谷 秋子
9/29

第八話~思い出と怨恨と会話~

こんにちは、藤ヶ谷 秋子です。今日は、カルーアの過去編ともう一つ、雫が幼い頃の話をまとめて投稿しようと思います。これからは、二週間に一回の投稿になることが増えるかもしれません。


なお、今回のお話は、前回の台詞から続いているので、前のお話を見てからの方がいいかもしれません。

「昔、とある青年にとても気に入られていたの。成年したばかりで、お酒が苦手だったの。でも、私だけは『飲みやすい』と言ってくれた。私は凄く嬉しくて、彼に好かれるような味になろうと、毎日勉強した。だけど、とある本を読んだとき、私はショックを受けた。『ごく稀に、人格を持ったカクテルがいる。その人格にもよるが、人格を持ったカクテルは味が感情に左右されるため、美味しくないものが多い。』信じられなかった。私に人格があることがばれれば、私は捨てられる。本気でそう思った。だけど、彼はとっくに気付いていた。それも承知で、私を飲んでくれていたのね。私は、もっともっと彼に尽くそうと思った。こんな気取ったお嬢様みたいな人格なんか捨てて、素直になろうと思った。そんな時よ、()()()が現れたのは。シンデレラにアルコールがないのは、貴方たちも知っているでしょう?彼は友人に勧められてアイツを飲んだ。その時の彼の少年のような笑顔は、今でも忘れられない。それから彼は、アイツにのめり込んでいった。まるで悪魔に操られているみたいに。私との記憶が、すっぽり抜け落ちたみたいに。だから私は、アイツに負けたのが悔しくて、浄化を拒んだ。もうアイツの顔は二度と見たくない。今思えば、意地を張ってただけだったのね。でも、貴女の言葉に、私はハッとした。もう、彼に愛される必要はない。私は私の意志で生きればいい。それに、彼は何処かで私を飲んでくれているかもしれない。なら私は、例え消えてしまってもいい。そういうことよ。...迷惑かけたわね、二人共。

______。」

最後の言葉は、彼女が消えかかっていた所為か、俺には聞き取れなかった。杏子には、聞こえたのだろうか。でも、教えてもらう気はない。多分、分からなくてもいいから。俺達は、暫くそこから動けなかった。


その一方。紅酔は、運河沿いでただ水面を見詰めていた。いや、水底を見詰めているのかもしれない。柵の隙間から、その細い腕を伸ばし、川の冷水に触れようとする。その時、後ろから声がした。

「どうも、紅酔さん。元気にやってはります?」

「ああ、君か。私は見ての通り元気だよ。...君はそんな下らない話をする為にここに来たのかい?」

「ふふ、流石です。うちの要望は一つだけですよ。...カルーアさんの魂は、うちに譲っていただけますね?」


何処からか、ポチャンと何かが水に落ちる音がした。


~続く~


いかがでしたか?新キャラの人は何弁なんでしょうか?私の知り合いに、こんな喋り方をする人がいるので...

多少間違ってしまうことがあると思うので、その際はお知らせください。

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