第七話~理論的なアプリコット~
こんばんは、藤ヶ谷 秋子です。
一週間も投稿が遅れてしまい、すみません!次の過去編は、しっかり頑張ります!
突然の出来事について行けず、口をポカンと開ける雫。何より先程の杏子の台詞。『愛されたかった』とか...
あの杏子からそんな言葉が出てくるなんて、思いもしなかった。
「ね、ねぇ杏子ちゃ...」
雫が声を掛けようとした瞬間、雫の顔が激痛に歪む。雫の足の上には、茶色いローファーがギリギリと音を立てて乗っかっていた。
「...さっきからの『杏子ちゃん』っていうの、何?それから、その間抜けな顔、何とかして。不愉快。」
そういえば、さっきから無意識に『杏子ちゃん』なんて言っていたかもしれない。そりゃあ怒るだろうなぁ、雫は少しばかり反省した。
「ごめん、ごめん。じゅあ、何て呼べばいい?」
橘さん?杏子さん?どんな呼び名を要求されるのかと少し不安になった。しかし、杏子は小さく舌打ちして、足を退けた。
「べ、別に、ダメだなんて言ってない。好きにして。...それより、さっきの話、理解した?」
そういえば。浄化とか、人が消えたりとか、よく解らないことが多かった。マスターなら知っているだろうか。
「あの、マス...」
雫の口を、杏子が塞いだ。
「多分、マスターには声かけない方がいい。それに居ないし。...だから、私の推測で話す。まず、この店には、何か辛いことがあったカクテルが集まる。そして、そのカクテルに自分のカクテルを飲ませればそいつの怨念は消える。恐らく、怨念があるとカクテルが不味くなるんだと思う。」
あの短時間でこれだけの事を推測していただなんて。でも確かに、そう考えると辻褄が合う。ではその怨念とは?と疑問に思っていると、裏口から誰かが入ってきた。半透明で、触れることができない。すると、その誰かが独りでに語りだした。
「私はね...」
~続く~
いかがでしたか?私も、まさか杏子ちゃんがこんなキャラだとは思いませんでした(笑)
次はカルーアの過去編です。乞うご期待!