第五話~お怒りのお嬢様~
こんにちは、藤ヶ谷 秋子です。基本的に、1つのカクテルに2~3話程割きます。つまり、カルーア編は、次で最後ということになります。
「しかしまぁ、何でいきなりカクテルを作ろうと?」
カルーアの机にカクテルと蓮根のチップスを置いた後、裏に戻った雫が問うた。杏子もジトッと紅酔を見つめている。マスターはうふふ、と笑って答えた。
「何となく、かな。今日こそは、上手くいくような気がして。」
紅酔の紅色の瞳が、少し曇った。雫と杏子は顔を見合わせ、「そうですか。」とだけ言った。
すると、カルーアの方から、ガシャン!と何かが割れるような音がした。駆けつけてみれば、カルーアの足元で、グラスが割れている。
「大丈夫ですか!?お怪我は...」
するとカルーアは、ギッと雫を睨みつけた。
「小僧...紅酔を出せ。小娘もじゃ!!」
その口調の変化と鬼の形相に思わず腰が抜け、
「マスター!杏子ちゃん!カ、カルーアさんが...」
と雫は叫んだ。慌てて奥から二人が出てくる。
「紅酔、これはどういうことじゃ?」
いつもヘラヘラしている紅酔が、真剣な眼差しで、カルーアを見つめた。杏子の目つきも、より一層鋭くなる。
窓から差し込む夕日で、割れたグラスとカクテルが、キラッと光った。
~続く~
いかがでしたか?関係ないですが、1週間って早いですよね。ボケーッとしてたら、あっという間に投稿日の前日になってました...。めっちゃ焦りました(汗)
次回もお楽しみに!