第三話~勘違いと最強の新入り~
こんにちは、藤ヶ谷 秋子です。とうとう新キャラが出ましたね。人物紹介も、いずれ投稿したいと思います。
すっかり固まってしまった俺に、男はお茶を出してくれた。
「あ、ありがとうございます。俺、何が起こったのか全く分からなくて...」
「いやいや、それは当たり前だよ。振り返ったらいきなり建物が現れたんだもの。それに、私も変な笑い方をしてしまったようだ。済まないねぇ。」
ケタケタと口に手を当てて笑うこの人は何者なのだろうか。恐る恐る男の顔を覗き込む。男は笑うのを止め、ゆっくりと立ち上がった。
「おっと、自己紹介が遅れたね。私の名は五月雨 紅酔。ここのマスターをしている。宜しくね、雫ちゃん」
マスターのカクテルグラス型のピアスが風で揺れる。マスターのかっこよさと、突然のちゃん付けに俺は困惑する。
「ち、ちゃん...!?俺、男ですよ!?」
「なッ...!?君、男だったのかい!?声が高いし、可愛い顔してるから、てっきり女の子かと...」
「酷いですよ~!!これでも気にしてるのに...」
マスターと二人でぎゃーぎゃー騒いでいると、後ろのドアがガチャ、と開いた。マスターが目を見開く。
「おやッ、君もここに来れたのかい?えっと...」
「...橘。橘 杏子。そこにいるのは、私と同じ新入り?」
突然の出来事についていけず、俺はまた固まってしまった。
「あぁもう!!この子、どんだけ想定外に弱いんだい...」
「私が一発で起こす...フンッ!」
腹部の激痛で俺は倒れこんだ。復活したら、絶対仕返してやる...という思いで、俺は女を睨んだ。
いかがでしたか?毎週日曜日に投稿しているので、また読みに来てください。