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水道事業参入

洞窟は、まるで生きた迷路だ。

一度入った洞窟でも、動物が穴を掘ったり地下水の侵食があったりで、次に来たときは姿形が変わる。

そんな洞窟が、大好きだった。


広島県北部の山あいの村が生まれ故郷。


比較的背の低い山々から連なる中国山地の洞窟が、

子供の頃の遊び場だった。

村には、中国山地を通る洞窟の入り口がたくさんあった。


山を隔てて北側に、日本海気候の島根や鳥取。

西側に、穏やかな瀬戸内海気候の岡山や広島。

それを知ったら、居ても立っても居られず、学校をズル休みして、洞窟を通って島根の小さな村落に出た。

その村で警察に保護された。


洞窟の中には光が届かず、日付の感覚がわからなくなる。

気づけば一週間経っていて、家族から捜索願を出されていた。


その日以来洞窟探検をさせて貰えなくなった。


【大きくなったら、絶対に大金持ちになって、山を買う。そこに自分だけの洞窟を作って探検する】

それが夢だった。


時は経ち、高校生で出版した自叙伝「洞窟少年〜失踪の記録〜」がベストセラーとなり、それを資金に株をはじめたら大儲けしてしまった。


金は、金を呼ぶ。

あれよあれよという内に、世界一リッチな高校生としてギネスに載るほどになっていた。


時を同じくして、日本は水道事業民営化を施行した。


以前から洞窟に次ぐ存在として、マンホールの下に広がる底知れぬ可能性に、ただならぬコスモを感じていたわたしは、意を決して、東京23区の水道事業を買い取った。


次筆に続く。

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