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おののき、そして厄災へ  作者: ハロ
3章高校3年生 見えない厄災編
31/36

30話 訪れ

ここから、かなりヤバイ話となります。

覚悟は宜しいでしょうか?

桜の舞う季節。

僕達は3年生となった。


高校では最上級生となる。

後輩への手本とならなくてはならない。


「えへへへへ♪」


燐火が隣でニヤけている。

頬は緩みっぱなしだ。こんな先輩では、示しが付かない。僕は燐火に指摘する。


「燐火、今日から3年生なんだぞ?もう少し、シャキッとしろよ?」


「うーん。こう?」


「それはただ馬鹿な顔だろ?こう!」


「奏介も馬鹿な顔なってるよ」


うぐっと僕は息を吐く。

こうして、間近で見る燐火は可愛い。


「奏介…………声漏れてるから」


燐火は顔を赤く染め、俯いた。

僕も恥ずかしくなり、下を向く。


バシーン!


「痛!?」


突然、背中を叩かれる!

振り返ると、伊集院さんが居た!


「後輩に示しが付かないだろ!シャキッとしろ!シャキッと!」


「すいません。伊集院生徒会長」


伊集院さんは今年から、生徒会長となる。

他に候補が居なかった訳ではない。彼女が適任だったからだ。


生徒会は役員が増えた。

長谷部先輩が卒業したが、新たに2人確保出来たのだ。


「初めまして!寿(ことぶき) (あかね)です!1年生です。不馴れでご迷惑お掛けしますが、宜しくお願いします!」


礼儀正しい新入生だ。

ツインテールにしており、顔も可愛い。気立ても良く、性格も明るい。


「今回から生徒会に所属します。(ひびき)(かえで)です。2年で、バスケ部から転移しました。宜しくお願いします」


ポニーテールが特徴の、とても綺麗な顔をしている。しっかり者な感じで、生徒会長候補にしても良さそうだ。


「響さんは副会長をして貰っても良いかしら?」


「はい!その積もりです!」


「寿さんは庶務をして貰いたいのですが、良いかしら?」


「えーと、はい!」


生徒会長、伊集院 神無月、3年生

副会長、響 楓、2年生

会計、日比野 燐火、3年生

書記、寺師羽根 奏介、3年生

庶務、寿 茜、1年生


庶務を新たに役職として加え、今年が学生最後の生徒会が発足されるのだ!あ、これは僕視点の言い方ですね。


生徒会にはもう少しメンバーを加えてもいい。

会計がどうしてもネックとなる。頭が良くないと務まらないし、確認が疎かな人には向いていない。


「奏介!頑張ろうね!」


「おう!」


「でも、生徒会のメンバーってさ」


「何?」


「女の子だらけだよね?奏介、ハーレム狙いはダメだからね!」


「意味わかんね。僕はモテた事ないし」


「奏介はモテるよー。あたしに♪」


「燐火限定かよ!って、僕は燐火にモテればいい」


燐火は顔を赤く染めた!

モジモジとして可愛い。もう帽子も被っていないのだ。あの帽子が懐かしく思える。


「あ、あたし先生に呼ばれてるんだ。先に帰ってて」


「いいよ。待ってる」


「悪いよー。進路相談だから、時間かかるし。家で待っててよ!」


「分かった」






僕は浮かれていた。

帰り道、あの電柱を横切ってしまったからだ。


招かざる客を、僕はどうやら招いてしまったらしい。

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