冒険の始まり
僕は夢を見ていた。
そう、とても楽しくていい夢…。
「よし、ここの森のボスは倒したし、ここはこれで攻略か?カルマ」
「そ、そうだよ! それにしてもほんとにすごいよ!この絶迷の森を一人でクリアしちゃうなんて。さすがは街一番の冒険者 クレハだね!」
「そうか?ここのモンスターは手ごたえなかったんだけどな…。」
僕は街一番の冒険者カルマ。
まぁ、それは夢の中で適当に作った名前で本当の名前は「風咲 桜」
それにしても、夢だとはいえクレハって名前はセンスなかったな。
俺も人のこと言えないか…。
俺は普通の高校二年生、いや普通ではないか。
俺はこの女みたいな名前でいじめられている。
だから、せめて夢の中では、せめて…。
「おい、カルマ この辺りのダンジョンは全部攻略したはずだ。そろそろ拠点を変えて新しい街にいかないか?」
「他の街の冒険者も言ってたけど、この辺りにはここしか街はないよ。
遠くにはいくつかあるみたいだけど、あまりにも危険すぎるよ。
あそこに行って帰ってきた人はいないらしいよ。」
「おいおい、カルマ。俺を誰だと思ってるんだ?
街一番の冒険者だぜ? 俺ら二人が街の外に行かないと、だれが外に行くんだよ」
「そうだけど、他の街はもうモンスターに占領されて、人がいないかもしれないんだよ」
「そんなの行ってみないとわからないさ! もしモンスター共に占領されていたらその時はその時だ!
行こう、カルマ!」
「わかったよ、そこまで言うならついていくよ。」
ああ、そんな危険な行動にでるなんて俺らしくねえ。
まぁ、これは夢だ。ここは俺の夢の中だ。
そろそろ朝か。
早く起きないと学校に遅刻しちまう。
学校か…。
僕は夢を見ていた。
そう、とても楽しくていい夢………のはずだった。
あれ、起きれない。
いつもならそろそろ起きる時間のはず。
おかしいな。そろそろお母さんが起こしにくる時間。
こない…。
どれだけ待っても…。
「どうしたのクレハ、大丈夫?」
「ん?あ、ああ。悪い、大丈夫だ。」
「そっか、じゃあ行こうか!
取りあえずここから一番近い街に行ってみよう!」
「ああ、そうだな! とりあえずそこにいってみよう」
目覚めない、俺は夢の世界へ来てしまったのか?
そういえば、夢の中でモンスターと戦っているとき俺はダメージを受けた瞬間痛かったような…
もしそうなら、この世界で死んだら俺はどうなる?
現実世界に帰るにはどうすればいい。
現実世界に帰るには…?
帰るのか?あんなにも大嫌いだった世界に。
いや、今はそんなことを考えている暇はない。
現実世界に帰るかどうかなんて後回しだ。
本当に夢の中に来てしまったのか。なんのためにここに連れてこられたかを調べよう。
とりあえずは情報収集だ!
俺みたいに夢の中に入りこんんだ人がほかの街にいるかもしれない。
その為にも街の外へでよう。