EPISODE389:オペレーション・スキュータム PART6
「お前らに容赦はせん! 逃げ惑え……!」
「うわー!!」
同時刻、第一本庁舎及び都民広場にて。生き残った自衛隊員たちは空中からの攻撃から逃れながら戦っていた。投下された爆弾や対地射撃、のみならず、ロギア配下のエスパーであるガリアーノによる追撃もあってか自衛隊から見れば悪夢のような光景だった。
「あひええええええ! あいつら本気すぎるにもほどがあるぞ!! 私の大規模統一部隊が追い詰められるなんてェェ!!」
「なりませんぞそんなことでは! 辛いのは自分も同じであります……ヤツらを食い止めるまでガンガン戦いましょう!」
「そ……そうですな! 我々は腐っても国を護るもの! そうしましょうぞ! うむ!!」
筒井や指揮官・魚沼たちは指示を続けるべく護衛とともに爆撃から退避を続けていた。今のところ戦いを放棄した様子は見られない辺りは、腐っても国を守る使命を帯びていると言えよう。
「やれやれ。ロギア様の過激さにも困ったものですな」
「同感だわ。不要な人間を淘汰するのは結構だけれど少しは考えて欲しいものね」
ニヒルに笑う駿河の言葉に同意したマリエルはロギアが始めた一斉攻撃に呆れながら、薄い氷の結界を自分たちの周囲に展開。爆撃に巻き込まれた程度では死なない。
が――それで受けたダメージが蓄積されて、後々戦いのときに響いてきては困る。だから事前に回避しておくのだ。こうやってダメージを軽減しておけば敵部隊の残党追撃もより安心して、余裕を持って行えるというもの。
「そこでしょう?」
「ヘアッ!? 見つかったッ!」
片目のサポーターアイのモニターに敵の生体反応が映し出された。自衛隊員を発見したマリエルは冷たく微笑すると氷柱を地走りで発生させ、自衛隊員の胸を貫いた。氷柱が割れたあと、プロテクターを貫通され胸に風穴を開けられた自衛隊員の体がゆっくりと崩れ落ちる。
「あなたたちね!」
「む……」
マリエルたちは警戒した様子で声がした方向を向き、各々の武器を構えて威圧する。少しだけ釣り上がった瞳を、マリエルは細めた。
対する健とあずみは、並び立った三人のデミスのエスパーを前に息を呑む。果敢に立ち向かわんとした、しかしその鋭い眼光に威圧され、立ちすくむ。金色に輝くベルトのバックルはデミスの使徒において頂点に立つものの証――。
「そのバトルスーツが噂に聞くパワードテクターかしら? はじめまして、私はデミスの使徒が誇る五戦騎がひとり、【凍てつく蒼海の魔女】マリエル・アーミティッジよ。こんなところでお会いできるなんて光栄だわ。東條健と葛城あずみ」
「っ! これが五戦騎……ゴールドの位階を与えられたエスパー……!」
「すごい気迫……まだ何もされていないのに身動きがとれない」
マリエルにすっかり威圧された健とあずみに対しルキウスは両手剣を二本その手に持ち、静かにかざす。フルフェイスのヘッドパーツをつけているために表情を読み取ることは誰にもできない。彼との間に深い信頼関係が結ばれていない限り。
「【白金の竜騎士】に【薔薇の戦乙女】か……。【紺碧の守護騎士】ルキウス・フェデルタ、俺の名前だ」
「わたしは【白と黒の狭間に立つ審判者】駿河信夫だ! デミスの使徒に楯突く罪人め、ここで朽ち果てろ」
ルキウスと駿河は名乗りを上げ、健とあずみを威嚇。しかし勇ましいふたりは身をすくませていた恐れを振り払い、戦闘態勢に入った。
「あなたたちはこの先に行きたいんでしょう? けれども通すわけにはいかない」
「おあいにくさま、僕たち足止め食ってる場合じゃないんでさ! 意地でも通らせてもらうぜ!」
「それでどちらが私の相手をしてくださるのかしら?」
「クッ」
本来なら戦いに男女は関係なく、女でも容赦しないほうが正しい。しかし東條健という男の場合はそうもいかない。彼はフェミニスト気質であり、たとえ敵であれ女性を傷つけることは良しとしないからだ。
「フッ……【白金の竜騎士】ともあろうものが、威勢がいいのは口だけか? ではこちらから行くぞ」
冷徹な口調でルキウスが健を煽り、動揺させることで闘志を燃やさせようとする。相手のペースを崩して自分のペースへと持ち込む基本戦術のひとつだ。次に彼は健へ両手に持った両手剣を振るおうとしたが――マリエルはそれを制止した。
「お待ちなさいルキウス」
「ですが……」
「あなたは我が軍団の最後の砦。戦力の温存も兼ねて――より正確な情報を得るために戦況を探りなさい」
「……仰せのままに」
マリエルから新たな命令を受けたルキウスはフルフェイスのマスクの奥で目を伏せ、その場からすばやく立ち去った。彼は直接戦闘だけでなく偵察も守備範囲なのである。
「健さん、ここはわたくしが引き受けます。本来ならばあなたを糾弾すべきところですが、たとえ敵であれ女性には手を挙げない姿勢を貫かんとするあなたの優しさに敬意を表します。健さんはこの先にいる敵を討伐してください」
「ありがとう葛城さん……」
葛城コンツェルン総帥の座を受け継ぐ女であるあずみからの恩賜を受けた健は、彼女のことをいつも通り苗字で呼んだ。しかし自身の非情になりきれない部分を受け入れてくれた彼女に敬意を表した健は、次に彼女のことをこう呼んだ。
「あずみッ! 君に任せたよ!!」
「ッ!?」
はじめて下の名前で呼ばれた。一瞬動揺したあずみであったが、すぐに平静を取り戻してその目に標的――マリエルをしっかりと捉える。
「うふふ。葛城あずみ、あなたが私のお相手をしてくださるとは光栄だわ。これも運命のめぐり合わせというものかしら」
「望むところ! どちらが先に倒れるか――勝負です! マリエル!」
微笑するマリエルは両手に握った細剣を交差させてからあずみへ向け、あずみは突きと斬りどちらを初撃で出しても後続の技が出せるように剣――ローゼスレイピアを向けた。
ぶつかり合いをはじめる前に、マリエルは背後で身構えていた駿河に目をやる。
「駿河、この戦いには手出し無用よ! あなたは東條健を追撃しなさい」
「ハッ!」
駿河は先回りして健を叩くべく、コンクリートの亀裂を通して異次元空間へ瞬間移動。そこを経由し都民広場の先――第一本庁舎の内部へと向かった。
「イヤァァァァッ!」
「えいやああああ!」
かくしてあずみとマリエルの戦いの火蓋が切って落とされた! まずは両者ともに突きを繰り出し合い接戦へと持ち込む、火花と水しぶき、花びらと薄氷が二人の周囲へ舞い散る。
互いに間を空けるとマリエルのほうから無数の凍てつく刃による洗礼があずみへ襲いかかった。数発かすりながらもあずみはそれを避けた。
「ヴァイオレントブロッサム!」
次にローゼスレイピアを地面へ突き立て、地中より無数のイバラを突き出す技――ヴァイオレントブロッサムを繰り出す! 彼女が持つ技の中では比較的容易に何度でも出せる下級の技だが自分よりも格下を相手にするときはこの技で十分蹴散らせる。
「甘いわね!」
しかしマリエルはそんな格下どもとはわけが違った。おびただしい冷気を奔らせるとイバラを枯らせた上にそれを凍結・粉砕したのだ。
今度は、ローズシールドを構えるあずみへ一気に距離を詰めて突きと斬りを交互に繰り出す! 負けじとあずみは反撃に出るもマリエルは二本の細剣を巧みに扱いそれを弾き返した。
「なかなかやるじゃない」
「くッ、さすがゴールドクラス……肩書き相応に強い!」
余裕たっぷりに笑うマリエルに反してあずみは唇を噛み締め焦りを感じていた。けれども彼女は知っている。落ち着いて対処しない限りマリエルには決して勝つことはできないことを。
「アクアプレッシャー!」
「うわっ!?」
マリエルは容赦無く衝撃波を放った。それと同時にウォーターカッターのごとき怒涛の勢いで水が吹き出す――剣技を繰り出すと同時に水脈を操ったというのか? あずみをも上回る彼女の技量は計り知れない。
「アップライジングガッシャー!」
「しまっ……んああああああーッ!!」
そこへ追い打ち――怒涛のごとく噴き出す水柱を伴ったダッシュ攻撃だ。×の字を描くようにマリエルはそれを繰り返し、宙へ舞わせたあずみに対し空中回転斬りを決めた。闘いながら夜空を舞うその姿、目を疑うほど麗しくも残酷だ。間髪入れずに連続攻撃を食らったあずみは頭から地面へ落下し、著しいダメージを受けた。
「立ちなさい。私、倒れた相手に斬りかかる主義ではなくってよ?」
「はぁっ……はぁっ……」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
あずみとマリエルの決闘が激化し始めたが、その頃健は――。第一本庁舎へ突入した彼を待ち受けていたのはロギア軍団に属する黄色と緑のマスプロイド部隊であった。
対応したダークカラーのボディを持った隊長格――マスコマンダーが機関砲や隊長の証である教鞭を持って立ちはだかる!
「『光ノ矢』ノ増援ダ! 殺セッ!」
「お断りッ!」
健はエーテルセイバーに風のオーブをセットし、旋風を伴う突きでマスプロイド部隊を一閃! 激しい風に身を引き裂かれながらマスプロイド部隊は爆発した。
「撃ち方やめェェェッ! たった今東條健の反応をキャッチした。これより第一本庁舎にてヤツを殺す!」
そして、ロギアのサポーターアイもまた健の反応をキャッチ。彼は一斉爆撃・射撃命令をキャンセルし、VTOL機から第一本庁舎屋上のヘリポートへ飛び降りた。
「気をつけよ健! とてつもなく強いエスパーの気配を感じた……恐らくこの都庁にいる中でもっとも強いエスパーだ!」
「なんだって、それホント? あの五戦騎のお姉様をも上回るヤツがいるっていうのか?」
ロギアのもの――と思われるエスパーの反応をつかんだアルヴィーが龍の姿で現れ健へ警告する。が、緊迫した空気の中、健はつい先程遭遇したマリエルの敵ながら妖艶だったあの姿と抜群のプロポーションを思い浮かべ鼻の下を伸ばしてしまう。同時にあずみに任せてよかった、と、少し安心した。
「何想像しとるんだ」
「あっどーもすんません」
咳払いをすると気を取り直し、警戒した顔で第一本庁舎を進む。既に自衛隊もデミスの使徒も互いに壊滅的大打撃を受けたのか、誰もいない。エントランスやそこまでのフロアには敵が待ち構えていたし、すでに息を引き取ってしまっていた兵士もたくさんいたのだが。
この不穏な状況をいぶかしがって、第一本庁舎内部にある展望室にまで辿り着いた健へ、唐突にしなるムチが襲いかかり彼の体を拘束する! 間髪入れずに展望室内の座席シートの隙間から、不敵に笑いながら駿河が現れた。彼のムチ、そう、ベンジェンスが健を捉えていたのだ! まだ龍の姿をとっているアルヴィーはベンジェンスに噛み付きちぎる!
「チッ、せっかくマヌケを捕らえたというのに余計なマネを!」
「す、駿河信夫……!?」
「ハハハハハハ……。世界終焉の大義を掲げる我らデミスの使徒に刃向かう愚かな罪人め、わたしから逃れられると思っていたのか!」
「大義だと……!? ふざけんなッ! お前たちの勝手で世界を滅ぼされてたまるか!」
「それが選ばれなかった人々が歩むべき正しき道なのだよ!」
駿河のヘッドパーツのカメラアイから破壊エネルギー弾が放たれた。健は一発目を横っ飛びでかわし、二発目をシールドで防いだ。三発目はアルヴィーがくわえ、投げ返した。
「この際断言しようじゃないですか。デミスの使徒こそ正義であり、君ら『光の矢』は正義を騙る悪でしかないと」
「黙れッ! 貴様のようなヤツが正義を名乗るな!」
「うぐぐぐぐぐぐぐぅぅぅぅぅぅぅッ! この罪人めがあああああ!! 知るがいい己の罪をッ! 『裁きの秤』ッ!」
「ウッ!?」
健を罪人と決めつけて煽ったら事実を織り交ぜて煽り返されたため、逆上した駿河のヘッドパーツから今度は催眠光線めいた波動が放たれた。アルヴィーは弾かれ、人間の姿へと戻る。健の周りの景色は都庁の展望室から地獄めいた燃え上がる空間へと変わっていた。
「幻覚か? 駿河のやつが僕に幻を見せているのか?」
「これはヤツの能力の一環……健、来るぞ!」
「人は誰しも罪を犯すものだ。ゆえに! わたしが裁かねばならん。罪人はどんなに小さな罪であろうとその命を持って罪を償わなくてはならん」
健の魂が抜き取られ巨大な天秤にかけられた。駿河は健を見下しながら鼻で鳴らすとその手に書物を握った。それなるは彼が独断と偏見で罪だと判断した事象が記されたファイルである。なんと独善的なのか! しかも恐ろしいことに対象の心のなかを読み取って、そこから書き記しているのだ――。
「君は幼いころに虫を踏みつぶしたことがあるそうだな?」
「ぐっ」
「クラスの女の子にちょっかいを出したこともあったようだが?」
「うくっ!」
「友達とケンカをしてケガをさせたこともあったらしいな?」
「やめろ駿河……やめろッ」
「かわいそうに~~父親の死を知っておきながら、他のご家族には話していないとも書かれていたぞ?」
「やめろお!!」
健を煽り心の傷をえぐるように駿河は彼の犯した罪(だと判断したもの)を述べてゆく。幼少時の些細な出来事はおろか、健が家族のことを思ってあえて隠していたことまでも――。
「なにい……」
「虫を踏みつぶしたりしたのはまだ幼くて命の大切さを理解できていなかったときのことだ! 女の子にちょっかいを出したりケンカをしてケガをさせたのは男の子なら誰でも一度は通る道だ! 父さんが死んだことを隠しているのは今なお父さんの帰りを待ち続けている母さんと姉さんにその残酷な事実を突きつけたくないからだッ!!」
「それらの辛かったことも楽しかったことも、すべては大切な思い出なのだ。父――明雄の死を知っても母と姉にずっと優しい嘘をついてきたのもお二人を思ってのこと……。駿河、お主にとっては人が持つ大切な思い出や優しさすら罪なのか!?」
「お前は偽善者だッ!!」
魂を抜き取られてそれを天秤にかけられているこの状況にも臆せずに反論――自分の信念と思いを力強い表情で叫んだ。悩むことはあろうとも健の芯が揺らぐことは、決してない。彼と苦楽を共にしてきたアルヴィーもその志は同じだ。するとどうしたのだろうか、あんなに余裕のあった駿河の顔には焦りが表出し徐々に歪み始めた。
「ええいッ! うるさいヤツめッ!! ……ここまでわたしに口答えをしたのは、神田ニシキ以外では貴様たちがはじめてだ! もはや貴様に対しては善悪を問答しても意味がない!」
駿河は魂を抜き取った健の体へ火炎弾を放ち弾けさせた。更に書物をしまって鉄槌を握り、天秤にかけられた魂を破壊せんとする。
「グワァァアアアアアアアアアア!!」
「ここで死ねィ!! 崇高なるデミスの使徒に逆らう反乱分子めッ!!」
そのときだ! 駿河本体と天秤にエネルギー弾が浴びせられ、天秤が破壊され元の空間へと戻った。健の魂も無事、解放されて肉体へと戻った。
「ニシキおじさん! ありがとう……!」
「スマン、いろいろあって遅れちまった!」
「まったく、来るのが遅すぎたのではないか?」
健とアルヴィーを救出したのは、大型の銃――ゲイザーイングラムを構えた神田ニシキだ。ここに来るまでの間、状況に応じて都庁内各所を村上の指示通りに転々としていたのだ。
「お前も感じ取ったと思うが、千里眼が恐ろしいほどの強さを持ったエスパーを捉えた。ここはオレに任せて、お前は先に行け!」
「けどこいつは強い! 僕はおろか、ニシキおじさんだけじゃ……!」
「お前も少しは知ってるとは思うがこいつとはちょいとした因縁がある。オレのことなら心配いらないから構わず行くんだ!」
「……わかりました! ニシキおじさんの熱意に賭けます!」
神田が駿河に勝つ可能性に賭けた健とアルヴィーは、怯んだ駿河を振り切って展望室より更に先へ、第一本庁舎の最上階へと向かった。たとえその可能性がわずかなものであったとしても。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
全力で走った健とアルヴィーは、第一本庁舎最上階――ヘリポートへと通じるフロアへと辿り着いていた。より激しい戦闘があった痕跡が残されており、バトルスーツやマスプロイドの残骸の他に――おびただしい数の砂塵が散らばっていた。
「砂……?」
「考えられる可能性は砂嵐が起こったか、黄砂がひどかったか、あるいは――神田殿や私たちが感じ取ったとてつもないエスパーの能力」
怪訝な顔をしながら周りを見渡す健は、アルヴィーの冷静な推測に耳を傾ける。自衛隊への救援が間に合わなかったことへ複雑な思いを抱きながら、ヘリポートへとあともう少しというところまで歩みを進めた二人であったが――階段から一人の自衛隊員が絶叫し転倒しながら落ちてきた。二人は瞳孔を閉じて、大急ぎで駆け寄った。
「!? あの、しっかり!」
「き……気をつけろ。み、みんな、砂にされ……て……こ、殺され、た……。に、逃げろ、早く……」
そう言い残すと自衛隊員の体は急激に枯渇し砂となって、体を介抱していた健の手から崩れ落ちた。砂粒を握りしめながら、健は彼の命と尊厳を奪ったエスパーを倒すことを誓う。そこには静かで激しい怒りがあった。アルヴィーもまた、そのエスパーへ対する怒りから拳をぷるぷると震わせた。
「……こんなの……人間のやることじゃない。僕はデミスの使徒を許さない……!」
放っておけばあの自衛隊員たちを殺害したエスパーはより多くの人々の命を奪ってしまう――! 未然に防ぐべく健とアルヴィーはヘリポートへと駆け上がった。
「妙だ。気配は確かにここから感じられていたのだが……」
「俺はここにいるぜ? エンドテクターのサルマネをした鎧をつけてここまで来るとは、ご苦労なこった」
いぶかしがる健とアルヴィーを不敵に笑う、低い男性の声がこだまする。振り向けばそこに声の主――金色の長髪で金色の瞳の男がいた。金色と黒を基調とするジャケットの上から黒いマントをひるがえし、その右手にはオオワシの翼を模したダブルセイバー・ツインイーグルが握られていた。
「貴様か! 貴様が自衛隊のみんなを!」
「俺はデミスの使徒・ゴールドクラス、【乾きと飢えもたらす砂の王子】――ロギア・サザーランド。栄光のデミス五戦騎を束ねる者だ」
五戦騎を束ねしロギアは冷酷に笑いながら名乗りを上げた。そのとき健とアルヴィーは震撼する。




