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同居人はドラゴンねえちゃん  作者: SAI-X
第8章 太陽とビキニと夏の陣
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EPISODE140:まさかのプレゼント


「いやー、今朝はお手柄だったじゃないか不破くん! この前病院から出たばかりなのに、通勤途中であの中丸兄弟を逮捕しちゃうなんて! 凄いよホントに! これは名誉なことだ!」

「へへっ、まあこのくらい出来ないとな」


 銀行強盗を働いていた中丸兄弟を逮捕したあと、不破は青い髪にメガネをかけた同僚――村上(むらかみ)と共にエレベーターに乗ってシェイド対策課の地下本部へと向かっていた。


「自信満々だねぇ。さすが高給取りさんは格が違う!」

「な、なんだよそりゃあ!」

「さあて、着いたぞ。君にとって久しぶりのモニタールームッ!」


 村上が不破をからかう。やがてエレベーターは地下フロアにたどり着き、エレベーターを降りると――薄暗い中モニターが密集した大きくて広い部屋に辿り着いた。ここは東京二十三区に設置された一万台以上のカメラ、それがとらえた映像がすべてここに映し出される。

 ここは、警視庁が誇るモニタールームなのだ。設備も最新鋭のものが整っている。モニターを見れば状況もすぐにわかるしその場に応じた適切な判断も下せるため、シェイド対策課が拠点にするには最適な場所だった。


「おーい、宍戸ちゃーん!」

「あっ、村上主任! それに不破さんも!」


 村上がオペレーターの女性――宍戸(ししど)に声をかける。すると宍戸は村上の方に振り向き、明るく微笑んだ。そのうしろで不破が「オレはついでなのか……?」と呟いていたような気がしたが、恐らく空耳だろう。


「不破さん、大阪でのお仕事お疲れ様でした! それと今朝の銀行強盗を逮捕した件、みんなの間で話題になってましたよー!!」

「ちょ、ちょっと大げさじゃねえか? でもそう言われると嬉しいな……ハハハ」


 嬉々とした様子の宍戸が言う。褒めちぎられたからか、不破は頭を掻いて照れ臭そうにしていた。


「大げさじゃないですよ。ねー、カオルちゃん♪」

「うんうん! 逮捕した現場を見てみたかったなぁ。私たち、ずっとモニタールームで仕事だもん。ねー、由美子さん」

「ホント今日は惜しかったわー。不破さんの勇姿を間近で見れないだなんて……ホント残念だわ」


 嬉しくてたまらない宍戸がエメラルドグリーンの短髪の女性・落合(おちあい)カオルとピンクの長髪の女性・要由美子(かなめ ゆみこ)に話題を振る。少し幼さが残っているのがカオルで、このなかで一番年上で大人っぽいのが由美子だ。この三人はとても仲良しで、休日は三人一緒でちょくちょくどこかへ遊びに行くらしい。


「ハハッ……オレの話題で持ちきりだな。これを機にモテたらいいなぁ」

「そんな不破にビッグニュースだぁ!」

「な、なんだ? 仕事の話か? また出張しろとか言わないでくれよ」

「出張しろだなんてとんでもない。はい、コレ見てちょーらい」


 村上が茶化しつつ、不破に何かを渡す。それはチケットだった。南の島をイメージしたイラストがプリントされていた。


「……こ、これはッ!?」

「そう、そのまさか! 南国リゾート4日間の旅のチケットだーーッ」


 村上からそう聞いた不破がわなわなと体を震わせる。青い空、広い海、そしてビキニのお姉さんたち――彼の脳裏に次々と南の島らしい何かが浮かんでいく。そして、不破は満面の笑みを浮かべ


「……ぃやったああああああああァ!!」


 興奮するあまり雄叫びを上げた。それは部屋中に反響し村上たちは思わず耳を塞いだ。


「お、落ち着け。それに君ひとりだけでバケーションしようだなんてズルいぞ。チケットはあとひとり分ある」

「なにぃ! なら宍戸と一緒に行ってくる! 村上、お前は留守番な!」

 ベロベロバー、と不破が舌を出してバカにするような表情で村上をおちょくる。その横で不破の発言を聞いていた宍戸は、「わ、わたしと一緒に南の島ですか!?」と驚愕していた。


「ひ、ひどいな……チケットあげたのは僕なのに」

「いいじゃねぇか、要と落合がいるだろ! お前は4日間ハーレム状態を楽しみな!」


 不破が言う。まるで日頃から受けている扱いへの仕返しのようだ。彼からすれば毎日のように村上からイジメられるのはたまったものではないし、耐えがたい。ストレスも自然と溜まってくるものだ。それが今こうやって仕返しが出来ているのだ。これほど嬉しいことがあるだろうか。


「まあいい、行くなら今日帰ってから準備しといで」

「ああ! たっぷり楽しませてもらうぜ! なぁ、宍戸ちゃん!」

「え? は、はいっ! お盆は不破さんとバカンスします!」


 不破に確認を取らされて宍戸が焦る。周りは思わずクスリ、と微笑んだ。――その晩、不破も宍戸もせっせと旅行する準備に取り組んだという。さぞかし眠れない夜だったであろう――。


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