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隠密ジョブのメレンゲレンジ  作者: タ別


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第三十二話『ジィークの衛星地』




 死なずの大地に現れた満月は隠しエリアに繋がっていた。

 発見者は私。

 お餅を連れてジィークの衛星地にやってくると、丸く切り取られた月面フィールドにモアイ像があった。あ、あれがジィーク……? いやいや、ジィークは大自然族だからただのオブジェクトだよね。


「ジィーク?」


「ヌ……私はモーアイだ……」


「歓迎してくれたみたい」


 よく分からない歓迎の仕方だった。モーアイってそのままじゃん。モーアイと呼べばいいの?


「モーアイ。ジィークの加護が欲しいな?」


「ジィークの加護な……ジィークは死んだ……」


 目が光った? 何か変わったのかな……おっ! ジィークの加護だ!


「ゲットしたよ!」


「本当? モーアイ。私もジィークの加護が欲しい」


「ヌ……賢いな……」


 お願いすると加護をくれる。

 加護の効果を確かめるのは後にして、NPCでも獲得するのかセピュネで実験する。


「加護をください!」


「ヌ……いいだろう……」


 セピュネはジィークの加護を獲得してとんぼ返り。

 この際なのでパゾースとハルエルにも授からせて、月面でストーンシャフトをしてみたお餅に聞いてみる。


「何か出てきた?」


「隕石と化石が埋まってる。底なし沼みたい」


「へぇ~!」


 お餅は拾った隕石を見せてくる。あれかな? ミニゲームなのかな?


「モーアイ。イベントクエストはある?」


「ヌ……あるぞ……」


 あるんだ!




『イベントクエスト「死獲配列ビンゴ」を開始しますか?』




 いやビンゴゲームかい!! あっ、ご丁寧に詳細がある。




 ▽

 クリア条件:特定のモンスターを討伐してビンゴの列を揃える。

 推奨レベル 100




 ビンゴだからね……推奨レベルは100。

 しかし特定のモンスター? イベントモンスターに限らずなのかな? 受けてみようっと。


「イベントビンゴだった?」


「死獲配列ビンゴだよ。受けてみるしかないね!」


「一気に五つ空いた」


 ビンゴカードが出てきて中央を含めて穴が五つ空いた。

 ピュアリザード、デビルシェイカー、ヴァルハワームは竜化前の竜化後の二つ。

 中央の穴は死獲行列の発見が鍵だろうか? それとオークの顔が多い。


「やった! 後一つで揃う!」


「嘘! 何のモンスター? ギガンテス?」


「ギガンテス」


 ギガンテスか~。オークを倒した方が周回出来そうだよね。


「って、ビンゴは横に置いておこう。ウララは加護の検証だからミニゲームで遊ぶ?」


「遊びまくる」


 激レア鉱石が眠っていそうだよね! ここは大自然族の遊び場だ!!




 ジィークの加護の効果は防御スキルの習得率が極端に上がることだった。

 それと防御スキル全般の熟練度補正がある。耐性スキルも含まれていてジィークの加護を受けるとタンク一直線。それと固定砲台。


「構いませんよね」


「そうだよね? お餅は解除しなくていい?」


「しないでおく」


 私は死なずの大地で呪い耐性の熟練度解放を行ってジィークの加護を解除した。

 ジィークの加護は使い放題だった。

 固定NPCのモーアイに頼むだけで獲得、解除出来る。


 パゾースやハルエル、セピュネの三人もパーティーの役割を考えると解除しない方がいい。

 ウララは獲得せずに堅実な隠密ビルド。

 お餅は知力以外を捨てているので、しばらくは耐性スキルを鍛えることになった。


 イベントビンゴはウララも受けている。

 私たちは墳塞川の上流をイベントの開始地点に選んで死なずの大地を後にした。


 墳塞川の上流にはギガンテスが居座る。

 青塞の単斑山は適正レベル帯が50から80の大規模フィールドでレイドマップよりは一回り小さい。

 シールヴァルから王都までは街道の北側が上級フィールドで南側が下級フィールドに別れる。青塞の単斑山は上級フィールドで、フィールドボスがレベル80以上のギガンテスだ。


「巨人族の村が見えてきた」


「休めそうですね」


 死獲行列がプレイヤーを蹂躙しながら墳塞川を越えている頃に巨人族の村へと辿り着いた。

 我先にとイベントモンスターを倒そうとするプレイヤーの臨時拠点だ。のんびりとしているのは私たちくらいで血眼になりながら死獲行列を追いかけるプレイヤーが大多数だった。


 死なずの大地でモンスターを一掃していたのも拠点となる巨人族の村を守るため。

 死獲行列は死なずの大地を通過しながら九十度方向を変えたので、巨人族の村にオークの大群が襲いかかる危険はなくなった。

 しかし死獲行列はアンデッドモンスターをトレインする。その数には際限がない。


 イベントガチ勢は死獲行列を攻略せんと奮闘しているので、私は人知れずビンゴのためかなと遠い目で見ていた。本音では倒しに行きたいけどギガンテスは待ってくれるよ。


「あれ? ハンデイだ?」


 ハンデイは村の広場で露店を開いていた。広場周辺は宿屋ばかりで露店が軒を連ねる。


「3人もこの村に来たのか。かなり遠回りしたんだな」


「まあね。あれは見つけたの?」


「もちろん見つけた。死獲行列に混ざっているな」


「死なずの大地からだよね? 惜しいことをした!」


 ジィーク・ジ・アルティメットは死なずの大地でイベントポップする! 倒したかった!


「カシーなら追いつけますよね。協力します」


「ウララ~! 村の鍛冶屋は使える? パゾースに武具強化して貰いたいんだよね!」


「鍛冶屋は向こうだ。巨人の工房でかなり広いな。鍛冶師しか入れてくれないが」


 それは困ったな。パゾースは魔導師だ。


「頼んでみるよ。悪魔族の集落で受けられるイベントクエストは知ってる?」


「初耳だな」


「魔王の眷属……ではなさそうだけど、手強いイベントモンスターがいたよ。火薬lv200」


「死獲行列にゾンビアタックはしなかったんだな?」


「しなかったよ。目的のモンスターは川で押し流すかなぁ」


「それがいいな」


 ジィーク・ジ・アルティメットは墳塞川で孤立させて倒せる。

 ウララ1人なら竜箒に乗せて高速移動出来るので、死獲行列が川を渡る前に追いつくことも訳ない。


 ハンデイに教えられた鍛冶屋の前には腕組みした巨人族NPCがいた。


「…………」


 無言の威圧をかけてくるのでピュアリザードの肉を差し出す。そしたら顎で通してくれた。


「おぉ~、広いね」


「この工房を使っていいのか」


 サイクロンのディナーと引き換えに大きな工房を自由に使わせて貰う。

 セピュネは武具の修復、パゾースは竜箒の強化だ。

 ジィークの衛星地で回収した隕石で朗々の竜箒を最大強化し、ヴァルハワームの竜化宝玉とヴァルハワームの竜卵で進化させる。隕石は魔法の世界箱に詰めてきた。


「三人乗りになった?」


「余裕で乗れるね! ウララ、単斑山に飛行モンスターは出てくる?」


「空荷の馬車を襲うワンドプレス・ポータルがポップします」


 お餅は思案顔になる。


「墳塞川を渡るまで時間がないはず。二人で行ってきて」


「倒してくるよ!」


 進化した竜箒はジィークの加護を得て真っ先に疲労耐性を獲得したパゾースの力作! 移動時のSP消費激減ともう一つ、SP+100が付与されている!


 ヴァルハワームの竜卵はドラゴンの巣で拾った。

 【万物調教】で従えられたものの、私にはサイクロンと救世主1号がいる。

 救世主1号は投擲武器にしてレベリング。

 剣王を撃退するべくレベル100の兵器に変えなければならない。


 死獲行列のオークは単体でレベル100オーバー。

 約一万の軍勢にプレイヤーたちがゾンビアタックしているのが現状だ。

 モンスターの特殊モーションで与ダメージは激減している。


「モンスターは出てきませんね」


 籠楼の獲竜箒で私とウララは死獲行列を追いかける。

 機動スキルも相まって時速100キロに届いている。

 SP回復の息継ぎにジャックスキルを使うので無限に高度を上げられる。単斑山のモンスターはポップしないし、墳塞川に迫ろうとする死獲行列はすぐに発見した。


「戦場跡だね。村があるよ!」


「壊滅は免れません」


 進軍ルートの村や集落はほぼ壊滅した。

 王都襲撃イベントで大人しく王都に滞在していたプレイヤーは顔を真っ青にしながら戦場にやってくる。王都が賑わいを見せる一方で、壮絶なレイドイベントの幕開けが始まっていた。





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