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VSエクレア 〜宝物庫のアクセス権〜

出口


薄暗いダンジョンから外の太陽の光に目がくらんでた時だった。


エクレア「強制帰郷ホームル!」


その声は忘れもしない。一回私を殺したやつの声だ。


ブア!


ホルド「にゃ〜!」

ライナー「わぁ!?」


突然の突風


私「何!?何が起こってるの?!」


私は眩しくて目が慣れてなかった。

目をつむっている間に横にあった猫と魔女の気配がなくなる。


グオ

ガサ!


アニヤが物陰に私の体を隠す。瞬時に私の両腕が弓に矢をつがえる。


アニヤ「エクレア!」


エクレア「カロン、ソイツだ!」


アニヤ「え!」


ずぞぞぞ……


カロン「死霊の術か、これだからエルフは……!」


何かが背後に現れたと同時にすぐにソイツとアニヤの気配が消える。


目がようやく慣れてきて自分の置かれている状況を理解する。


私「アレ?アニヤ?」


いつも私の左肩に取り憑いている死霊の姿がない。


ダンジョンの出入り口の左右にある林に紛れて私とエクレアが対峙している。エクレアは木の陰から顔をのぞかせてこっちを見ている。


エクレア「後はお前だけだへカテリーナ!今度こそ確実に殺してやる!」


私「ホルド!アニヤ!ライナー!」


呼んでも返事がない。ここには私が一人だけだ。どうして?

その時、急に頭の中を弄られる感覚に襲われた。


私「うぁ!」『くっそキモい!』


魔女学校で一回、やな先生に食らった記憶がある、なんだっけ?


エクレア「やっぱり、マカル返し!まさかアヌとはな!

魔女一人くらいなら簡単な仕事だと思ってビースト1体で向かわせたが……」


グォン


エクレアの傍らにビーストか1体召喚される。その巨体は周辺の木々を窮屈そうになぎ倒している。


私は慣れない弓を辺津鏡にしまってヘルメーカーに持ち替えた。早くこいつを倒してアニヤを助けに行かないと。


エクレア「帰ってこないから、もしやと思ったが。」


ダンジョン前の開けた平地を挟むように左右に広がる林に身を隠して私とエクレアの睨み合いは続く。


ビースト「オマエガ ヤッタ ノカ!」


ビーストの巨大な腕から真空波が放たれる。


ぶぉ!


私「うっ!」


咄嗟に隠れていた場所を移動する。


ドッカア!


木々がめちゃくちゃに吹き飛ぶ!

その木片に当たったのか、メガネがとばされる。


私『しまった!』


視界が一気にかすむ。


私はぼやける目でビーストめがけてヘルメーカーを放った。正中に撃てば身体の何処かには当たるはず。


ビースト「ムダダ!」


真空波で弾道を変えられてかつ、今いた場所を吹き飛ばされる。


私「うう!強い!」『エクレアとビースト。2対1。どう攻める?!』


エクレア「となると、相手はアヌか、骨が折れそうだ。」


何かの呪文の詠唱が始まる。


エクレア「今度はしっかり殺してやるから!」


ドゥン!


私『ヘルメーカー?!』


バキョッ!


魔力の弾丸は隠れてた木を貫通して、腹に命中する。


私「ぐへ?!」


死なない?弾丸は私の体に穴を開けることもなく消滅した。このスーツは魔力を消費して保護膜を展開しているようだ。


私『まぁ、衝撃までは防げないか……』「いててて……」


エクレア「ちっ!生きてやがる!これはどう!?」


エクレアの手前に大きな魔法陣が展開しそこから火炎が放射される。


私「うっわ!」


私がいる方の林が激しく燃え上がる。


ドカァ!


そこに容赦なく真空波が飛んできて炎をまとった木片が飛んでくる。


私「あっちちち!」


熱は遮断できない?!


エクレア「頑丈なやつだ!これはどう!?」


空に暗雲が立ち込め、出ていた太陽を覆う。


私「きた!戦略魔法!」


カッ


私「今だ!辺津鏡へつかがみ!」


辺津鏡(インベントリから取り出した機械モンスターの残骸ゴミを上空へ放り投げる。


ドッカァァ!

バチチチ!


私「ひぇ!」


落雷の軌道を逸らせた!やった!


エクレア「おのれ!楽に殺してやろうと思ったのに!」


私「残念でした〜!」


ドゥン!ドゥン!


お返しとばかりに、私は当てずっぽうでエクレアのいる方向にヘルメーカーを撃った。


木の弾ける音はする。しかし


エクレア「ハハハ!どこを狙っている!」


魔法の高速詠唱。何か来る!


エクレア「喰らえ!」


びゅうぅん!


光輪!?


ズバッ


隠れていた木が私のヘルメーカーを持っていた右腕と共に切り飛ばされた!


私「うわ!」


全身から汗が噴き出して、激痛に気が遠くなる。スーツでも防げない魔法。何でも防げるというわけではないらしい。


私「っぐあぁ……!」


気絶しそうになるのを何とかこらえて近くの木の下に伏せる。

その間も容赦なくビーストの真空波が飛んでくる。

頭を上げられない。


エクレア「やったか?!」


私『まだ!死んじゃいないわよ!』


真空波が止む。


コーン


音波探知ソナー?!


エクレア「そこか!」


その時、頭の中に辺津鏡の管理人の声が響いた。


マフ『へカテリーナ!こっちに来なさい!』


エクレア「とどめだ!」


カッ

ドオォォン!




私は間一髪の所で辺津鏡で管理人のマフ様の所に飛んだ。


私「いってぇー。」


きり飛ばされた腕を押さえる、おや?血はココでは止まるのか?


マフ「手短に話すわ。私の手を握る?」


私「え?」


マフ「どうなの?」


それでこの状況を打破できるなら!


ギュ!


私はその手を力強く握った。


マフ「あら?一番大切なものって……まぁ、いいわお代はもらったから、アナタにも宝物庫のアクセス権をあげましょう。」


大切なもの?なにそれ?


私「とりあえず!」


グォン


私は現し世に戻った。




エクレア達は私の死体を探して燃え盛る林を目指して、平地を歩いている。私はその背後に出た。


私『めっちゃ、チャンス!』


ユラユラ


私の周辺の空間が揺らぎ始める。


マフ『宝物庫、光の矢。』


私「撃て!」


ドッ!


無数の光の矢が放たれる!


エクレア「え!?」


ビーストがその巨体で咄嗟にエクレアをかばう。


ビースト「ガッ!」


ずずん!


光の矢を全身に受けてハリネズミのようになったビーストがその場に倒れた。


エクレア「辺津鏡の宝物庫だと!使えたのか!」


魔法の翼を展開するエクレアに目掛けて第二射を放つ。


ドヒュヒュヒュ!


エクレア「うぁ!」


面で迫る矢を奴は間一髪で上空に避けた。


ガシャ!


その拍子にヘルメーカーを落としたようだ。よく見えないが音的にそうだろうか?


エクレア「しまった!」


私「っ!もう、一発!」


腕を失った痛みに耐えながら。第三射を放つ。現し世では血が滴る。スリップダメージ。早く止血しないと。


ドシュッ!


エクレア「くっ!」


避けられた光の矢は放物線を描くのかと思ったら、重力に逆らって真っ直ぐ空の彼方へ飛んでいった。


エクレア「嘘だろ!?」


マフ『光だもの。』


私「撃て、撃て!」


光の矢を連続してエクレアに目掛けて放つ。辺津鏡の消費魔力なんて微々たるMPだ。なんぼでも使える。


光の矢が放物線を描くなら射程距離外に退避もできるだろうが、そうはいかない。

上空のエクレアは遮蔽物もなく、当たるまいと、ただ逃げ惑うばかりだ。


エクレア「くっそ!ダメだ!ここは一旦退却だ!」


バッサバッサ……


私「あ!待て!」


追撃しようにも私はそもそも飛行の魔法を知らない。


ドヒュ!


その背中に向けて光の矢を放つも、奴はひらりとそれを回避する。その姿は天の彼方に消えていった。


頭に辺津鏡の管理人の声が響く。


マフ『撃退、かしら?』


私「宝物庫すごい!早くみんなを助けに行かなきゃ!」


私は辺津鏡からバイクを取り出すも、ハンドルを握ってアクセルを回す腕がないことに気がついた。


そして


私「?みんな?みんなって誰だっけ?」


私は何かを忘れている。ダンジョンを最下層からここまで来たのは私だけだったか?


私「アレ?私、どうやってここに?」


この溢れる涙の意味さえわからない。


マフ『宝物庫のアクセス権を得られたんだから、いいじゃない。』


強大な力を手にするにはそれ相応の対価が必要となる。


私の歯抜けの記憶から、更に何かがゴッソリと抜け落ちた。

その感覚だけはある。


マフ『ま、アナタには特別にこれをあげましょう。』


フッ


ポト!


灰色の粉が入った袋が傍らに落ちる。


マフ『止血と痛み止めよ。患部に振りかけるの。』


私は涙を拭いてそれを使った。


マフ『アナタは回復魔法が使えないでしょ?それは、患部の血管を閉じて、神経を破壊して痛みを取るの。』


それって……


マフ『もう、その腕は再生しないわ。』


先に言って……。


マフ『とりあえず、バイクはしまって、徒歩で帰りなさいな。』


帰ると言っても記憶がない。唯一、王都の場所だけが残っている。


落ちていたヘルメーカー2丁と自分の腕を回収する。


マフ『腕?どうするのよ?』


私『なんとなく。記念?』


メガネは炎をまかれて探しようがない。


私『諦めるか。』


ぼやける大地を私はトボトボと歩き出した。



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