表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/13

脱出

廃墟ダンジョンの階段を抜けると、


アニヤ「鉄臭!」


そこは洞窟ダンジョンのようで、等間隔で壁に気の柱がハマっていた。その木にはランプが吊るされていて、明るく通路を照らしていた。


ホルド「やった!鉱山じゃね、ここ?!」


猫は目を輝かして興奮している。しかし、私のMPは残り僅か。攻略するには心もとない。


私「明日にしてよ。今日はこれ以上は無理。」


ホルド「あ、そっか。まあいいや!鉱物は逃げたりしないからな!」


アニヤの音波探知ソナー


コーン


アニヤ「幸い、ココラには敵はうろついてなさそう。そこの部屋に入って休みましょう。」


ソイツはありがたい。

私は言われた通り、目の前にあった通路脇の部屋に入った。


???「動くな!」


回復の泉のある部屋。

その中にいた、先客は何やら小口径の銃身の短い弾倉回転式拳銃(リボルバーを持っていて、それをこちらに向けて来た。


私「ひぇ!?」


咄嗟に両手を挙げる。撃たないで!私は悪いモンスターじゃない!


アニヤ「え?!」


ホルド「先客?エクレアの仲間か?!」


???「猫と死霊を連れたヤツ?あ、お前がリナだな?ニキータの情報通りだ。」


その人は帽子を取って顔を見せた。よく見ると赤毛のショートカットの魔女だ。

中肉中背で胸もちっぱいで目の周りのクマがなかったら魔女と気づかない。

男の娘にも見える。彼女は銃を下ろした。


ホルド「ニキータだって?」


アニヤ「アイツ、私達を売ったの?」


ライナー「まあな、私はライナー。あんたたちが来るのを待ってた。何でも、性能のいい銃を持ってるそうじゃないか?見せてくれ。」


ヘルメーカーの事?私はガンベルトの銃に手をやった。


私「コレをどうするの?」


ライナー「私は魔砲の魔女ガンスミスだ。ソイツに興味がある、調べさせてくれ。よかったらタダでオーバーホールもしてやる。どうだ?」


ライナーは手を出して、クレクレとせがんでいる。

彼女に言われて初めてマジマジと自分の手にしてる銃を眺める。

彼女の手にしてるものより古い形のようだ。

弾倉は回転式だが固定されてて横に出ない。中折もしない。

大口径。

銃身は4インチくらい。

私は恐る恐る手渡した。


ライナー「やったぜ!」


床においてあった工具箱を開けるとライナーは早速、ヘルメーカーを分解し始めた。


私『あ、そこまで分解できたんだ。』


自分の知識じゃ軽いメンテナンスしかやってこれなかったが、彼女は細かいパーツ(引き金?バネ?)まで専用の工具でバラバラに分解している。


パッパ、パッパ


細かいパーツは何かの液体につけられていく。汚れ取りか?

銃身とグリップだけになった、

スカスカの骨組みだけになったヘルメーカーを、

彼女は鼻歌交じりに目の細かい紙やすりで磨いている。


アニヤ『どうすんのよ?あそこまで分解されたら私達じゃ直せないわよ?』(ヒソヒソ)


ホルド『アレが俺たちの生命線なんだぜ。それをやすやすと渡しやがって。』


うーん、なんかそこまで疑念を持たなくてもよくないか?彼女からは敵意は感じなかった。純粋な好奇心だけだ。


ライナー「ほれ。」


私は彼女から何かの小さな鉄の筒を手渡された。


私「なにこれ?」


ライナー「薬莢カートリッジ。魔力を吸ってたやつ。回転弾倉マガジンに入ってた。取り出したことなかったのか?あぶねーな。

まぁ、雷管スイッチをかなり強い衝撃でたたかないと起動しないだろうけど。」


ふーん。全然、分からん。

彼女は床にカートリッジを4本並べている。私が持ってるのも合わせると5発か。

自分が今まで、よく分かってないものに頼っていたのかと思うとゾッとする。ちょうど専門家もいるんだし、これを期に色々聞いてみよう。


私「これが魔力を弾丸に変えてた装置?」


ライナー「そそ。大分、古い型だな。今のやつは大気中のマナも取り込んで放てるんだ。魔力消費がエグかったんじゃね?」


まぁ、私は魔力が人一倍ある方だからなぁ。なんとかなってたけど。魔力消費を抑えられる最新式があるのか。


私「それって今、持ってる?」


彼女は首を横に振った。あらら。あったらもらえるか交渉したかったけど……


ライナー「この口径のカートは今は持ってない、私の店に行かないと。そうだ、他にも魔砲があっただろ?貸してみろよ。」


私「あ、それなんだけど。」


アニヤ「いまはないの。」


ライナー「は?なんで?」


ホルド「魔王の手先に取られちまった。」


あちゃー、なんだよそれ。

というふうなリアクションでライナーは目を手で覆って大きな息をついた。見たかったものが見れないと知って彼女は大いに残念がった。


ライナー「まぁ、仕方ない。今日は休んじまいな、これは明日までには仕上げといてやるから。」


あー、魔力、消耗してたな。けど、そこの回復の泉で一気に回復できるんじゃ……


そこまで考えて、自分が精神的にかなり疲れていることを思い出す。銃もないことだし。


私「ライナーに聞きたいんだけど、出口まで後どのくらい?」


ライナー「ここを抜けたら出口さ。エリアボスも倒してきたし。明日みんなで出よう。」


ホルド「ようやく、出口か。」


アニヤ「やっとここから抜け出せるわ。」


ライナー「そういや、あんたらここを出たらどうするんだ?」


私&アニヤ&ホルド「魔王をたおす。」




今回は私は動けない様だ。意識だけが2人の戦略魔法の管理人たちの話を聞いている。


マフ「相手は魔王を名乗ってるけど、魔女の亜種でしょ?出力も今は人間って言うことだし、この子はアヌだから余裕よ。」


グビー


ターマ「だといいんですけど。」


空のコップにお茶を注ぐ音?


ターマ「アヌも油断してたらあっけなく死にますし?」


マフ「うぐ。辺津鏡へつかがみの真の力があれば大丈夫よ!」


ターマ「この子にはまだアクセス権は渡してないのでは?」


真の力?アクセス権?


マフ「その時が来たら渡すわ。」




次の朝


泉で顔を洗って出口へと出発する。途中まで、ライナーが敵を掃討していたからほとんど出会わなかった。


クンクン


私「?なんか臭い。」


アニヤ&ホルド「ホントだ。」


ライナー「アレ?不死者?なんでだ?」


通路の先の曲がり角から大量のゾンビがこちらに向かってきた。


私「げ!」


ライナー「あれ〜?リスポーンしたのか?それにしては早いな。」


アニヤ「(ピコーン)あ!魔王の仕業かな?」


ホルド「かもな!」


私「オーバーホールしたヘルメーカーの出番ね!」


ドゥン!

バキャ!


頭を無くしたゾンビがあらぬ方向へと歩いていく。


ライナー「魔力がもったいなくね?私が動けなくするから。フットスタンプでトドメ刺してくれ。」


ドゥン!ドゥン!


ライナーはリボルバーを脇のホルスターから抜くとゾンビの片足を吹き飛ばして回った。


ドサッ


ゾンビ「うー……」


最新式の薬莢カートリッジと言うやつだろうか?彼女は連射しても顔色一つ変えない。


私『これはすごい。継戦能力問題を一気に解決できそう!』


グッシャ!


這いずるゾンビの柔らかくなっている頭を踏み潰す。


アニヤ「うぇ……」


ホルド「きたねーよな、コイツラ。相手にしたくね〜ぜ。」


それから、スライムやスケルトンなどもでてきたが、ライナーが火の属性魔法で蹴散らして回った。


私「そんなに魔力消費して大丈夫?」


ライナー「大丈夫。水筒に回復の泉の水入れてっから。」


ポンポン


ライナーは腰にぶら下げてある水筒を叩いてみせた。

私も持ってたな。辺津鏡の中のやつを思い出す。


私「そういえば、ライナーの店ってどこ?」


ライナー「鉱山のふもとの街。このごろは魔石が取れないからメンテナンスが主で、今では店も小さくなって、街の端に追いやられちまった。すぐ見つかるよ。」


ふーん、出たら行ってみよう。


ライナー「エリアボスは倒してある。リスポーンする前に抜けてしまおう。」


ホルド「もう少しで出口か。」


アニヤ「私の体を手に入れないと、確かリナのお母さんがホムンクルス作ってくれるのよね?」


私「たぶんね。」


ホルド「俺も呪いといて。」(ちらっ)


通路の脇にある鉱物の結晶をホルドは名残惜しそうに見ていた。


ホルド「鉱山はもとに戻ってからだ!」


私「クチーテァも待ってるしね?」


ズボシを突かれた猫は目を丸くしてたじろいでいる。


ホルド「うっ、うるせー!リナにはカンケーないだろ?!」


私はダンジョンを出たあとの段取りを考えた。


1.エルフの里へ向かう。

2.母にホムンクルスを作ってもらう。死霊、アニヤの入れ物にする。

3.エルフに伝わる最強武器(?)の場所を聞く。

4.ドワーフの鉱山、そのふもとの街に行く。

5.ホルドの呪いを解く。

6.ドワーフに伝わる最強武器(?)の場所を聞く。

7.ライナーの店でヘルメーカーのカスタムをしてもらう。


私『とりあえず、このくらいだろうか?』


そして、魔王に乗っ取られた勇者クリュソスを倒しに王都に殴り込みに行く。


私「後手後手だけど、こっから巻き返してやるんだから。」


ホルド「一発かまさないと気がすまねぇしな!」


アニヤ「たっぷり、お返ししてやるわ!」


その意気、その意気。


私達は何もいない広い部屋を抜けて出口の階段を登った。

久しぶりの本物の太陽の光の中へ足を踏み入れる。


長かったダンジョンともこれでお別れである。


私もアニヤもホルドもそう思っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ