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習作

鬼ヶ島の桃太郎

作者: 反田拓海

 昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。


 おじいさんとおばあさんは現代よりも現代的に共働きをしていました。まさに、分業の時代の象徴ともいえる夫婦でした。


 おじいさんの仕事は山で芝刈りをすることでした。それに対して、おばあさんはキャリアウーマンで、バリバリ外交官として働いていました。


 おばあさんが外交官の仕事ではるか東の国黄金の国(ジパング)に行ったとき、奇妙な桃がおばあさんの目に留まりました。


 その桃は半径100メートルの大きさをした、恐ろしく巨大な桃でした。


 おばあさんは驚愕して、知り合いの研究者に研究してもらうために黄金の国(ジパング)政府には無断で持ち帰りました。


 研究の結果、なんと桃の中には赤ん坊が入っていることが判明しました。


 おばあさんは子供がほしかったこともあり、喜んでその子を自分の子として育てることにしました。


 おばあさんはその子に桃から生まれたことから桃太郎と名付けました。


 子供はすくすくと成長し、立派な体格を持った子に成長しました。


 山で遭難していたおじいさんは帰ってきたときに驚きましたが、やはりおじいさんも子供が欲しかったので喜びました。


 おじいさんとおばあさんと桃太郎は幸せでした。


 ですが、人生とは移り変わっていくものです。そんな幸せも長くは続きませんでした。黄金の国(ジパング)政府が桃を取り戻そうと刺客を送ってきたのです。


 その刺客の名も桃太郎と言いました。


 実はあの桃は黄金の国(ジパング)政府が秘密裏に開発していた生物兵器だったのです。


 黄金の国(ジパング)の桃太郎は犬、猿、雉(彼らもただの動物ではありません。肉体を強化され、人の言葉をしゃべれるように改造された生物兵器でした)を連れ、拾われた桃太郎の国へ上陸しました。


 屈強な肉体と大きな角を持つおじいさんとおばあさんは彼らに対抗しますが、兵器には勝てません。黄金の国(ジパング)の桃太郎が彼らにとどめを刺そうとしたその時、拾われた桃太郎が言いました。


「私はあなたたちとともに黄金の国(ジパング)に行きます。ですから、彼らを殺すのはやめてください。」


 そして、桃太郎はおじいさんとおばあさんの方を向いて言いました。


「おじいさん、おばあさん今までありがとうございました。短い間でしたがお世話になりました。どうか、これを私の代わりと思ってください」


 彼が渡したのは手作りのきび団子でした。


 こうして桃太郎はもう一人の桃太郎とともに鬼ヶ島を出て黄金の国(ジパング)へ帰還しました。


おしまい

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