悪役令嬢ファイト!!
その物語は、王城の広間で開かれた、王立学園の卒業パーティーから始まった。
王子は言った。
「婚約破棄だけなど生ぬるい!!国外追放だ!!死刑でないだけありがたいと思え!!」
悪役令嬢が言った。
「交戦規定クリア!!」
悪役令嬢とヒロインが叫んだ
「「悪役令嬢ファイト!レディーゴー!!」」
その次の瞬間、悪役令嬢が、一瞬のうちにヒロインに近づき
その頭を手につかんだ、そして・・・
「爆熱!!ヒート○ンド!!!」
悪役令嬢がそう叫びながらもう一人のヒロインの頭を光る手で握りつぶした。
ぐちゃ・・・・そして、ヒロインの頭がザクロのようにはじけ飛んだ!!
王子が青年が叫んだ。
「ヒロイン!!!!」
悪役令嬢は純白だったドレスを血で真っ赤に染めながら言った。
「悪役令嬢ファイト国際条約 頭部を破壊されたものは失格となる!!」
王子は言った。
「この殺人鬼をだれか捕まえて殺せ!!すぐにだ!!敵討ちだ!!近衛騎士よ!!」
会場の警備に当たっていた近衛騎士隊長が、王子に近づいていった。
「王子、いまの公爵令嬢の行為は、悪役令嬢ファイト国際条約に基づくもので合法です。」
「合法だと!!殺人のどこが合法だ!!」
「王子、まさか悪役令嬢ファイト国際条約をご存じでないので?」
「なんだそれは!!、そんなものあるわけないだろう、この悪役令嬢のたわごとだ!!」
「王子、それがこれは本当にある国際条約なのです。」
「え!?」
「王子、厳密に定められた国際条約で、この条約に基づいた行為については、いかなる罰則
もございません。」
「殺人だぞ!!そんなわけはない!!」
「王子、まさか本当に知らないので!?」
「そんなバカな国際条約なんてあるわけないだろ!!」
広間に、息を切らせながら、その国の王と王妃が入ってきた。
「父上、母上!!、この悪役令嬢に死刑を!!」
王は走ってきたその勢いのまま王子を殴る!!
「この馬鹿者が!!!」
そして飛んだ先にはなぜか先回りしている王妃がいて
「このバカ息子が!!」
ビンタで撃墜され、そして壁まで飛ばされた。
「父上、母上な・・・なぜ・・・」
そしてふらつきながら腫れた顔を抑えながら立ち上がった。
王は言った。
「なぜそんなバカなことをしたんだ!!、今さえ我慢すれば済んだものを・・・」
きょとんとした顔で王子は言った。
「今我慢すれば済んだ!?」
王は言った
「そうだ!! お前は悪役令嬢ファイト国際条約もしらんのか?」
「え?まさか本当にそんな国際条約が?」
王は言った。
「王妃よこの馬鹿者に教えてやれ」
王妃は言った。
「第一条 頭部を破壊されたものは失格となる。
第二条 相手の家門を攻撃してはいけない
第三条 破壊されたものが頭部以外なら何度でも再戦してもいい
第四条 悪役令嬢ファイターは、自分を守り抜かなければならない
第五条 1対1の戦いが原則である。
第六条 家の代表たる悪役令嬢ファイターは家門の威信と名を汚してはいけない
第七条 社交界が舞台だ!! ですわ。」
王子は言った・・・
「いや、頭を破壊されたら死んじゃうので、失格とか・・・・」
王妃は言った。
「頭を壊されたくらいで死ぬような令嬢なんて、不要です。ほら」
頭をつぶされたはずの令嬢が、血まみれながらも立ち上がった
王子は、混乱している。
「え?」
ヒロイン
「あー痛かったわ・・・さすが、姉さま、悪役令嬢ファイト今期の優勝候補 参ったわ。」
悪役令嬢
「いえ、あなたも立派なファイターでしたわ。」
二人は両手をつかみ握手をしてお互いをたたえあってる。
余計に王子は混乱している
「え?なんで頭がはじけたのに・・・・」
ヒロイン・悪役令嬢が二人そろって言った
「「え?、王子、まさか高位貴族の令嬢たるものが頭を壊された程度で死ぬとお思いで!?」」
「いや、頭なくなったら死ぬだろ」
ヒロインは頭を抱えながら言った。
「王子、まさか男性貴族とおなじく、高位女性貴族も人間とお思いで?」
「え?」
「王子、どこの国でも貴族は、精霊の血を引いていることはご存じですよね?」
「ああ、ヒロイン、それは知っている。」
「王子、そして、女性の高位貴族は、半精霊であることは?」
「え?」
「半精霊であるため、頭部だけなら、数分で復活できます。」
「ヒロイン待って・・・なにそれ?」
「そして、その膨大な精霊力を利用し、国の発展に尽くしているのが、高位貴族の令嬢です。」
「ヒロイン、ごめんついていけないんだけど、とりあえずそれと悪役令嬢ファイトと
どうつながるの?」
「王子、そんな死んでも死なない、膨大な精霊力をもった令嬢が戦争に参加したり
無差別に戦ったらどうなると思います?」
王子は言った。
「ちょっと大変?」
「王子、そんなものではすみません。世界が滅びます。」
「・・・」
「王子、そして、それを防ぐために作られた規定が悪役令嬢ファイトですわ。」
王子は怪訝そうな声で言った。
「悪役令嬢ファイトとは・・・」
「それは私から説明しましょう」
そういって王妃が語りした。
「いくら世界が滅ぶほどの力を持つとしても、令嬢の恋する気持ち、恋愛戦争は止めれません。
そしてそれによる滅びを待つわけにいかない、そのため作られたのが悪役令嬢ファイトであり
悪役令嬢ファイト国際条約です。」
「母上、その悪役令嬢ファイトというのが、意味不明なのですが・・・」
「そうね、そこから言わないとわからないのね・・・悪役令嬢ファイトとは、
結婚権獲得戦争よ、それに勝ったものから好きな相手を選ぶことができるの」
「え?母上、私を取り合うためにこの戦いが?」
「・・・馬鹿ね・・・息子とはいえこんなバカの子をだれが取り合うの・・・」
「え?母上、それは一体・・・」
「悪役令嬢ファイトは、3年に一度開催され、そのとき、だれも選ばなかった国の王子または
高位貴族をトロフィーとして奪い合う競技よ」
「え?俺は選ばれなかった・・・」
「ええ、そうよ、あなたは誰にも選ばれなかった。そして言ってはいけない秘密の言葉
国外追放を言ってしまったの。」
「え?国外追放がダメな言葉?」
「悪役令嬢ファイト中、に国外追放はゴングと同じなの、つまり、直接のファイトが許可されるの」
「・・・」
「まあいいわ・・・もう決着がついたしね・・・
まあわかってることだけど、悪役令嬢、優勝者の権利として一体あなたは誰を選ぶの?」
悪役令嬢は言った。
「はい、王妃様、私は悪役令嬢ファイト勝利者の権利として、配偶者としてヒロインを求めます。」
王子の顔がFXで全財産を溶かした人のようにとけた。
「え?」
ヒロインは言った。
「え?まさかお姉さまも同じことを?」
なおヒロインと悪役令嬢は姉妹である。
王子は、最後の力を振りしぼっていった。
「姉妹だし、そもそも女性同時なんて子供もできんからダメだろ!!」
二人はそろって言った。
「「え?・・・半精霊とはいえ、精霊同士なので、できますけど!?」」
王妃は言った。
「ヒロインちゃんもごめんね、悪役令嬢ちゃんが
自分の力で手に入れるのでって言ってたから言えなかったのよ」
「お姉さまがほかの人に取られるのが嫌で参加したのに・・・・お姉さまのバカバカバカ」
ヒロインは悪役令嬢に抱き着き泣きながら悪役令嬢を殴ってる。
そしてその衝撃波で、血まみれになりつつも妹を抱きしめる
美しい姉妹愛の姿があった。
「俺は次期王であり王子だぞ!!なんで・・・」
王は言った。
「息子よ、まさかお前勘違いしてないか?」
「え?父上?」
「この国は女性しか継承権がないぞ」
「え?」
「第一継承権は悪役令嬢だし、第二位はヒロインだ・・・」
「息子よ、二人に選ばれなかった、お前は悪役令嬢が王位を引き継いだ時点で
王家から外れ、法衣子爵だぞ・・・」
「・・・」
そして、数年後、悪役令嬢とヒロインはお互いの生んだ娘を胸に抱いて
戴冠式に・・・・
めでたしめでたし
当初ヒロイン頭つぶされて死ぬプロットで書き
始めたはずなのにどうしてこうなった・・・