表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第10回 覆面お題小説  作者: 読メオフ会 小説班
2/11

備えあれば / 過ぎたるは

 拝啓 瘤谷(こぶたに)麻理恵(まりえ)様へ


 ご無沙汰しております。

 こうしてまた奥様と(ふみ)()わす日が来ようとは、思ってもみませんでした。まだ()してきたばかりで落ち着かぬ身の上でありますが、慌てて便箋(びんせん)を用意して返事を(したた)めている次第です。悪戯(いたずら)好きの奥様は、しめしめとお笑いになっているでしょうね。

 奥様には驚かされてばかりですが、私がこちらに参ったことをどのようにお知りになったのか不思議でたまりません。

 とはいえ、詳しいいきさつをご希望とのことなので、いささか面映(おもは)ゆいですが、(つづ)らせていただきます。

 ご存知の通り、瘤谷家警備担当の職を辞した後、私は欧州で小さな会社を起こしました。名目は警備会社ですが、実際に警備をするばかりでなく、講演や技術指導などが主な業務。今風に言えばセキュリティ・コンサルタントといったものです。

 独立時には多くの顧客を紹介してくださった旦那様、そして応援してくださった奥様とは、何度か手紙のやり取りがありましたね。しかし恥ずかしながら、忙しさにかまけて私の連絡はいつしか途切れ、自然、お二方との距離も遠くなってしまったのです。旦那様が亡くなったという知らせを最後に、奥様からの手紙を受け取ることもなくなりました。

 そんな私の元に、およそ二十年ぶりになる奥様からの便りが届きました。

 そうです。勘の鋭い奥様ならもうお気づきでしょう。あれがそもそもの始まりだったのです。

 手紙の内容は、憶えておいででしょうか。

 私が瘤谷の家を出てから、奥様には三人目の御子息が生まれていて、もうすぐ成人なさること。そのときに残った財産を分けて奥様は隠居される予定ということ。さらに信頼できる人間に、どうも色んな意味で心配な御子息三人を指導して欲しいと、そう記してありました。

 私が屋敷に勤めていた頃、奥様はそのお人柄から使用人皆に心から慕われておりました。私もその一人でございます。その奥様からの頼みで、それも信頼できる人間とまで言われて、断わることなどできるはずがありません。すぐにでも日本へ戻りたかったのですが、あいにく契約に縛られてかなわず、結局、懐かしい故郷の土を踏んだのは半年ほど経った後のことでした。

 大きな家の変事とは、やはり大きな噂になりがちなものです。日本の空港に降り立ったその日のうちに、私はもう奥様とお会いできなくなったことを知りました。

 奥様にはなんらかの予感があったのかもしれませんね。隠居されるという形でしたが、財産の分配のことは前々から話しておられ、残されたご兄弟が()めることもなかったそうです。その点、ご安心ください。

 私はといえば、茫然自失(ぼうぜんじしつ)(てい)で、どうして電話の一つでも差し上げなかったのか。仕事や契約のことなど放っておいて、すぐに駆け付けなかったのかと悔やむばかりでした。不忠、愚図(ぐず)な自身を呪う日々を過ごしておりましたが、鞄の奥にしまってあった奥様の手紙を読み返して、一つの考えが思い浮かんだのです。

 奥様が今では放送がはばかられるような過激なバラエティー、海外のどっきりを好んで見ておられたのを覚えております。私に頼みたかったことは、言ってみれば、どっきりカメラの(おど)かし役のようなもの、そう推察いたしました。私にとっても決して専門外ではありません。仕事の拠点こそ欧州ですが、中東、アフリカなどに支社を置く会社の指導では、多少軍事的なものも関わります。そこで警察関係、金融関係の方から、訓練でのテロリスト役、強盗役としての仕事も()けたことがありました。

 奥様は財産を三人の御子息に分けた後、それを守るための自衛の心構えを伝えたかったのではないでしょうか。

 もちろん本来ならば、奥様にお越しいただき、最後の種明かしとなるわけです。そうでなければ犯罪になってしまいます。しかし奥様がいなくなったとはいえ、いえ、だからこそ、私はこれを実行することに決めました。三人の瘤谷のご兄弟に、身を守るということの本質を叩き込むのです。心を鬼にして厳しくしても、最後に奥様の手紙を見せればきっとわかってくださる。そう思ったのでした。

 思い返してみれば、我が身の道化ぶりに赤面してしまいます。お読みになりながら奥様もお腹を抱えて笑っておられるでしょう。これ以上奥様のお腹を痛めるのは心苦しく、このあたりで一旦筆を置かせて頂きます。

 こちらに参ってからも奥様から変わらぬご交誼(こうぎ)(たまわ)り、喜びに堪えません。ご自愛のほどお祈りいたしております


 追伸  手紙の作法とはいえ、幾度も御名前を(しる)すのは照れ臭いやら旦那様に申し訳ないやらで、どうにも筆を持つ手が震えてしまいます。今後はあて名も、瘤谷(こぶたに)の奥様とさせていただきますね。

 

                                   敬具


                                 大紙(おおかみ)信二(しんじ)


 拝啓 瘤谷の奥様へ


 先日は乱文乱筆、失礼いたしました。

 私がこちらに参るきっかけが奥様の手紙とは、奥様を責める気持ちなど毛頭ないにも関わらず、誤解を招く表現だったと深く反省しております。よもや奥様が心を痛めておられたら、と気が気でありませんでしたので、頂いたお返事に救われる思いでした。楽し気に続きを催促(さいそく)されるお言葉は、仕事柄、()れてしまった私の心に沁みます。奥様が知る御子息のお人柄も、大変興味深く読ませていただきました。

 早速ですがご期待に応えるため、御子息への防犯指導の内容を、私の所感など(まじ)えながら書かせていただきます。

 瘤谷のご長男、一郎様は質素を重んじ、倹約を心がけ、贅沢を嫌い、と、こう書くと吝嗇家(りんしょくか)もしくは清廉潔白(せいれんけっぱく)の聖者のようですが、奥様に言わせると、ただ周りに無関心なだけ、だそうですね。なるほど確かに、無駄使いを(すす)めるわけではありませんが、今だ学生用のぼろアパートに住み続けるのは無用心が過ぎるというものです。しかも調査してみると、鍵さえかけずに出かけることもあるではありませんか。   

 これが本当に貧乏な学生なら問題ありません。しかし、ある種のカモフラージュになっているとはいえ、情報はどこからでも漏れていきます。莫大な財産を持っている者の住居としては相当に危ない。強盗に遭わないのが不思議なくらいでした。

 一郎様の住まいを訪ね、私は懸命に説得しました。しかし、残念ながら、一郎様は耳を貸してはくださらなかったのです。私が瘤谷にいたのは、一郎様が物心つく前。私の風体を申しますと、筋骨隆々の白髪の老人です。

 いきなりやってきて母さんに頼まれただと。どこのハイエナだ。

 さぞ怪しかったのでしょう。そう怒鳴りつけられ、まるで信用されませんでした。ですが私はハイエナではなく戦場の犬、いえ狼でございます。申し訳ございません。失礼ながら一郎様は人を見る目をもっと養うべきだとも思いました。

 ここで引き下がっては奥様に申し訳できません。私は粘り強く、言葉を重ねたのです。こんな所は危険だと。構造はもろいし、火事になったら全焼間違いなしだと。はっきり言って、紙、(わら)の家も同然だと。

 一郎様は最後まで聞いてくださいませんでした。チェーンロックの隙間から、なんの嫌がらせだ。おれはここが気にいってるんだ。今までだって何にもなかった。なにが危険だってんだ。

 と言って、叩きつけるようにドアを閉めてしまったのです。

 仕方がありませんでした。奥様がいない今、できるだけ穏便に、と思っていたのは、やはり私の保身だったのでしょう。実力で、一郎様に世の危険を体感していただくしかありませんでした。

 まず、ドアノブを力任せに引き抜きました。安いアパートのノブなんてそんなものです。道具すらいりません。

 続いて空いた穴から指を入れて、チェーンを外します。ドアを開き、どうせですから蝶つがいからむしり取って、玄関にでも建てかけておきます。

 なんだー、警察を呼ぶぞー、と叫ぶ一郎様を無視して、家捜しをします。畳を引き剥がし、戸棚を粉砕し、冷蔵庫をひっくり返します。

 見つけた印鑑と通帳を、やめてくれー、殺されるー、と泣く一郎様の衣服に押し込み、アパートから追い出しました。

 最後の仕上げです。万が一にも一郎様が帰ってくることのないように、念を入れておかねばなりません。アパートに仕掛けたC4爆薬、解体業務用は、最低限の爆発力でアパートを綺麗に吹き飛ばしました。破片での周囲の被害なし。アパートの住人はそれなりの額のお金を渡して引越し済みですし、もちろん点火しない状況なら回収する予定でした。

 足がつかないように心掛けましたので、手配がまわるのは一ヶ月は先のはずです。その間に奥様からの依頼を完了させ、欧州に戻るつもりでした。

 もはや錯乱している一郎様は、意味不明な奇声をあげながら走って行ってしまわれました。日本に呼んでいた会社の部下に、一郎様の行き先を特定するように指示を出し、このような形でお手紙を書くとは夢にも思わなかった私は、心の中で奥様に向かって報告したのです。

 続いて二郎様です。

 二郎様のお宅は、典型的な木造建築の日本屋敷でした。豪邸と言えるでしょう。番犬やカメラ、赤外線レーザーに警備員など、それなりの警備もしています。しかし、私に言わせれば、まあ一般の趣味人のレベルなのです。例えるなら、ここの警備は万全です。ふっふっふと勝ち誇っていながら、猿顔、赤スーツ、とっつぁーんが口癖の泥棒にはあっけなくやられる、そんな印象を受けました。

 そういえば、奥様の手紙でもつめが甘い、というのが二郎様に対する評価でしたね。

 侵入は部下と二人で行いました。番犬には、遠距離から麻酔銃での狙撃を行い無力化。赤外線対策の道具なんていくらでもありますし、カメラを制御している警備員の待機所までたどり着ければそれで十分です。常駐している警備員を音もなく気絶させ、巡回から帰ってきたもう一人も、やはり気絶させて拘束しました。こういう人材の方にお金をかけず、警備体制を破られたときの備え、二段階目がないところが次郎様のつめの甘さなのでしょう。

 カメラやレーザーの位置をずらし、死角を通って玄関までたどり着くと、扉には頑丈な鍵が三つ付いていました。特に真中についているのは、十字に組み合わせた鍵を差し込む完全ピッキング対策用で、なかなか厄介なものです。私は上と下の鍵は部下にまかせ、薄いアルミ版を十字に組み合わせ、マーカーを表面に塗りました。そして鍵穴に差込み、色がはげた部分をヤスリで(こす)るということを繰り返したのです。

 十分後には、二郎様のお宅の合鍵が完成しました。それなりの技術が必要ですが、カメラや警備員さえ無力化できるなら、玄関前でいくらでも時間をかけることができます。

 一郎様が、ご兄弟である二郎様のお宅に逃げ込んだことは、部下の報告で知っていました。一郎様は、玄関を開けた私を見るやいなや、ものすごい悲鳴をあげられました。

 二郎様は、私が瘤谷を離れたときに、ちょうど奥様のお腹の中にいらっしゃいましたね。お顔を見るのは初めてですが、一郎様によく似てらっしゃいます。私のことは一郎様から聞いているのでしょう。青ざめた顔で私を指差し、何事か怒鳴るとすぐさま屋敷の奥から二、三人、屈強そうな男が出てきました。

 屈強なのは見かけだけでした。

 三分もかけず男たちを打ち倒し、やはり家捜しです。分厚い絨毯(じゅうたん)を引き剥がし、ホームシアターを粉砕し、ワインセラーをひっくり返します。二郎様のお宅は、一郎様と違って高価そうなものが多いので、あらかじめ屋敷の外に台車を用意しておきました。特に高価なものは台車にのせ、見つけた印鑑と通帳と証券一式を、二郎様に無理やり持たせて、一郎様と一緒に敷地から追い出しました。

 今回は仕込むわけにはいかなかったので。爆薬は持込みです。あちらこちらに設置して、点火。量を多めに持ってきたので、屋敷は()端微塵(みじん)に吹き飛びました。破片もかなり飛びましたが、周囲に民家がなくて幸いでした。一郎様と二郎様は、泣きながら台車を引いて、夜道を走っていきました。

 ともあれ、二郎様も、あの程度の警備ではひどい目に合うと、用心深さを増したことでしょう。

 最後は三郎様となるわけですが、長くなってしまいましたので次の手紙にて(しる)したいと思います。

 奥様もどうぞお健やかにお過ごしくださいませ。


                                   敬具


                                 大紙信二


 拝啓 瘤谷の奥様へ


 お返事ありがとうございます。

 まずは釈明から始めさせていただきますが、続けざまに手紙を送らなかったのは、今さらながら御子息への私の行いに奥様が御気分を害されたのでは、と心配になったからでございます。決して()らすつもりなどありません。

 奥様にこれ以上意地悪と思われるのは本意ではありませんので、三郎様のお話に参りたいと思います。

 三郎様はまだ二十歳になったばかり。失礼ながら、用心深さなど期待しておりませんでした.一軒家にお住まいとはいえ、警戒レベルでいえば一郎様の学生アパートと大差ないだろうと、そう思っていたのです。

 ですから、三郎様のお宅を見たときには度肝を抜かれました。

 一見、広い敷地内にぽつんと経っている普通の洋風建築。レンガ造りのどこか温かい雰囲気のある建物です。しかしよくよく注意して見ると、電子制御されたセンサーを組み合わせて、敷地内をくまなく警戒。仕掛けられた各種トラップはプロでも手を焼くものばかり。

 完璧です。これこそ理想的な自衛。

 あとは合格証書の代りに、奥様の手紙を渡すだけなのですが、これが思いのほか難航しました。

 隙が無さ過ぎるのです。どうあっても侵入できません。私は呼び寄せた部下九人に三チームを組ませて、三方向から突入させました。

 チーム(アルファ)は振動探知機で見つかり、ワイヤーネットに絡み取られました。玄関まで三十メートルの地点です。

 チーム(ブラボー)は赤外線レーザーに気を取られ、黒く塗られたピアノ線に気づかずに催涙ガス噴霧器で撃退されました。

 チーム(チャーリー)は建物の裏側から仕掛けましたが、地雷原になっていました。爆薬ではなく、感圧センサーと薬品を組み合わせた特殊なもので、回収した後、少なくとも二年は子供を作ってはいけないと注意して帰らせました。

 ようやく私も、事態を把握しつつありました。

 異常です。一体あれでどうやって、出入りするのでしょうか。一郎様、二郎様は三郎様の家に向かったそうですが、あのお二方が侵入できるとは思えません。

 一週間攻めあぐね、増員した部下の(しかばね)を積み重ね、いくつかわかったことがありました。

 まず、三郎様は引きこもりです。奥様がいたころは、まだ、引きこもりがち、だったようですが、注意する者がいなくなってからは、完璧な引きこもりです。

 玄関はダミーです。ドアは木ですらありません。鋼材をそれらしく偽装して溶接されています。これに気づいたのは部下の犠牲が十人を超えたときです。

 侵入経路は一ヶ所、上しかありません。一ヶ月ごとに、煙突に見える口へ、食料や生活用品が投下されているようです。人間も、です。三郎様は引きこもりですが、兄弟仲は悪くないらしく、一郎様、二郎様の避難を受け入れたようです。少し前から投下する物資の量が、増えていることを確認しました。

 私はヘリをチャーターし、エアバッグを腰の下に装備して、奥様の手紙を届けるべく、突入しました。普通に考えるならば、煙突の下には物資保護のためにクッションがあるはずですが、油断はできません。カメラはできる限り無力化していますが、まだ残っている可能性もあったのです。

 煙突を滑り降り、出たところにちょうど瘤谷のご兄弟は揃っていました。やはり監視されていたのでしょう。一郎様、二郎様はやはり青ざめ、初対面どころか、つい昨年まで存在も知らなかった御三男、三郎様は、ご兄弟で一番、奥様の面影が残っていました。まずは誤解を解かねばと、(ふところ)から手紙を取り出そうと手を入れた、そのときでした。

 三郎様はにっこり笑い、手に持っていたものを私の顔に突き出し、最初で最後になるお声でこうおっしゃったのです。

 くたばれ。

 以上が、私が冥途(めいど)に堕ちることとなった間抜けな顛末(てんまつ)でございます。

 お楽しみいただけたでしょうか。

 三郎様の振る舞いは実に立派なものでした。あれが、止まれ、や動くな、といった威嚇(いかく)。私の言葉を聞こうとする素振りを見せたなら、すぐさま銃を奪い、追加講習と相成(あいな)ったでしょう。明白な危険に対して、ためらわず引き金をひく決断力。天晴(あっぱれ)というほかありません。

 そうそう。どうやって奥様が私の近況をお知りになったのか、という疑問は先日ようやく氷解いたしました。

 やはりこちらの人間の一番の関心事は、親しい人間の来訪なのでしょう。現世の新聞の死亡・お悔み・訃報記事をまとめた冊子が発行されているのですね。私の記事では、返り討ちにあった強盗となっていましたので三郎様がなんらかの罪を負うことはないでしょう。私も購読をはじめましたので、知己の人間が越してきた際には、手紙を送ろうと思っております。

 一郎様、二郎様はもちろん、引きこもりだという三郎様も、身のこなしから室内でほどよく運動をなさっているに違いありません。健康的な食生活に気をつければ、御三方の御名前が記事に()るのは、何十年も先になること、私が保証いたします。

 私、奥様、そして旦那様もそれぞれ住まう界が異なるため、直接お目にかかることができないのが残念で仕方ありません。奥様も旦那様とお会いできず、さぞお寂しい思いをしていらっしゃるかと存じます。私のつたない手紙が、わずかなりとも奥様の無聊(ぶりょう)の慰めとなれば幸いです。

 今後ともご指導ご鞭撻(べんたつ)の程、宜しくお願い申し上げます。


                                   敬具


                                 大紙信二




 資産家邸宅で兄弟3人食中毒死

 東京都保健所は先日下痢、おう吐、発熱等の症状を呈して 病院へ搬送された患者3名が相次いで死亡したと発表した。病院関係者によると「成人男性3人の死亡は異例のことだが、患者の家の特殊な警備により、救急隊員が近づけず、台風の影響もあってドクターヘリによる搬送も遅れてしまった。初期治療の遅れが取り戻せず、感染性胃腸炎重症化により死亡した」と述べている。また警察によると「亡くなった患者は資産家であり、昨年強盗被害に遭ったこともあって、殺人の線も含めた大規模な捜査を行った。しかし感染源となった食材の入手経路にも不審な点は見られず、家庭内での食中毒事件と断定した」とのこと。


                              日報 億千万土

                           現世死亡記事一覧より


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ