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紅葉

DEATH GAME 4日目    PM 11:24



キーン・・・・・


自動車のオート走行を示す機械的な音が聞こえる。


(政府の密輸用車にしてはやけに豪華じゃないか?)


そう、俺は今目隠しをされた状態で車に乗せられている。

かれこれ10~15分はこうしてるな。

俺のイメージとしては、もっとぎゅうぎゅう詰めにされるものだと思っていたが。

実際、俺の隣に何者かの気配はあるものの、まったく窮屈ではない。

さらに、ご丁寧に座らされているのだ。  手足はまったくの自由のまま。


「これからが地獄だってことか。」


思わずつぶやいて、ハッとした。

うかつだった。 何をされるか・・・


と思ったのは杞憂だった。

以外にも何事もなかった。



車の中は異様な静けさに満ちていた。

それはまるで殺気・・・とは違う、何かを期待するような。 期待? ふっ、何を。






約1時間後。――――― 実際はもっと短いかもしれないが俺はそう感じたのだ。


どうでもいいが、吐きそうだ。 乗り物による世界最悪の副作用だ。 と、思う。


「降りなさい。」


ドスの聞いた声色の男にそう言われた。


そのまま、誰かに腕を引っ張られて俺は思わず悲鳴を上げてしまった。



急に止まった。 と、思ったら ブウン と音がして、内臓が下に引っ張られたような気がした。


「車酔いに、テレポートはきついぜ。」


扉の中に入るとものすごい大音量と熱気を感じた。

DISCOだろう。


どうせ聞こえないと思って大声で叫んでやった。



「おい!俺をどうするつもりだ! クソやろう!!」


「安心しろ。殺しはしない。」


・・・・ある意味殺されるより恐ろしかったと、尚人は思った。(男の声はなぜかよく聞こえた。)


その後、扉をもうひとつ抜けると音量はぐっと小さくなった。


プシューッ と、SF的な音がして扉が開いた。


「目隠しをとってやりなさい」


優しそうな老人の声とともに、俺の視界が戻った。


目の前には半円の革ソファがありその前にはガラスの板が浮かんでいる。そしてその上には酒。

部屋全体はそれほど広くなく、薄暗い。

俺の両サイドには黒尽くめのグラサン男が立っている。

俺の目の前に座っている男には見覚えが合った。

飯沼 得一 現内閣総理大臣だった。


「・・・・・・あ、あの。」


俺は言葉に詰まった。


「そう固くなるな。 びっくりしたろう?」


「ええ。そりゃ、まあ。 それなりに・・・」


ここで俺の口はとんでもない事を口走った。


「あ、あの! あなたは知っているんですか! に、日本がロシアに占領される事っ!」


得一 は唸った。


「総理。やはりこの少年では?」


黒尽くめが言った。


「うむ。君、もしや未来が見えるのかな?」


「は? なんですかそれ?」


「違うのか・・・」


「だからどういう意味で――――― ウッ!」

突然黒尽くめに羽交い絞めにされた。


「おい!手荒な真似はよせ。」


得一 の一言で救われた。

と、安心した俺はここで今までの疑問を全てぶつけてみる事にした。 ・・・殺さないといってたし


「なんで俺を殺さないんですか! 未来が見えるってなんですか! どうして俺を捕まえたりしたんですかっ!!!」


「我々はある少年を探している。しかし手がかりは何一つ無いのだ。」


ある少年とはどういう少年か俺にだって簡単に分かった。


「さて、残念だが今日のことを覚えていて貰っては困るのでね。」


背筋が凍った。今までに無いほどの恐怖だった。


「ま、まって! 殺さないって言ったじゃないか!」


「安心しろ。殺しはしない。ただ忘れて貰うだけだ。」


そう言った黒尽くめに連れて行かれた俺は、手術台らしきものに貼り付けられた。

上から機械が降りてくる。

くっそ。 何でこんな事になったんだ。 俺まだ中学生なのに。 やりたい事も一杯あったのに。

そう思ってちょっと尚人は顔を赤らめた。


まぶしい光が視界を奪った。














DEATH GAME ?日目


ここはどこだろう。   尚人は考えていた。

何でここにいるんだろう。


僕は、誰だろう。



一面の山々。赤く紅葉している。


空には一面の飛行機。空も真っ赤に燃えている。


「きれいだなあ」


尚人はただ純粋に感動していた。

久々の復活!

待っていてくださった皆様おまたせです!!

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