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侵入

「元気だなあ」

ぽつりと俺はつぶやく。


今俺とサラはだだっ広い草原の上を歩いている。

いや、 元 草原か。

昨日の戦火の勢いは激しく、あたり一面焼け野原である。


「遅いよー!」


歩くのが速い。もう一時間は歩いてるだろ、疲れを知らんのかあの子は。




一時間前―――― 「と、言うわけで私はあなたと一緒に今からロシアに行きます!」


うん?  と、いうのが俺の第一声だった。

サラによれば、ロシアには俺を待っている人物がおり、俺はその人たちに会わなければならないという。


そういえばサラが大きな旅行かばんを持っていたのが気になっていたのだ。

「なんでお前も一緒なんだ?」


「いいでしょ、どうせ帰るとこなんか無いし。」

そう言われては断りにくくなってしまう。というわけで今、俺とサラはここを歩いているのだ。



「おーい。そういえばひとつ疑問が―」

「なんですか?」

やっと追いついた。

「ロシアに行くってさあ」

「はい、それが?」

「どうやって?」

そう。そうなのだ。

一体こんなときにどうやってロシアまで移動するのか。

普通に考えて不可能ではないか?


「ああ、そのことだったら今ちょうど説明しようと思ってました。」

「何?   あ!あぁ!! はあぁぁぁぁぁ!???」


驚き、ひらめき、疑問が一度に現れるとああなるのだ。

俺達の目の前には馬鹿でかい(山みたいな)戦艦が聳え立っていた。


「ロシア帝国空軍空母兼移動司令塔兼今作戦旗艦、マゼラン級指令空母 Arktourusアルクトゥルス


「は、はい。」

・・・わかるよ。そりゃ、わかりましたよ!

で、まさか、まさか、まさか?!


「これに乗っていきましょう!」

うーん!馬鹿w!!

無理絶対無理!!! だって今作戦旗艦だろ? 旗艦なんだろ? 警備が一番厳しいだろ?

「サラ、無理だろ?」

「行けますよ?行ったでしょ私には未来が見えるって。」

「そりゃそうだけどさあ―」

「じゃあ行くのっ!!!」

「ハ・・・ハイ。」



「いいですか。あそこにトイレの窓が見えるでしょ?」

「ああ。」

「そこに尚人さんが入ってください。」

「え?そんな簡単には入れるのか?」

「大丈夫です。勝算があります。」

「ならいいんだけど。おまえはどうするの?」

「私なら大丈夫ですから。」

「わかった。気をつけて。」

「尚人さんもね。」


結構つらいというかなんというか。簡単ではなかった・・・な。

戦艦の壁は案の定つるつるしていて登るのは至難の業だった。

「ここに足を・・・」

あとちょっと、あとちょっと

「ついたあ」

はあはあいっていたら悪臭が・・・・意外と無かった。

「さすがはデカ戦艦だな。っておい!ここ女子便じゃないか!?」

くっそー。ここで待つってのは結構きついぞ。

はやくこいよ。――無事で・・・な。



尚人の不安は杞憂だった。

「あのぅ、中にパパがいてぇ入りたいんですけどぉ。いいですかぁ?」

と、言えば大体の警備兵は笑顔で通してくれた。

ただ。問題は認証である。

「ここは仕方ないか。」

そういうとサラは自分と認証端末をコードでつなぎ、あっさりパスした。

「早く行かないとね。女子トイレから悲鳴が聞こえてこないうちに。」

そういってうっすら笑みを浮かべつつ、サラは尚人が待つ女子トイレへと先を急いだ。





戦艦の名前が英語なのと、警備兵に日本語が通じるのはご愛嬌w

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