刹那
西暦22xx年、死の灰が降り注ぐここは、日本国首都 東京。
世界でも有数の大都市だった面影はもう無い。
あるのは、一面の炎の海と、崩れ落ちた超高層ビルだけだ。
「ギイィエェェェェ!!」
此の世のものとは思えない耳をつんざく悲鳴にも似た鳴き声。
吸い込む熱風と、鳴き声で頭が割れそうだ。
声の主の恐ろしい口から炎が放たれる。その真紅の矢は破壊の限りをつくし、漆黒の翼は
かすかな太陽光を完全に遮っている。
ドラゴン なぜ空想上の生物であるドラゴンが現実に存在するのか。
一般peopleのオレが知る分けない。
うわさではアメリカのどっかの組織が極秘裏に開発した。 とか聞いてるけど・・・
うわっ! 危ない危ない。オレも丸焦げになる所だった・・・。
早くシェルターに逃げ込まなきゃ。
「尚人〜速く来いよ〜!!」
良平が俺を呼んでいる。あっ、いたいた。
そうしてオレはシェルターまで逃げ込んだ。
―シェルターの中は人でごった返していた。泣いている子供、呆然と立ち尽くす女、怒り狂った若い男。
渋谷第8シェルター「あさひ」オレはその片隅でノートパソコンを開く。
薄さ1㎝、ディスプレイが浮かび上がる最新型だ。街が混乱に陥ったときに、秋葉原から盗んできた一品だ。
オレは手馴れた様子で、日本防衛庁のメインコンピュータに進入する。
5歳の頃からパソコンをいじって遊んでたからこのくらい朝飯前だ。
《未確認の生命体がロシア帝国方面より飛来》 か。
ロシア帝国は2154年に誕生した大帝国で、前ロシア連邦の加盟国の約80%によって形成されている。
アメリカ合衆国と並ぶ大国だ。
日本は2198年の政権交代を機に日米安全保障条約とかいうのを解除している。それを機に日本は、どんどん軍備を拡張し、ついには原子力潜水艦や核爆弾なんてものまで登場した。と学校の公民で習った。
オレも二十歳になったら兵役か・・・。
と、そんな事を考えているうちに俺の周りには同級生達が集まっていた。
ガタイの良い剛希、チビの良平、お調子者の翔太、ガキ大将の雅弘
俺達五人は学校の中でも仲がいい。 同じ小学校出身だからな。
俺達は今中学4年の14歳。今は義務教育が改正されて、小4、中4、高4までが義務教育となった。
小中高と4年制だ。
「お前らも避難してきたのか?」
「ああ。ところでこれは一体何の騒ぎだよ。」
弘雅がたずねる。
「見たとおりだよ。あの怪物がやってきて街はこのありさまだ。」
「日本の防衛庁もだらしねえな。」
翔太が不満そうにつぶやく。
「防衛庁だって頑張ってるんだぞっ!」
良平がふくれっつらで反抗する。良平の父さんは防衛庁へ勤めてたんだっけ。
「悪い、悪い。」
「まあ、今は言い争っている場合じゃないよ。みんなで助け合わなきゃ。」
「当分ここから出られそうに無いな。」
剛希がその体格に合った低い声で言う。やっぱすごみがあるな。
「ちくしょう。暑苦しい。」
弘雅が悪態をつく。
「まあまあ、しばらくは我慢しよ・・・」
俺が言いかけたときだった。 いきなり天井から赤い空が轟音とともにあらわになった。
「うああああァあっ!!」
次々と耳に飛びこむ 悲鳴、悲鳴、悲鳴。
俺は意識を失った。
連載はさぼりません!!!・・・・・・たぶん。