1話
3年ぶりにお話作ります。
暖かい目で見てください
ふと、意識が覚醒する。
寝ていたはずなのに眠さはまるで無く、機械が電源を入れたかのように身体が目覚め、五感が機能を始めた。
木々が生い茂り頭上を沢山の葉がまるで壁のように重なっている、少しの風が吹くと木漏れ日が生きてるかのように形を変え私を照らす。
その風に反応してか小鳥達が五月蝿いくらいに囀る。
五月蝿いくらいに…と言うより、異様なくらい五月蝿い、まるで耳元に雛でもいるのかと思うくらいに……。
なんの気になしに、横を見る。
「ピーピー」
体をほぼ密着させ、私と同じ程の身の丈がある雛のような何かが、懸命に空へ向かって鳴いていたのだ。
何故隣に雛が居るのか?私と大きさが変わらないこの雛は一体なんの鳥なのか?そもそもここは何処なのか?誘拐された?何の目的で?
「ピーピーピーピー」
「ピッピィ」
考えることが多くて考えがまとまらない、1度多くのことは考えずに先ずはここが何処なのかを調べる事にした。
周りを見渡してみると雛は合計で4匹、騒がしく鳴く雛も居れば一点を見つめて動かない雛も。
雛4匹と私を囲むのは木の枝や泥などをボウル状に構築した物だ、ツバメの巣みたいな感じだろうか。
葉の近さを考えると木の高い所に構えられてるのが分かる。
「ピ?」
隣に居る雛がこちらを見て首を傾げる、サイズ感を考えなければとても愛らしいのだが、どうしても自分と同じ身の丈がある道の生き物が密接してるのは恐怖でしかない。
「ピピ……ピ?」
ふと、声を出そうとした時何故か言葉が出なかった、声の代わりに出たそれは周りから良く聞こえてた鳴き声だったのだ。
「ピ!?ピー!!?」
もう一度声を出そうとするが、先程と変わらず雛の鳴き声が自分から出るだけだった。
全身を見渡す、他の雛と同じ毛並み、足は人間の足ではなくしっかり鳥の足。
鏡は無く全貌までは確認できないが…雛になってる?
「ピー!ピー!!」
急に隣の雛が天に向かって大きく鳴き始める。すると他の3匹も上空を向き、鳴き始めた。
つられるように自分も上を見あげると、自分達より何回りか大きい鳥がこちらへ向かって来たのだ。
口に大きな大きな虫を咥えながら