お酒
従魔らは、俺が戻るまでに冷蔵庫の物を空っぽにして。
即席麺の袋を破って、かたい麺まで食っていた。
食っては風呂に入る日々を過ごしたのだ。
俺の当面の食料確保が急務だ。俺は出かけようと軽自動車の鍵を取った。
『親分、何処かへいくのか?』
「お前らが食った食料を調達にな」
リップが空ビンを持ってあらわれた。
「なんだ、それは保存状態が悪かったワイン。もしかして飲んだのか?」
『おらっちが全部、飲んだよ』
「不味かっただろう」
『美味しかったよ。もっと欲しい』
「分かった。大量に買っておくよ」
儲けたので、従魔らの褒美にはいいだろう。
村にも最近コンビ二が出来た。
昔懐かしい店だったのを、娘夫婦が戻ってきてコンビニのチェーン店に加盟して、つい最近にオープンした。
俺はそこで、山のように食料を買いあさった。
あいつらは、冷凍食品まで食っていた。
店のおじさんは喜んで、軽自動車まで荷物を運んでくれた。
そしてあいつらの要望で、酒類も大量に買ってきた。
不味いワインで味を占めたのが原因だ。そのせいで16万円以上を支払う羽目になった。
軽自動車に何回か往復して、食料を載せて帰った。
軽自動車を車庫にいれると、リップとスライムらが待っている。
『これはあの酒より、フルーティな香りがしているぞ』
そう言って、ワインのビンを10本も取って、近場の露天風呂へ行ってしまう。
リップがワインを飲んで、従魔らに魔石と同じぐらい美味しいと自慢したのが原因。
他の従魔らは、楽しみに待っているだろう。
「ほれ、日本酒の紙パックだ」
袋ごと渡すと5匹で協力し合って運び出している。
従魔らは、何故か酒に興味があるみたいで、どうやら味の共有も出来るようで、従魔の繋がりだと思う。
俺は冷蔵庫に食料を入れて、上の棚に即席麺をいれて、シンクの流し台の下にウオッカやウイスキー類を入れる。
久し振りの露天風呂にも入るか、しかし露天風呂では従魔らが倒れて寝ている。
死んでないことは確かで、ただ寝ているだけだった。
24時間戦い続けても平気なのに、これはこれで大発見かも知れない。
酒類の何が従魔に作用したのだろう。アルコールなのか?
あああ、露天風呂の底にスライムたちが沈んでいる。
ピーとキーは探すのは容易だったが、あとの7匹は手探りで探すしかない。
結局、露天風呂に4匹、水風呂に1匹と内風呂に2匹が沈んでいた。
沈んでも死なないと思うが確証はない。
リップは水風呂に浸かった状態で倒れているし、ツタは屋根にぶら下がっている。
アイとグフは植木のそばで寝込んでいる。
俺はそれをみながら露天風呂に浸かる。
そしていつものように防水用ノートパソコンで、例の件を調べはじめる。
あ!ここに詳しく書かれている。
なんとあの組織の悪行が、160件以上書かれている。
冒険者の殺害が1600人以上で、アジトにあった証拠資料だけで、未確認を入れると1万は超すみたいだ。
人身売買も頻繁に行なわれていて、男なら臓器の売買に使われていたらしい。
そう言えば襲ったアジトの中に手術室もあった。そんなことに使っていたのか?
ついでに冒険者ハンターのサイトも見ておく。
俺の報酬はまだ審議中だった。
そして俺の事件のことが書き込まれている。
協会の方の正式コメントでは、やむを得ない判断だったと述べている
それに対して、冒険者ハンターのコメントはあれは誰だと推測や噂ばかりであった。
俺は依頼内容から冒険者を殺してないか、入念に読んでゆく。
殺して逃亡した犯罪者も居たが、山奥に逃げた者とその地域で連続に発生していない者ばかりだ。
油断は出来ないので、小まめのチェックが必要。
最後にメールをチェックしていると、猪野からのメールがあった。
【魔石の調査報告】
高級魔石の調査結果がでたよ、メールでの報告より直に見てくれ。
訪問する日付を知らしてくれ。
猪野和也より
猪野のメールも俺と同じように素っ気無い。
俺もお返しに送っておく。
【行くよ】
×月×日の12時までに行くよ
青柳誠より
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