死闘
赤のダンジョンの40階の広いフロアで、死闘が続いている。
巨大なボディに燃え盛る岩盤が張り付き、そのボディが従魔らの魔法攻撃を悉く防いでいる。
つぶらな眼でこっちを睨みつけて、4つの足を地面に踏みつけて突進してくる。
鼻先の角が赤く伸びて、俺は右にかわした。
突進の勢いは止まらず、壁に大きな穴を開けている。
角を引き抜く為に、頭を上下に振って穴を大きくして引き抜こうとしている。
その間に俊足を発動して近づき、剛腕の刀で斬りつけるが10センチの切れ込みをつけるだけだった。
それも剛腕の刀がはなれると、切れ込みが治りだしている。
ダダダッと動き方向転換をする間に、俊足を発動して離れる。
その瞬間に、またもや突進を仕掛けてくる。
この突進モード時は防御力が上がるみたいで、リップの剣1本が粉々に破壊された。
空中から懸命に攻撃している従魔達。
今は右目を集中的に攻撃している。どうも薄い膜で防いでいるみたいだ。
俺1人が囮状態で頑張っている。何度かわしたか分からない。
そしてついに、右目の膜がパリンと音がして壊れた。
今度は命懸けで、当たる瞬間まで待ち続けて、右目に剛腕の刀を突き刺した。
深く刺したが逃げ遅れて、でかいボディにわずかに触れて、空中に跳ね上げられる。
凄い衝撃だった為に、剛腕の刀を放してしまった。
空中で回転した状態で奴を見た。
方向転換を済ませて、右目に剛腕の刀を突き刺したまま、左目でこっちを見ている。
地面に叩き付けられて、何度もバウンドをしてようやく止まった。
俺の左足は変な方向に折れ曲がっている。
これでは逃げれない。
意識が段々とうすれてゆく・・・
俺は激痛で目を覚ました。
変な方向の足を両手で掴み、激痛に耐えて真直ぐにする。
なんとか中級ポーションを取り出して、その足にかけるとじわじわと回復してゆく。
そして振り返ると、従魔らが必死にサイの化け物をボロボロになりながら防いでいた。
そのせいでサイの化け物は止まった状態。
俊足を発動して、一気にサイの頭部に着地。
足を掛けて、剛腕の刀を更に突き刺して、そのまま左右上下に必死に動かした。
ドスンと音がして、サイの化け物は座るように足を折り曲げていた。
そして右目から大量の緑の液体が溢れていた。
どうやら終わったようだ。
そして周りに居た従魔らは、体を光らせていた。
俺だけが光らない。
スライム以外はボロボロ状態の従魔に、中級ポーションを与えてゆく。
アイの大きな眼に大きな切り傷が有ったが、中級ポーションを吸収すると嘘のように治った。
リップの細い根は全滅で、太い根も動かせるのは2本だけだった。
太い根だと中級ポーションが持てないので、俺が直接花の中に液を流し込んだ。
その途端に再生が始まり、一瞬で元の体に戻った。
ツタも切られた部分が多く、ツルを出せない状態だった。
ジグソーパズルのように、1つ1つ切れた所を合わせて地面に並べる。
そして中級ポーションをまんべんなく振りかけてゆく。
ツタが互いにくっつき合い、みるみる再生して治った。
グフは翼が片方しかなく、胴体に深い傷が入っていた。
グフの口の中に中級ポーションを飲ませると、翼も再生して深い傷も治った。
俺の足元には、スライムらが集まっていたが、たいした怪我も異常な症状もない。
しかし、スライムらは期待感をかもし出していた。
下級ポーションを渡してゆくと、嬉しそうに消化してゆく。
そんな回復をしている最中に、サイの化け物はダンジョンに吸収されていた。
残ったのは大きな魔石とカードが2枚だった。
この魔石は最大級魔石に思えた。この魔石はどれくらい電力を出し続けるのだろうか?
そう言えば、この戦いで従魔らは話し掛けてこなかったな?
何故だろう・・・それだけ真剣だったのかも知れない。
大きな魔石を【黒空間】に収納。
カードはDEF強化大カードと突進カードだった。
DEF強化大
DEFを10ポイント追加される
・ ・ ・ ・
突進
突進モード状態時に防御力が一時強化される
DEF強化大カードを自身に念じると、光り輝き1分程続いた。
ステータスにはDEF25+15と表示。
前回のDEF強化+5に+10が追加されたようだ。
今度は、突進カードを自身に念じた。
体が浮かぶ感じで光りだした、長い間光ってようやく消えだした。
突進は支援スキルでもあった。どう考えても攻撃スキルか防御スキルの筈なのに。
理由は定かでないが、地上での戦いが楽になるだろう。
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