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第7話:襲来、Aランク冒険者!?

 明日には大量のDPが手に入る。

 それなら今日は予定通りボス部屋を作っておこう。

 それで二階層の階段を作って――。




「あっ、そうだ。次の階層を作る値段をまだ見てなかった……」




 ボスを作るだけで半ば満足してしまっていたけど、ボス部屋を作ったとなるとやはり、次のエリアとボス討伐時の宝を用意しておきたい。


 まずは新階層を作る値段から調べてみる。




――――――――――――――――――――

階層追加

消費DP:100(地下1階層)

――――――――――――――――――――




 飛び抜けて高いわけではなかった。

 いや、これはあくまでも一つ下の階を作るためだけの値段。

 どんどん追加すると、更に値段が上がっていくのかもしれない。




「とりあえず、これは明日に買いかな? 他にも魔物の数も増やしておきたいよね……?」




 まずはボス部屋を作るとそこにオークを配置する。

 更にダンジョンもより複雑になるように、道を広げていき、行き止まりもいくつか作る。


 あとは罠も欲しいな……。

 ただ、罠はランクアップの条件には入っていない。

 作るにしても優先は低めになるだろう。


 それに罠は一度場所がバレてしまったら使い物にならない。

 基本的には使い捨てと考えた方が良い。




――――――――――――――――――――

落とし穴

消費DP:10(地上一階層)

――――――――――――――――――――




 さすがに使い捨てに10DPはまだ使えない。

 ……というより使いたくない。


 それならEランクの魔物を召喚しておきたい。

 Fランクとは違い、Eクラスになると弱い冒険者なら倒せる程度の能力は持っている。




「まぁ、今日はダンジョンを広げる方でいいかな? 明日に階層作成と魔物で――」




 そんなことを考えながらモニターを操作しているときに、突然赤文字のメッセージが流れてくる。




『スライムが倒されました』




「えっ!?」




 一瞬何のことかわからずに声が漏れる。

 しかし、メッセージはそれだけに留まらなかった。




『スライムが倒された』

『スライムが倒された』

『スライムが倒された』

『スラ妖精が倒された』

『スライムが倒された』




 ものの一瞬でこのダンジョンにいる普通の魔物たちが倒されてしまった。




「な、何が起きてるの!? だ、ダンジョンステータス……、あ、あと、追加の魔物を――」




 ダンジョンステータスを開くと、やってきた冒険者の数が一人追加されていた。

 そして、ダンジョンのマップに赤い点が現れ、まっすぐにボス部屋へ向かって進んでいた。

 その赤い点には名前らしきものが浮かんでいる。




「えっと、牧原遥(まきはらはるか)でいいのかな? ぼ、冒険者って事だよね?」




 信じられないものを見る目で、その点を凝視していた。




「で、でも、まだスライムとスラ妖精だけだもんね。ぼ、ボスを一撃で倒すなんて、できるはずがないよね?」




 ただ、点だけでは状況が掴めない。

 だからこそ、いつもライブで使っているカメラ機能を使い、モニターにボス部屋の様子を映し出す。


 そこに現れたのはオークと小柄な少女だった。


 手には巨大な本を持った長い栗色の髪は二つに結わえた小柄な少女。

 茶色のパーカーと黒のスカート、そして、頭にはパーカーと同じ色のキャスケット、ととても冒険者のようには見えない。


 しかし、それと一緒に別モニターに表示された彼女のステータスを見ると、改めて冒険者なのだと、いやでも思い知らされる。




―――――――――――――――――――――

牧原遥(まきはらはるか)

レベル:76 性別:女 職業:冒険者(ランク:A)

HP:129/129 MP:312/356

筋力:41 耐久:43 魔力:114 精神:103 速度:79

スキル:【上級魔法(レベル:3)】【中級魔法(レベル:10)】【初級魔法(レベル:10)】【鑑定(レベル:5)】【鈍器術(レベル:10)】【疾風(レベル:10)】

―――――――――――――――――――――




「ちょ、ちょっと待って!? ぼ、冒険者……なのは分かったけど、なんでAランク!? こ、ここはFランクダンジョンだよ!?」




 ただ、低いランクのダンジョンだからといって、上位ランク冒険者が入ってはいけない決まりはない。

 その逆もまた然りなのだから。


 そして、起こった結果は自己責任。




「ど、どうしよう? どうしたらいいかな? えっと、ここでさらに魔物を追加して……って、Aランク冒険者の相手ができる魔物なんて召喚するほどのDPがないよ? えとえと、ボス部屋からこのマスタールームまでの通路を広げて……、って数秒しか稼げないよ。どうしよう……、こ、このままだと――」




 ダンジョンを生み出すダンジョンコアはマスタールームに置かれている。

 だからこそダンジョンマスターはそれを守るように、基本マスタールームで生活をするのだ。


 そして、冒険者たちもコアは壊さずにダンジョンと共存しようとするのが通常である。


 しかし、全員がそれを守っているかと言えば、答えはノーである。


 冒険者たちの中にも迷惑系冒険者と呼ばれる人たちがおり、他人のことを顧みず、自分の利益になること、楽しみになることだけを行う人たちがいる。


 そして、中にはダンジョンコアを壊して回る冒険者がいるとも聞いたことがある。

 わざわざAランク冒険者が通常だと用事のないFランクダンジョンに赴いてきたのだから、その理由はおそらくダンジョンコアの破壊。

 それを阻止するには――。




「うん……、僕が出るしかないよね……」




 正直レベルの差がある。

 どこまでできるかはわからないけど、それでも出ないわけにはいかなかった。

 ダンジョンコアが壊されては、このダンジョンは消滅してしまう。



 それだと、あの人との約束を守れないことになってしまう。

 僕を助けてくれた前ダンジョンマスターの人との約束を――。



 覚悟を決めた僕はマスタールームを飛び出して、ボス部屋へと向かっていた。

 そして、辿り着いた時にはすでにオークは倒されて、消滅する瞬間だった。




「だ、ダンジョンコアは壊させないよ! こ、今度は僕が相手だ!」




 震える足のまま、遥の前に出る。

 すると、彼女はゆっくり僕に近づいてくる。



 殺される!?



 僕はぎゅっと目を閉じて、襲いくる衝撃を堪えようとした。

 しかし、それは一向に訪れることがなかった。



 ど、どういうこと?



 ゆっくりと目を開けると、少女が目を輝かせて僕を見てきた。




「き、如月奏(きさらぎかなた)さん!? ほ、本物!?」


「えっと、確かに僕は如月奏だけど……」


「ほ、本当に会えた。し、信じられない……。あ、あの……握手いいですか?」


「ふぇっ!?」




 訳が分からなくて、僕は思わず聞き返してしまった。




「や、やっぱり、ダメですよね……? ご、ごめんなさい……」




 少女は涙目になりながら、悲しそうに俯いてしまう。

 何も悪いことをした訳じゃないのに、罪悪感に苛まれてしまう。




「えとえと……、あ、握手くらいなら……」


「あ、ありがとうございます! あのあの……、は、初配信の時からファンでした!」


「えっ!? ふ、ファン!?」




 握手をしながらにっこり微笑むAランク冒険者。

 しかし、僕はいまだに状況が飲み込めずにただただ困惑する以上のことができなかった。

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『黒衣の聖騎士〜邪神の加護を受けし少年、聖女の騎士となる〜』

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