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第38話:ボーナスタイム

 目の前に置かれた宝箱を見て、冒険者たちは固まっていた。

 ただ、すぐに事情を把握していた。



「なるほど……、これがダンジョン攻略の報酬ってことだな。この下にある温泉はおまけみたいなもので実質、このダンジョンのボスはあのドラゴン。 そういうことなんだろうな」


「いや、別の可能性もあるぞ。報酬に見せかけて実は箱だけ置いてあるパターンだ。宝探しの要領で本物の宝を隠しているパターンは見たことがあるな」


「とりあえず、罠の可能性も考えて、一つ開けてみたらわかるんじゃないか?」




 冒険者たちはお互いの顔を見渡し、盾使いが宝箱を開いていた。

 すると、中から一本の剣が現れる。




「これは――?」


「ミスリル製の剣か。買おうとしたら100万円はくだらない代物だぞ?」


「つまり、ここはやっぱりクリアボーナスが置かれた部屋か」


「いや、まだわからない。たまたま開いた一つが宝が入っていただけかもしれないぞ?」


「そうか……、その可能性もあるわけだな。それなら――」




 盾使いがもう一つの宝箱を開いていた。

 すると、小さな石が入っていた。




「ちょっと待て!? これってスキル強化の魔石か?」




 盾使いが驚きの声を上げていた。

 この石を複数集めることで、自身のスキルを強化できるという伝説級のアイテム。

 滅多に置かれているダンジョンはないのだが、それがこうやって報酬としておかれていた。

 そのことに驚きの声を上げてしまう。




「うぉぉぉぉー!! やっぱり、ボーナスじゃないか!? しかも宝箱によってレア度が変わりそうだな。これは早い者勝ちで良いか?」


「ちょっと待て! 順番に同時に開いていこう! それならみんな同じ数の宝を取れるんじゃないか?」


「そうだな。それでいこう!」


「あっ、翔。お前は最初の一回はなしな。そのスキル石、お前のものにするんだろう?」




 盾使いは自分が持っているスキル石を見て、一瞬考える。




(このスキル石以上のレアアイテムはほとんどない。ここは冒険をするより安定を取るべきだろう)




 少し考えた後、盾使いは頷いていた。




 それから冒険者たちはそれぞれ別れて、同時に宝箱を開けていた。

 すると、中から現れたのは色々な宝物。

 それを手に取った冒険者たちは思わず歓喜の声を上げていた。



 そして、次の宝箱に手を掛けていた。

 ただ、ここまで幸か不幸か、デスミミックを一体も当てていなかった。


 9個中4個がデスミミックなのに……。

 でも、それは逆に冒険者たちにとっては不幸でしかなかった。


 一体ずつなら容易に相手にできる魔物。

 しかし、それがそれぞれ一体ずつ……となると話が変わってくる。


 全員が宝箱を開けた瞬間に即死魔法を受けていた。

 もちろん、防御職の盾使いはSランク冒険者だけあって即死魔法にも耐性がある装備を使っていた。

 しかし、他の皆は?


 次の瞬間に盾使いを残して、他のみんな、死に絶えてダンジョンからその姿を消していた。

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『黒衣の聖騎士〜邪神の加護を受けし少年、聖女の騎士となる〜』

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