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第29話:温泉配信

「みなさん、こんばんは。カナタダンジョンのダンジョンマスター、如月奏です。今日はダンジョンの五階層から配信しています」



  温泉に入りながら、モニター画面を映し、視聴者に向けて手を振る。

 その瞬間にコメントが爆発していた。




:うおおぉぉぉぉ!!

:どこだ、ここ!?

:今すぐ行く!

:俺も行きたい!!

:まさかの温泉!?




「えとえと、温泉ですよ。取っても気持ちいいですよ。やっぱりダンジョン捜索の疲れは温泉で回復ですよね? ということで、実際にダンジョンの中に作っちゃいました。まだ、冒険者の方の攻略は三階層ですけど、五階層まで来たらこの温泉に入れるので頑張ってくださいね!」




:くっ、つまりあのドラゴンを突破しないと無理なのか

:しかも、またダイヤスラ妖精も復活してなかったか?

:また、全力でつっこまないといけないのか……

:仕方ない。ここはお前たちに任せてやる。

:お前が行け!!




 良い具合にコメントが盛り上がっている。

 やはり、普段とは違うダンジョンの構造だと、かなり反響があるようだった。


 これも遥さんの作戦勝ちかな?


 そんなことを考えていると隣から声が聞こえる。




「か、奏さん!? ど、どうして、お風呂の中から配信をしてるのですか!?」


「えっ? この温泉を宣伝するには一番良いかなって……」


「あははっ、お兄ちゃんは相変わらずだね」


「と、とにかく早く配信を消してください! いくらなんでも全国に奏さんの裸を流すわけにはいきませんよ!?」


「えっと、普通にタオルを巻いてるよ? さすがの僕もセンシティブな配信にならないように気をつけてるからね?」


「今でも十分すぎるほどにセンシティブですよ!? と、とにかく早く消してください!! あと、後からお説教をしますから……」




 なぜか本気で怒っている様子だった。

 もしかして、僕、とんでもなくまずいことをしたのかも?




「えとえと、と、とりあえず、今日はここまで! お、温泉に入りたい人はぜひ、カナタダンジョンの五階層まで来てね。あと、四階層もまだ未公開だけど、とっておきのものを配置しておいたからね。きっと、来てくれた人に喜んで貰えると思うよ。それじゃあ、またね」




◇◇◇




 温泉から出てマスタールームへと移動すると、同じく温泉から出たばかりの、まだ髪が湿っている状態の遥が僕の方へ近づいてきた。




「奏さん!」


「は、はいっ!?」




 思わず体が強張ってしまう。

 それほどの迫力があった。




「本当に気をつけてくださいね。奏さん、かわいい容姿をしてるんですから、奏さんをさらうこと目的で、やってくる人もいるかも――」


「そ、そんな人がいるはず無いよ……」


「いえ、奏さんならたくさんいます。その証拠が今の配信の視聴者です!」




 そう言われて僕はすぐに確かめていた。

 すると、今までとは比べものにならないほど、視聴者の伸びが良かった。




「ど、どうして!?」


「これが奏さんの人気です。だから本当に気をつけてください。何かあってからだと遅いんですからね……」


「う、うん、わかったよ……」




 今まで気楽に配信をしてきたけど、ちょっと気をつけないといけない時期が来たのかもしれない。

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『黒衣の聖騎士〜邪神の加護を受けし少年、聖女の騎士となる〜』

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