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第27話:キラーミミック

 宝箱とミミックだらけの階層……ということもあり、ボスももちろんミミックだった。

 ただし、ボスだとわからないようにこちらも宝箱に入れた状態で配置している。


 問題はそのサイズだった。


 僕の倍はありそうな程巨大な宝箱。

 ちょっと見ただけでも偽者だとわかるほどの大きさの宝箱が一つ、ボス部屋に置かれている。




―――――――――――――――――――――

レベル:40 種族:キラーミミック(ランク:A)

HP:2,500/2,500 MP:3,000/3,000

筋力:120 耐久:80 魔力:100 精神:70 速度:200

スキル:【即死魔法(LV:10)】【擬態(LV:10)】

経験値:1,000 お金:50,000円

―――――――――――――――――――――



 デスミミックの上位互換であるキラーミミック。

 能力が一回り強く、即死や擬態のレベルも上がってるからちょうどいいや、と召喚してみたらこれが出てきた。


 流石にあの時は驚いたな……。

 エリシャと二人、目が点になって巨大な宝箱を眺めていたし……。


 本当なら強いミミックも織り交ぜて、宝箱と一緒に配置しようとしたのだけど、その目論見は崩れ去ってしまった。


 そもそもサイズが違うから持ち運ぶこともできないし、同じ位置に置いていたら偽だとすぐにバレてしまう。

 結局ボス部屋にどんと置くしかなかったのだ……。




「なるほど……、キラーミミックですか。これは少々やっかいな相手ですね」




 遥は口を噛み締めていた。




「えっと、どういうこと?」


「今までのデスミミックはちょっと動きが早いと言っても、先攻できないほどじゃなかったのですよ。だから、即死魔法を喰らう前に倒すことができたんですけど、キラーミミックの場合はまず勝てないので、相手が先行するのですよ。つまり、一撃は即死魔法を受けないといけないんですよ」



 つまり、何かする前に死んでしまう可能性があるのか……。

 俺としてはとても助かる魔物だ。

 でも、冒険者からしたら溜まったもんじゃないだろう。


 そんな凶悪な魔物を知らず知らずのうちに召喚してしまったようだ。



「えっと……、ダンジョンの散策はここまでにしておく? 別に攻略する必要はないんだよ?」


「いえ、ここまで来たら最後までやらせていただきます。でも、どこまでできるかは分かりませんけど」




 そう言いながら遥は手に持っていた本を構えていた。

 ミミック側は一向に動いてこないのは、自身の擬態を完璧だと思っているからだろう。


 擬態レベルも10……。

 これでマックスなのか……。


 まずは遥がゆっくりと宝箱を開く。

 するとその瞬間に宝箱が動き出し、そして――。




◇◇◇




「やられました……」


「うん、画面で見てたから、知ってるよ。あっ、装備は回収しておいたよ」




 再生ポイントで復活した遥がマスタールームへと戻ってくる。

 その表情はふてくされてる。


 まぁ、何もできずに、手を出すことなく、一撃でやられていたのだから、そう思うのは無理ないだろう。




「運ゲーに負けました……」


「そういった面も含めて、四階層を作ったからね。ある意味狙い通りなんだよ……」


「えぇ、分かってますよ。あの宝箱の配置は少々悪意を感じますけどね」


「配置に関してはエリシャにもお願いしてるからなぁ……。実は僕も全ては知らないんだよ。ただ、僕はどちらかといったら隠し通路とかの方を担当したからね」


「あっ、やっぱり隠し通路があるのですね。今回は探しませんでしたけど、魔物や宝箱の配置的にありそうだなとは思いました」




 遥にその存在を気取られていたようだ。

 もしかすると、分かりやすすぎたのかな?




「うーん、そこは三階層を突破されるまでの課題かな?」


「そうですね。すぐには突破されないとは思いますけど、要注意しておいてください」


「ところで遥、次の五階層のことだけど……」


「あっ、次の階層は少し提案があるのですよ。いいですか?」




 遥はニヤリと微笑みながら言ってくる。

 その様子に少し嫌な予感を感じながらも、僕はこれ以上何も言えなかった。

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『黒衣の聖騎士〜邪神の加護を受けし少年、聖女の騎士となる〜』

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