大黒小白
感想、ポイント、ブクマ有難う御座います。
木曜祝日の事を忘れてたのと沢山の感想とポイントやブクマを頂いたのでちょっと頑張りました。いやホント一月経ってねぇのに有難い感想四件にポイント1000越えブクマ300越えって......。
(=´∀`)ウホホーイって感じです。
暇潰しにでも見てってくれたら幸いです。
PS.書いてる途中で頭に浮かんだ昔流行ったとある映画のパロ的な何か。
次回から投稿頻度を戻すと言ったな。
そうだ創作意欲、寝かせてくれ。
アレは嘘だ。
((((;゜Д゜)))))))アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
書けよ脳味噌、睡眠なんて捨てて書いてこい。
あんな事を書いておいて一度も投稿しないなんて嘘だろう。思い浮かんでる話を書いて、少しでも浮かんだアイデアを発散するのが望みだったんだろう?
忘れてたから予定は無ぇ、昼寝もいらねぇや!誰が寝不足なんか!!!寝不足なんて怖くねぇ......!!
(((( ゜д゜))))ヤロォオカキキッテヤラァァァァァアアアア!!!!!
尚、完成したのは一話強で特に作者は寝不足ではありません。来週も予定通り投稿します。
あと何かスイマセン本当に。
......本編をお楽しみください。
那古野で軍議を開いた後、信長は弾正忠家の勢力下尽くに使者に出した。深田と松葉の城を取られると弾正忠家の資金源である津島と熱田が危うくなる為だ。
翌日の夜明けに平手勢を始めとした戦力を加え総勢千五百で出陣、稲葉の庄内川の川端まで電撃的に進軍した。そこで庄内川を船で下り駆けつけた織田梅厳信光と合流して腹を満たしながら再度軍議を開く。
「三郎、流石に早いな」
「梅厳叔父上、御足労忝い」
「構わん。餅はあるか?」
「勿論、お好きなだけ食べてください」
「おお!すまんな。で、どうする?」
「牽制として松葉口と三本木口を攻撃し清洲口に我等が行こうかと」
「悪くない。敵は二つの城を防ぐ分兵を割かねばならん。俺た、拙僧達が清洲に向かえば敵も主力を向かわせざるおえんだろう。清洲口から萱津村辺りでも攻めれば飛んでくるだろうよ」
信長は頷いて平田三位と勝介に問うような顔を向ける。二人は逡巡して頷き。
「敵主力を討てば大和守家も当分はおとなしくなるかと」
「主力を討った後なら城を取り返す攻城も容易ないし不要となるかと」
平田三位が戦略的に勝介が戦術的に肯定する。
「良し、そうと決まれば川向こうへの一番乗りの誉は貰うぞ?」
織田梅厳信光はニッと笑って餅にかぶりついて丸呑みにしてから言う。危険を被る事を厭わず闊達に笑う叔父を見て信長は頭を下げてから立ち上がった。
「感謝致します叔父上。監物と荒子勢は松葉口に、藤十郎は三本木口に行ってくれ!!」
三人の男が頷く。
「はは」
「承った」
「お任せあれい!!」
平手政秀の子とは思えない程に真面目そうな嫡男の平手監物久秀、五尺五寸の身の丈を持ち荒子勢を率いる前田蔵人利春、最後に勝三の従兄弟叔父毛利藤十郎忠之だ。
「殿、敵が少数なれば落としても?」
毛利藤十郎忠之が勇猛な笑みで笑えば信長は頷き。
「無論だ。褒美は弾むぞ」
「おお、それは気張らねば。それでは失礼する」
毛利藤十郎忠之が下がれば平田監物久秀が慇懃に一礼して陣幕を出た。
「殿、宜しいか」
一人残る前田蔵人が声を上げる。新しい物好きなのか傷一つない当世具足を纏っているが纏う空気からして古豪の類だ。
「倅の初陣を果たしたく思います。五十程の手勢を分けますので使って頂いても宜しいでしょうか」
「成る程、犬千代め。それであの朱槍を引っ張り出していたのか。良いだろう、一隊を任せる事としよう」
「忝ない。弥助、婿殿、長八郎と共に犬千代を頼むぞ」
「はは」
「任せてください養父上」
前田蔵人利春の背にいた二人が頷く。三人が下がると信長は背に控えさせていた岩室長門守重休と勝三に。
「長門、勝三を預ける。犬千代の近くに布陣させる故に任せて良いか?」
「は、犬千代は戦働だけは役に立ちましょうから不安は御座いませんが死なせませぬ」
「頼む」
佐々内蔵助成政がショボンとした顔で。
「良いなぁ犬千代は。俺も一手を率いてみたいもんだ」
「それを言ったら俺なんて騎馬にも乗れない一兵卒ですよ」
「お前は初陣で兜首取ったじゃん。それはそれで羨ましい」
岩室長門守がため息一つ。
「ほら二人共、今は戦だ。さっさと行くぞ勝三」
「あ、申し訳ない」
「すいません」
この後、織田勘十郎信勝が派遣した柴田権六勝家が加わり二千近い軍勢で後の世に萱津の戦いと呼ばれる戦が始まろうとしていた。
メイビーこんな感じ地図
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・1・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・◯◯◯◯◯◯◯◯
・・・・・・・・・◯・・・・・・・・
・・・・・・・◯◯・・・・・・・2・
・・・A・B◯・・・・3・・・・・・
・・・・・◯・・・・・・・・・・・・
・45・C◯・・・・・・・・・・・・
・・・・・・◯D・・・・・・・・・・
・・・・E◯・・・・・・・・・・・・
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1清洲城・2守山城・3那古野城
4深田城・5松葉城
A萱津・B清洲口・C松葉口・D稲葉
E三本木口
◯庄内川
清洲口で物見を出し萱津村に向かう敵を発見して移動すると勝三は与三と共に岩室長門守重休に相談に行った。
「なに、先手を任せて欲しいのか?」
三十も半ばとなって大人の落ち着きを増した長門守は一度驚いてから顎に手を添え笑顔で頷き。
「良いだろう、初陣を済ませて直ぐだと言うのに逞しい事だ」
「有難う御座います!」
「フ、皆も勝三に遅れるでないぞ!!」
流れるオッさん達の若人を羨み微笑ましく思う空気。「気張れよ」とか「無理するな」と声をかけられながら陣の先頭に向かう勝三。
「さぁ期待に応えなきゃな与三」
「うん。腕がなる」
少しは馴染んだ甲冑を鳴らし金砕棒を担ぐ。横の陣を見れば犬千代が勇猛な笑みを浮かべて長い朱槍を握っていた。
まるで合わせたかのように敵軍が横陣を敷く。互いに前に進み距離を詰めれば弓を握り矢を番える。
矢合わせ。
西の空めがけて矢を放ち、飛んできた矢と石を錣と袖が弾く。
矢と石の飛び交う中でジリジリと詰め寄る両軍。
その内、敵味方の根気の無い者が走り出した。
合わせて走り近づいてくる敵。
対して味方は遅い歩み。
勝三は殊更強く引き絞った矢を放つ。
次の瞬間には脳天に矢を生やして崩れ落ちる敵の先手の一人。
崩れ落ちた兵が進路を塞ぎ揺れる横列。
ドンと背から響く太鼓。
「進めッ!!」
更に背から聞こえる岩室長門守重休の号令。
「行くぞ与三!!!」
「おう!!」
勝三と与三は走り出した。
背負う金砕棒を強く握って一直線に駆ける。
「馬より早いぞ!?」
「あの二人に置いていかれるな!!」
味方の声も聞こえない。
敵の波、手柄の山目掛けて猛進する。
「デカ——」
目を見開いた敵を。
「ナァッッッ!!!」
一喝、潰した。
人一人を肉塊に変えた金砕棒が血を垂らしながら持ち上がる。
赤く染まった全身に輝く双眸。
見上げる体躯。
「ヒッ……」
「あ、あ」
動かぬ敵を殴り飛ばせば鉄塊が幾度も扇の如き黒影を残す。
腰が引けた敵が距離を取ろうとして味方とぶつかれば諸共肉塊に。
「か、囲め!!」
前からの声。
「続けぇ!!」
後ろからの声。
敵を薙ぎ払い、いや殴り払って進む。
「お、鬼だァッ!!?」
「逃げろ、助けてくれ!!」
「嫌だアアアアアアアアアアアア!!」
武器を捨て逃げ出す敵。
「勝三がやったぞ!手柄を立てろ!!」
勝三を先頭に兜首に群がる岩室隊。
「クソ、うつけの雑兵供がッ!!」
一際絢爛な甲冑を纏い巨大な馬に跨る騎馬武者が護衛と共に馬首を返した。
「与三、走れ!!」
「分かった!!」
肩に掛けていた弓を握り放たれる矢。
弧を描き与三の頭上を過ぎて馬の尻に掠った。
「ぬお!?」
驚き嗎いた馬が前足を大きく上げて武者を落とす。
「彦左衛門様!!」
護衛が慌てて馬の脚を止めようとするが素早く進んでいた与三の槍が起き上がろうとした武者の首と鎖骨の合間から心臓を穿った。
「ゴァあ“あ”あ“あ“あ”あ“あ“!!?」
護衛達が血相を変えて与三を討とうと迫る。
与三は迎え討とうとするが。
「や、槍が!!?」
与三を睨み上げながら死にかけの騎馬武者が柄を握り血を吐きながら笑う。
「この坂井彦左衛門タダでは死なんぞ小兵よッ!!」
気圧され焦る与三に護衛の一人である騎馬武者が握る槍の穂先が迫る。
「死ねッ小僧がァ!!」
突き出す槍。
「ぎゃっ!?」
しかし甲高い音と激痛、槍が腕から落ちた。
「な、何事だ!?」
騎馬武者が己の肩を見れば深々と刺さった矢。
それをヘシ折り吠える。
「おのれッ!!」
顔を上げれば次の矢を番えた巨大な若武者。
ほぼ一直線に迫る鏃。
銀の陽光を放つ。
使えぬ利き手の掌を伸ばして。
鈍い音に視線を下げようとすれば顎が止まり己が首から生えているだろう矢が見える。
美しい白鳥の矢羽を見て全てを察した。
指が一本無くなった自分の手の先に立つ若武者に向けて思わず。
「み“、見ゴ……と、な”リ“」
鞍から崩れ落ちる。
「は、半兵衛殿がやられた!?」
「ひ、退け退け!!」
踏みとどまっていた足軽達も我先にと逃げ出す。
「両名、馬は貰っておけ!!」
馬上から敵を突き殺しながら岩室長門守が言う。
そして振り返り。
「良くやったぞ!!」
「有難う御座います!!」
「ハァ、ハッ、ハ。有難う御座います」
馬を引く勝三と息を整える与三が笑みを浮かべて応えた。
そして勝三は与三の前に馬を。
「勝三、悪いんだけど彦左衛門とか言う人の馬は俺にはデカすぎるから変えてくれない?」
「こんなに良い馬だぞ?」
「うん、まぁ乗れないから」
「そうか、有難う与三」
「辞めてくれよ。て言うか交換してもらわないと乗れないから困るんだって」
与三が背を叩けば、それぞれ討った首を取ってから馬に跨る。岩室長門守は頼もしい笑みを浮かべて。
「二人共、一端の武者だな。さ、前田隊と戦っている野村勢の側面を突くぞ!」
四半刻後深田松葉両城を落とした部隊と合流。三箇所で大勝し九十近い敵を討った弾正忠連合軍は余勢をかって清洲まで行き、城を囲んで米ゲーやってる人だったら血涙流しそうなレベルで苅田を行って、有りったけの実り切った米や穀物に財貨を奪って帰った。
今回奪った馬は信長の褒め言葉と共に所有を認められ坂井彦左衛門の乗っていた四尺八寸の青毛に勝三が乗り、海老半兵衛が乗っていた四尺六寸の芦毛に与三が乗る事になった。
それぞれ大黒と小白と名付けられ、大黒は大きく力が強い良馬、小白は小さいが足の速い良馬で、馬を得た事で二人は足軽隊から馬廻に組み込まれた。
尚、余談であるが首をとって自慢しに来た犬千代が二人の馬を見て地団駄を踏んで悔しがったと記しておく。