本備の兵が曰く 俵と金砕棒担いだ殿に追われて走るよりは楽でした(日課)
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今回、アレな地図があります。
それでも良いよって方は暇潰しにでも見てってくれたら幸いです。
明石郡魚住城城主の魚住右近大夫吉長。この男は市川の戦いで最南端に布陣していた為に船で撤退する事の出来た幸運で貴重な生き残り。彼は己の城にさえ寄らず別所小三郎長治の在住する三木城へ登城していた。
それはあまりにも一方的な戦いの結果を伝える為にだ。
「敵の総大将が突っ込んで来て、儂らぁ成す術無くよ」
「な、何の冗談じゃあ!!それは!!」
そんな彼の報告に声を荒げたのは別所山城守吉親だった。この男は別所小三郎長治の跡見人にして現在では別所家一門筆頭というべき立場の存在。そして播磨国人の中で決起の中心にして岸勘解由信周の仇。
恐慌とも評すべき過剰反応は超えてはいけない一線を超えてしまった自覚故に人一倍の恐怖を覚えたが故だ。
魚住右近大夫吉長は諦めに似た感情で心情を吐露する事にした。目の前の男が行くところまで行ってしまった心情はまぁ分かる。だが物事には例外と限度というものがあるのだ。
「山城殿、アレは無理やぞ。冗談の様に聞こえるんは分かるが市川での戦は全てが紛う事なき事実や。儂が住んで来れたんは唯の運じゃ」
「そ、そんな……アホゥな……」
別所山城守吉親の想定した状況は播磨で織田軍を足止めして毛利家と山名家で圧殺する形での和議だった。最悪というか別所領が荒らされる可能性をも許容して織田家の主力を削ぎ、将軍家の権威と共に毛利家の庇護を得て荒木家を毛利家と共に援助する状況。
そして漸く気づく。
「村重め……謀りおったな!!」
そもそも敵の総大将が帰ってくるという事は少なくとも浦上家が織田家側に付いたという事だ。そうすると荒木家から齎されていた話とだいぶ変わってくる。そんな別所山城守吉親の反応、魚住右近大夫吉長が同じ事に気付き、更に先へ思い至って。
「待て、浦上が織田に付いたとてもおかしいやろう。岡山城に居ったなら何故ああも早く来た?!」
落ち着いて考えれば気付いて当然の事。前提が崩落していく気付き。別所山城守吉親が憤激と絶望を混ぜて。
「意地さえ弄ばれるんか……」
言ってしまえば一矢報いて自分の腹を掻っ捌き別所ナメんなってするのがこの男の考えた意地の表明だったのである。
まぁ寧波の乱じゃ無いが、まぁナメられたら死んででも報復するのが武士の本懐とみつけたり、それが今回の根底だ。
言うてそれも勘違いと兄弟間の伝達不足で決起し後に引けなくなった訳で絶望っぷりも一入だけど。
「いきいきごんぼ面ァしとるのう叔父上。ダボタレん俺が言うのも何やがやってしもうたモンはしゃあないやろがい。戦わなアカンのは変わらんねやから」
無音の広間で朗々と声を発したのは別所小三郎長治だった。齢十七の余りにも若い別所家当主である。目に入れても痛く無い甥の言葉に別所山城守吉親は何かを言おうとして頷く。
「……う、うむ。その通りや」
内心はともかく肯定の言葉を受けた別所小三郎長治は魚住右近大夫吉長へ視線を向けて。
「右近大夫殿、俺はウダウダ言う気は有らへん。こうもエライ事なっとる状況が状況、敵に降るも好きにしてくれて構わん。今此処にそれを恨みを抱く様な阿呆はおりまへん」
芯の通った言葉を受け魚住右近大夫吉長は若人の有様に感じ入る。経験は足りないだろうが気の良い将来を期待してしまう若人だ。彼の為に暴走した別所山城守吉親の気持ちも良く分かった。
「当主殿は如何するんや。小三郎殿はまだ若い。今降れば命までは取らんのや無いか」
「お気遣いおおきに右近大夫殿。俺は別所の棟梁として立てて貰うてきた。そやから棟梁として腹を切る覚悟は既に出来とる」
覚悟の決まった顔。それを年相応に照れくさそうな表情に変えて。
「それに末期の恥を晒しては草葉の陰の親父殿に顔向け出来んやろう」
「……愚息にも見習って貰いたいものよ」
「過分な言葉じゃなぁ。褒め過ぎじゃわい。まぁとにかく戦の話や。まぁ毛利軍を待つ一手しか打てんがのう」
天正二年如月。別所家は三木城に籠城する遅滞戦を決定した。有りもしない毛利の援軍を待つ為に、事此処に至って意地の為に。何より兵糧という相手の唯一の弱点を突くためにだ。
野口城の長井四郎左衛門政重、神吉城の神吉民部少輔頼定、志方城の櫛橋左京進政伊、魚住城の魚住右近大夫吉長、高砂城の梶原平三兵衛景秀、淡河城の淡河弾正忠貞範、端谷城の衣笠範景。彼等に籠城の決定を通達した。
一番の問題は市川の戦いで大打撃を受けた櫛橋左京進政伊だ。また明石城の明石次郎安行は織田方に与していた。
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凹ー山山山山ー山山◎ーーーー山山山山山山
ーーーー山ー凸ー山山◎ーーー山山山山山山
ーーー凸ーーーーーー山◎ーーーー山山山凸
ーーーーーーーー凸ーーー◎ーー凸山山山山
ーーーーーーーーーー◎◎ーーー山山山山山
ーーーーーーーー◎◎ーーーー山ー山山山山
◯◯◯◯◯ーー◎ー凸ーーーーーー山山山山
◯◯◯◯◯凸ーーーーーーーーーー山凸山山
◯◯◯◯◯◯◯◯◯凹ーーーーーーー山山山
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ー凸ーーー山ー山山
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ー凹ーーー山
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ー
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凹・織田方の城
凸・別所方の城
◎・加古川
「明石城は動けまい。万一動いたとて明石殿が抑え別府より後詰めを送れるやろ。常道ならば潰すのが手間は無いんやがな」
別所山城守吉親が朗々と語る。表向き毛利家の援軍を待つと言う戦略を根幹にした待ちの戦術。同時に兵糧の無い相手には常道中の常道だ。
「問題は内藤家の速さよ。海さえも敵の方が早よう来よる。三好の三国船と同じ速さで進み挙句に大筒を撃ってきよる」
魚住右近大夫吉長が顔を顰めて言う。水軍を持ち三好家と関係を持っていたからこそからこそ一角船を相手にしたく無い。つーか単純に海の上で大筒撃って来んなって思う。
三好家の三国船でさえ脱糞するんじゃねーかってくらいド肝を抜かれたのだ。それに勝った一角船とか絶対に相手にしたく無い。そもそも英賀城が簡単に落ちたのに魚住城でどうこう出来る訳がねぇ。
「守る側の難しいところやな。海なら何処でも攻めて来る訳じゃから。叔父上は如何思います?」
別所小三郎長治が悩ましそうに言う。彼等が織田家の進軍先を海と考えるのは織田家の兵糧が少ないから。少なく無いとしても大群故に船の利用は当然の事だ。
「儂なら初手は別府入城一択よ。必要ならばその後に野口を攻め兵糧を得る。高砂は船で包囲すれば良いんやからな。逆に小三郎は如何思う」
「野口城を強行、かのう?」
「野口を?」
甥の言葉に虚を突かれた様な顔になる別所山城守吉親。
「別府、定石なら高砂城からやと思うけど山城守以上に拙速を尊ぶっちゅうヤツか。若殿の考えは」
魚住右近大夫吉長が困惑気味に問えば別所小三郎長治は言い訳を考える様に頭を掻いて。
「野口城の沼地は攻めるに難い。やけえ誰も攻めるとは思わん。だからこそ奇襲になりうると思うてな。何より船はあっても加古川の渡河には必須よ。まぁ言うてわやくそな話やけ小僧の浅知恵じゃな。まぁ冗談の類いよ」
若者特有の有らぬ妄想と言うヤツだ。微笑ましい物である。オッサン二人は思わずそんな顔になった。
渡河攻撃とは非常に難しい戦いと言うのは常識だ。それは当然だが兵を相手にした難易度で城を相手にするのは論外である。しかも敵にとり喫緊の現状でそんな事をすれば見返りは大きいがそれ以上の危険を背負うことになるだろう。
常識的に考えて言葉通りの冗談だ。
そう、常識的に考えて。
……少弐朝臣内藤備前守勝左衛門長忠って常識的かな?
「伝令!!こ、高砂、野口の二城ッ落城の由ィッ!!!」
飛び込んで来た伝令の報告。
全員アレ……って宇宙猫なった。
ポカンとしか言えない顔ね。
うん。
別所家の評定の前日。船橋がかかった加古川の東岸に城だった物が佇んていた。なんかゴツい建物が有ったんだろうなって言う炭と薙ぎ倒された柱。
辛うじて城壁が辛うじて残る地から東に軍勢の列が並んでおりその先頭では。
「ンブッルルルルルルルルルア“ア”ア“!!」
エンジン音みてぇな声、声?
……声を発する勝三が暴れてた。
砕棒振り声を発する勝三、野口城の木の城壁弾け飛ばし登場、眼前城主の長井四郎左衛門政重の現状、腰抜して恐怖の表情、長井家は戦線から退場、城は当然焼け落ち落城、城下さえ焼き尽くして無情。
だいたいこんな感じ。
詳細を述べると野口城は加古川を遡って現れた船団が船橋を作り渡河し加古川城を更地に変える光景を見ていたら勝三が抱え大筒と弓鉄砲を率い突っ込んで来たのだ。
沼地とかほぼゴリ押しダッシュで。
「オッシャアオラァ!!!このまま岸殿の仇討ち!!!!!西条潰して野村潰して三木まで薙ぎ倒すぞ!!!!!!!」
勝三が吼えれば将兵も応と答える。
先ずは騎馬隊を抽出した部隊が先行して進んだ。進軍路にある村々へ兵糧を村外れに積み牛馬ないし船を繋留しておくように通達する為である。時間無いんでしたくないが反抗した村は文字通り撫で斬りにして焼き討ちするしかない。
まぁ城下は敵戦力と繋がり強いんでしらみ潰しにするけど。
攻城に必要な大筒と弾薬は川と牛馬を使って漏船して運び道中は先発した騎馬隊の用意させた兵糧を消費して進む。故に進軍順路は加古川を遡り西に向かって物資揚陸の拠点たる西条城を得た上で西に直進し野村城を拠点として三木城に速攻をかける形となる。
これが三木城までの作戦概要だ。
端的に言えばメチャ走る。
「抑えはいるか?」
で、西条城を落とした勝三達は昼食をとりながら軍議を開いていた。百を超える騎馬隊の脅しが効いたらしく村の反抗は無い。また城跡を改修しただけの西条城で防衛は不可能だからだ。だが代わりの北岸に井上城という城が鎮座していたのである。
「なら私が落として参りましょう」
「お願いできますか善祥坊殿。大筒は有り余ってますけど野村城と三木城に取っとかなきゃいけないんで申し訳ないんですが。アレなら後続から二千ほど持ってって下さい」
「辱く」
てな訳で井ノ口城も接収、野村城は大筒のゴリ押しで門こじ開けて落とした。そうしながら美嚢川に沿って三木城に到着したのが五日かからないくらいである。
城四つ落としてんのにウッソだろオイって思うかも知れないがガチである。これは理由があり前提として戦において鹵獲や強奪は常であり織田家でも京を除けば当然行っていた。例えば宿所や食べ物に船や牛馬を提供させたりと言うのが基本だろう。
とは言え敵や民の態度や状況に等によっては損壊に比べれば極小とは言え補填を出す事もあるし、早々に金一封と助力の申し出に嘆願でもあれば協力相手として遇し高札で禁制の発布を行うものだ。だが今回の場合は虐殺こそ行わなかったが進軍経路でのそう言った一才を徹底的に拒否したのである。それこそ村だろうが街だろうが寺社だろうが一切合切を無視して騎馬隊を用いて交渉し抗った村は三木城へ追い立てた。
すると此の戦場に限定した近視眼的な結果だけを見れば主力だけなら前線に運ぶ速度は格段に上がる。鹵獲した船や牛馬は使い潰す前提で酷使し腹が減れば近隣の村に用意させた飯を取って三木城へ向かわせた。
三木城に近づくにつれ反抗も増えたのは確かである。だが抵抗する村落は後陣が徹底して撃滅する事とし、攻城部隊を含む先陣だけは前へ前へと進ませたのだ。それこそ西に向かって逃げる村人追い越してったくらいの速さだった。
メッチャ雑に言うと小規模モンゴルしたって感じ。いや厳密に言うとアッチは通信能力とか兵站とかイカれてるレベルで高いんで本質はアレだけど。まぁ今回は特に全体的に見て織田軍に余裕が無く騙し討ちをされたと言う心理作用の大きな大義名分もある。
そりゃ民も引縄批根までなら未だしも一筆抹殺なんぞしたら報仇雪恨したるぞって言いながら怪力乱神が怒髪衝天してもしゃーないと思うし銷鑠縮栗よ。
ほんで補給線を絶たれた織田家であるが戦争物資には二種類ある。早い話が集めるのが比較的楽だが常に消費する食料と、集めるのが比較的大変だが戦ささえなければ減る事のない弾薬という二種類がある訳で。とどのつまり火薬だけはクソあったから城を楽に落とせたっていう単純な理由。
「フシュゥーーーッ……」
んで、ほぼ化け物してる勝三がいただけだ。時折だが精神を落ち着ける為に金砕棒フォンフォンマシーンになる。その横で半眼の与三が辺りを見渡し。
「うん、もうここに陣所を作ろうか。美嚢川なら荷運びも楽だし志染川が敵の攻撃受け止めてくれる。荷揚げはこっちでやっとくよ」
もうコッチの方が総大将だろ。
「じゃあ俺達は集めた船で橋を作っておく。敵が来なきゃ明日は羽場山にでも陣所にするか。大宮八幡宮と三木城に物見を出しとこうぜ」
余りにも淡々と答える次郎。
彼等織田軍の眼前には田畑と城下町が広がっていた。今の織田軍にとり重要な物資と薪の山である。まぁ大概は三木城内に持ち込まれているのだろうが。
まぁ兎にも角にも勝三が落ち着いたら軍評定だ。
「中嶋丸に突っ込んで西の丸と本丸の間の門から入り込んで本丸を叩き落とす。岸殿暗殺の首魁は別所山城守吉親だ。コイツだけは絶対に叩き殺す」
勝三が言う。それは確定事項だ。岸勘解由信周は良い男だった。敵であっても敬え、味方となっては頼れる。そんな素晴らしき武人であったのだ。
そして何より別所家は織田家をナメた。
織田家をナメると言うことは信長をナメると言う事である。諄い様だが勝三は自身が舐められてもあんま気にしない。でも信長ナメたら殺す。
侮りは統治と信用に亀裂を入れる。
どんな物であれ亀裂の修復は難しい物で広がれば広がっただけ脆くなる物だ。故に速攻で徹底してナメた奴がどうなるのかを知らしめねばならない。それは主君の為で臣民の為で協力者の為で己の為にも徹底してだ。
「お、お待ちを」
そんな中で報復に静止の声を上げる者一人。
「儂に勧告を、降伏勧告をさせて貰えんやろうか……」
何言ってんだコイツ?
そう言う顔を全員から向けられたのは別所主水正重宗。数少ない播磨中部の別府城にいた彼は野口城落城を聞いて慌てて織田軍に参陣したのだ。いや、この言い方は事実だが語弊があるので、まぁアレめっちゃ急いで合流した。
彼に陣中における評価は確り情報共有しとけアンポンタンである。そのあと敵中に孤立して裏切らなかったから味方として見てるが此の状況を作った一端はコイツの所為じゃねーかと思われてた。要は兄貴と相談くらいしとけって思われてる感じ。
まぁその自覚はあるらしい。
「頼んます備前守様、一度だけ機会を下さらんやろか。我が兄と我が甥に、いや我等別所家に、今一度だけでエエ……」
酷く申し訳なさげに土下座して言う。勝三は溜息を一つ漏らして許可した。ただし仇の切腹は必須であると付け加えて。
「感謝いたします」
そう言った別所主水正重宗はよく知る三木城の城門の前に立った。
「おーい小三郎と兄上はおるか!!」
たった一人で勤めて明るく。そして城内へ通された。少し懐かしい大広間へと。
「叔父上、お久しゅう御座います」
「小三郎も息災で何よりや。兄上もな」
別所小三郎長治と別所主水正重宗。甥と弟の何処か穏やかな交流は終わりだ。別所山城守吉親と別所主水正重宗の兄弟で言葉を交わさねばならない。
「貴様もな、弟よ。勧告ならば断るぞ」
「ああ、兄上。そう言うてくれるなや。何故に挙兵したんや。いや、よりよって織田と戦う事を選択した?そこが俺は分からんぞ」
「お前が黒田なぞと婚姻を結ぶ事を認めたが故や。儂らに相談も無しにな。織田に従うんは分かる。それは認めれるわ。婚姻まで了承するのは、いやお前から言うたんやったな。それは行き過ぎやろうが。お前の所業は別所家そのものを貶めたんやぞ!!」
「状況見れば分かるやろうに!!こんままやと黒田の下になるやろ。せめて対等にはならんと……」
「黒田は余所者の陪臣じゃろが!!赤松の庶流の宇野、更にその庶流の家臣!!黒田ぁ奴等ん能力は認めよう!!こん状況じゃなけりゃ頼んでもエエわ!!じゃが故に将軍を都から蹴り出した織田が黒田家を押し除けて別所家を重用する事は無ぇ!!なぜなら未だに将軍は存命で獅子身中の虫となるからや!!お前の所業は恩を売るに拙速、ただ己の、我等の価値を安く売り払い、小三郎さえ巻き込んで織田どころか黒田の家臣にしたんじゃぞオノレはァッ!!!!」
別所山城守吉親は激昂している。彼の言いたい事は百々のつまり売り時を間違えたと言いたいのだ。別所家の家格の売り時はせめて将軍が織田家を認めるか将軍が力を完全に失うまで待たねばならなかったと言いたいのである。
もし別所主水正重宗の娘が黒田家に嫁入りしたまま何もしなければ既に別所家は用済みの存在だ。中途半端に都の近くに大領持つ別所家は後は良いように使われて擦り潰されるのが当然の事となる。そうなって当然の状況を呼び込まれたからこそ起死回生の一手として挙兵した。
何事も相談とは重要である。別所主水正重宗は今生の別れを兄に告げて退城した。三木城合戦の始まりである。