小話 予防医療
令和元年7月より施行された健康増進法の改正により、病院・福祉施設・行政機関・学校と名の付く場所が全面禁煙となりました。喫煙者たる筆者には肩身が狭い思いで御座います。
それと【病院】には当然精神科病院も含まれており、閉鎖病棟で20年~30年と入院しており楽しみは煙草だけだった患者さんが、軒並み不穏になっているなんてちょっとした小話も付け加えておきましょう。
さて今でこそ当たり前のように行われる予防医療、喫煙は肺がんを呼び、過度の飲酒は肝硬変や糖尿病を呼び、暴飲・暴食は生活習慣病を呼ぶという病院の掲示板ポスターなんかでもよく見るアレです。
〝病気に罹ってからどうするか〟ではなく〝病気に罹らないようどうするか〟を科学的根拠に基づき国家を挙げて対策をしたのは実は意外と最近の、意外な国です。
それは第一次世界大戦終戦後、NSDAP政権下のドイツ……俗称ナチス・ドイツ。
喫煙と肺がんに密接な関係があることを疫学に基づき科学的に証明せしめたのはドイツ人医師で、同時に乳がんを事前の検診によって早期に発見出来ることも解明しました。
【受動喫煙】という単語を作ったのもNSDAP政権です。そしてボヘミアの伍長による鶴の一声でNSDAP政権下のドイツは〝予防医療先進国〟となります。行動が素早いというのはファシズム政権のメリットですね。
……そんな背景もあり、現在のドイツでは過剰な禁煙運動や予防医療運動は〝ナチスを想起させる!〟とタブーになっています。坊主憎ければ袈裟まで憎いとはこのことと呆れます。