ついに医療従事者が政府のスケープゴートに? 新型コロナ厳格措置見直しについて
厚生労働省が8月9日、新型コロナウイルスの感染者の入院勧告や就業制限などに関し、結核やSARS(重症急性呼吸器症候群)以上の厳格な措置をとる感染症法上の運用について、見直しに着手していることが発表されました。
まぁ簡単に言いますと【コロナはただの風邪です】と大本営発表するということですね。今では感染症法に守られていたため、入院は感染症指定医療機関が基本ですし(守られていませんが)、入院費もタダでした(そもそも酸素必要なレベルにならないと入院できませんが)。
その規制が緩和されます。規制緩和って便利な言葉ですね。自由です。どの病院に掛かっても自由、濃厚接触者なんて言葉もなくなるのでPCR検査を受けるのも自由、そのまま放置するのも自由です。
自粛自粛で窮屈な思いをしている人からすればいいニュースなのではないでしょうか? ただ、自由には当然自己責任が伴います。治療が遅れて後遺症に苦しむのも自由、愛する人に罹患させるのも自由、死ぬのも自由です。
結構Twitterなどで罹患された方の報告をみたりします。勿論現状肺炎を放置され治療も受けられない苦しみや絶望はお察しいたしますが、【保健所がお役所対応!】【病院はどこも拒否!】【誰も助けてくれない!】と、怨嗟が結構な割合で医療従事者に向いているつぶやきをみると何とも言えない気分になります。
手前味噌ですが、このエッセイは【医療崩壊】をコロナ禍の前から綴っておりました。日本の医療と言うのは皆さまの目に見えなかっただけで、コロナ以前から現場の努力でギリギリ持ちこたえていた状態だったのですよ。
それにぶっちゃけてしまいますが、病院というのは【ただの風邪】【ただのインフルエンザ】の患者ですら受け入れたくないのが本音です。感染拡大防止のためのコストと診療報酬が絶対釣り合わず、赤字になりますし、下手に院内感染などすれば職員も他の患者も大打撃になるからです。
そんな中厚生労働省が今更【コロナはただの風邪です!】なんて言ったところでどの病院も喜んで受け入れるはずがありません。以前のエッセイでも書きましたが、新型コロナのクラスターが起きた旭川の某病院など、純損失だけで19億円に上り、失った地域の信頼・医療人的資源・受診控えを含めれば天文学的大赤字となるでしょう。
そんな【前例】がある以上、喜び勇んで受け入れたい病院など存在するはずもありません。ですが患者が存在する以上、どこかは受け入れなければならない。しかしキャパシティーに限界がある。その場合、受け入れから漏れたヘイトは何処へ向かうかなど解りきっているではありませんか。
クラブハウスやパチンコ屋 → 夜の街 → 飲食店と政府のスケープゴートがどんどん身近になってきましたが、次は医療機関かもしれませんね。皆様健康にはお気を付けてください。アメリカのように骨折を自宅で治す時代がすぐそこまで来ているかもしれません。




