泣き虫
はぁはぁはぁ
「しょーちゃん!」
「美里さま、申し訳ありません!私が付いていながら…」
「いいえ、美由紀さんのせいではないわ。私が朝気付いていれば…、それでしょーちゃんの様子はどうかしら?」
しょーちゃんはまだ寝熱が下がらず、意識もない状態だそうだ。
翌日になっても、しょーちゃんの容態は変わらなかった。
「先生、息子は大丈夫なんでしょうか!?」
「検査をしましたが原因がわかっていません。私も手を尽くしますが、これ程40度近い熱が続くようなら、翔眞くんの体力が持たないかも知れません。」
「そ、そんな…しょーちゃん…ズズッ。うわぁ〜、うわぁ〜」
「美里さまお辛いでしょうが、真斗さまにもご連絡をするべきです。」
私は夫にしょーちゃんの事を伝える為に必死で泣き止み、連絡した。
「ましゃど〜、しょーぢゃんが!しょーぢゃんが〜!…ゔん、そう、ゔん。わがった、待ってる。」
せっかく泣き止んだのに、いざ状況を話すと泣かずにはいられなかった。
真斗が到着するのは明日の午前中になるそうだ。
次の日になってもしょーちゃんの熱は下がる事はなく意識も戻らなかった。
「こちらも手を尽くしたのですが、申し訳ありません。0歳児にこれ程長く40度近い熱は、そう耐えれません。明日までに意識が戻らなければ…覚悟をしてください。」
しょーちゃんが意識を失って3日目。
真斗も病院に到着した。
「真斗!しょーちゃんが、ズズッ。」
「ごめんな、こんな時に付いていてやれなくて…」
「うんん。でも真斗は来てくれた。」
「美由紀さんもありがとう。」
「いえっ!私がもっと翔眞さまを見ていれば…」
「翔眞お前は強い子だ。早く戻ってこい。」
私はしょーちゃんの手を握って、良くなる様に願った。
そして夕方、しょーちゃんに変化が起きた!
しょーちゃんが私の手を強く握り返して来た!
「しょーちゃん!しょーちゃん!ママよ!ママはここに居るわ!お願い目を覚まして!」
「う、はぁはぁ…」
「しょーちゃん!もう心配したんだから!良かった、本当良がっだぁ〜。」
「翔眞!良かった本当に良かった!」
しょーちゃんはまた直ぐに眠りについたが、熱も下がり体温も安定しだして、もう大丈夫だそうだ。
今日はこのまま病院で過ごし、明日の検査次第では家に帰れるそうだ。
しょーちゃんが元気になったらいっぱい遊んであげよう。




