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魔法使いの転生(仮)  作者: かな
10/16

白ウサギ

母が休日なのに少しだけ化粧をしている。


この化粧というのは凄い。人の7割ぐらいの顔を変えてしまうのだ。


ピーンポーン


玄関のチャイムが鳴る。やって来たのは…誰だ?


「あら〜!しょうまくん?大きくなったわね。こんにちは。ほら、有沙もご挨拶。」


「……」


「…あら?ごめんなさいね。恥ずかしがりやなの、ふふ。」


前に一度来た子と母親か!思い出した!


「こんにちはー。ママー!」


私は母を呼びにリビングに走る。準備を終えた母は、有沙ちゃんの母親とおしゃべりを始めてしまった。


「あーそぼ!おえかき!」


「やる!」


有沙ちゃんはお絵描きが好きなようだ。良かった。犬や猫、花や鳥、家族を描いた。もちろんミユキさんも描いた。


家族の絵は母にあげた。すごく喜んでくれた!


有沙ちゃんも似た様な絵を描いていたが、家族の絵には母親しか描いていなかった。


なるほど、有沙ちゃんの父親はもう…いや何でもない。


お絵かきが終わったら、絵本を見たり、テレビの子供向け番組を見たりした。


もちろん字は読めないし、子供ウケがいい奴なので、私は面白くはない。ただ見ているだけだ。

そんな番組より、動物や植物などを紹介してくれる番組の方が好きだ。



有沙ちゃんが私の白いウサギのぬいぐるみを気に入ったらしい。


あれは私のお気に入りだったんだけどなぁ〜しょうがない。


「そのうさぎあげゆ。」


「ほんと!?あいがとう!」


有沙ちゃんの笑顔が眩しい!

まだ何個かぬいぐるみはあるから大丈夫だ。



「ごめんね、ショウマくん。あのぬいぐるみショウマくんのだったんでしょ?今度来る時はプレゼント持ってくるわね。」


「しょうくん。うさぎさんあいがとう!ばいばーい、またね〜!」


「ばいばーい。またねー!」


子供だが、子供のフリをするの大変だ。


「しょーちゃん良かったの?あのぬいぐるみ、結構お気に入りだったんでしょ?」


少しは有沙ちゃんと仲良くなれたのでぬいぐるみにも感謝しょう。

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