第三話
すいません、一発書きなので何も推敲されてません。
荒っぽいのはわかってるのですがうまく書けず赴くままに書いてます。
それでもよろしい方はよかったら読んでいってください。
緋雨は自分を呼び止めたネズミを驚愕の面持ちで見つめた。ネズミはバンザイをしたまま弱々しい声であったが、顔をこちらに向け必死の形相で訴えてくる。
「嬢ちゃんよ、ここはいっちょネズミに噛み付かれたとでも思って助けてくれや。後で礼はいくらでもすっからよ」
かわいい顔をしているが、口は悪そうだ。
見当違い名ことを一瞬考えてしまったが、ネズミが喋っているという事実に頭がついていっていないことに気づく。ぽかんと口を開けたまま固まっている緋雨を見て何を勘違いしたのかさらにお得なセールストークの如くしゃべりまくる。
「嬢ちゃん見たところ冒険者だろ。えらい軽装備だが道に迷ったってとこか。これでも学院じゃ賢聖って呼ばれてたぐらい知識にゃ自信がある。連れていって悪いことは無いはずだ。どうよ?」
どうよ?と言われても………
「あ、あれか?俺がカッコよすぎて何も言えないとか?自分で言うのもなんだがシルフィストでは一、二を争うほどの男前だぜ」
そこでネズミはようやく言いたいことは言い切ったのか、ふぅっと息を吐き出す。
そんなネズミの言い分を聞いていた緋雨は、ネズミのあまりにも人間臭さで固まっていた思考回路も動き出してきた。
「なぁ、これも人助けだと思って俺を助けてくんな。絶対損はさせないからよ」
「無理」
緋雨は即答した。
「なっ……なんでだよ。俺様がこんな愛くるしい顔して頼んでんだぜ。世の中の女の子を虜にする美貌にケチつける気か!?」
頭が痛くなってきた。
緋雨は思わず頭を抱えた。
いきなり知らない土地に来て、歩いていたら見つけたネズミが喋りかけてきた、と思ったら何だか訳のわからないことをいう。ネズミに絡まれたのは生まれて初めてだ。
「ねぇ」
「あん?んだよ…って、何すんだてめぇ!」
緋雨は手を伸ばすとネズミの胴を掴んで裏返す。
「チャックついてない。生きてる?」
自動で動く人形か、どこかにスピーカーが付いてて隠れて操縦者が声を発しているのだと思ったのだが。
「生きててなんか文句あんのかよ!」
「あ、ごめんなさい」
握ったネズミは温かかった。