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紅の月  作者: 東海うなぎ
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第二話

緋雨はボロボロの何かを見つけた。


物語風に言うとそのようなものだろうか。

不安と期待と不可思議さでこれって冒険じゃん。みたいな軽い気分で、とりあえず歩き始めた緋雨は木や草以外にやっと見つけた違う何かに興味を惹かれた。

暗い森ではあったが、リュックサックにぎっちりと詰まった『旅に必要な物セット』の中に懐中電灯があったことを思い出し、それをお供に歩き出したのだった。そしてやっと見つけたのがボロボロの生き物である。


それは元は白かったのであろう茶色い布を纏い、両手をバンザイの形に伸ばした縞模様のネズミであった。


うわっ、死んでる………


ネズミは縦に長く、さらに薄っぺらい体をしており、どうみても潰れて死んでいるようにしか見えなかった。

近くに太い木の棒が落ちているので木が折れて不運にも下にいたネズミに当たってしまったのだろう。


これは嫌なものを見た。そう思って緋雨はその場を通り過ぎようとしたが、


「きゅっ………」


一瞬、微かに小さく鳴き声がした。


生きてる。


そうは思ったが暗い中で見つけたので無事かどうか判別しづらい。

今は緊急時、やはりここは見捨てておこう。


考え直し歩き出そうとする。


「まっ……待って……」


また鳴き声が聞こえた。どこにも生き物らしいものはいないのでやはりこのねずみが生きているのであろう。


今度は何か意味のある言葉のように聞こえたがネズミが話すわけがないと思い、リュックサックを背負いなおして再び歩き出そうとすると、


「待たんかコラー!!」


怒鳴られた。



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