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心が沈みそう
「おめでとう」
囲まれてる成宮達に遠くから小さく呟く。
照れている2人を横目に、ギューっと絞まり続ける胸に耐えられず教室を出る。
どうすればいいのか分からなかった。
どうすれば、この苦しみと違う道になったのか分からなかった。
ただ、今言えるのは……
「隣にいないことが、死ぬほど辛い」
声を大にして言いたい。
あなたが好きだと。
「っ好きなのお……ぉ、う、…ふっ、うぅ、好きな人の、幸せだけを願うのが…こんなにも辛いものなの?……神様…」
好きだと伝えたら、今でも私の隣にいてくれたのかな……。
気づくのが遅かった私は、どうすればあなたの心を引き止められたのかな……。
違う人を好きだと言ったあなたに、あなたが好きだと言えば何か変わったのかな……。
「あなたに、好かれたいっ、」
脳裏に焼きついて離れない2人。
トイレで泣いてたって意味がない。
意地を張り続けた私が招いた…
「自業自得…っ…」
どんなに嘆いたって、あなたが振り向くことはない。
あなたには新しい人との関係が……
「始まったんだから……」
分かっていても、苦しくて、悔しくて、悲しくて……
『心が沈みそう』