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オープニング
傾奇者・歌舞伎者とは・・・。
戦国時代末期から、江戸時代初期にかけての社会風潮。
特に慶長から寛永年間（１５９６～１６４３）にかけて、江戸や京都などの都市部で流行した。
異風を好み、派手な格好をして、常識を逸脱した行動に走る者達の事。
茶道や和歌などを好む者を“数奇者”と呼ぶが、数奇者よりさらに数奇に傾いた者という意味である。
当時、男性の着物は、浅黄や紺など非常に地味な色合いが普通だった。
しかしかぶき者は、色鮮やかな女物の着物をマントのように羽織ったり、袴に動物の皮を継ぎ接うなど、常識を無視して非常に派手な服装を好んだ。
多くは徒党を組んで行動し、飲食代を踏み倒したり、因縁を吹っかけて金品を奪うなどの乱暴・狼藉をしばしば働いた。
自分の武勇を公言する事も多く、それが元で喧嘩や刃傷沙汰になる事もあった。
こうした身形や行動は、世間の常識や権力・秩序への反発・反骨の表現としての意味合いがあった。
彼らは、仲間同士の結束と信義を重んじ、命を惜しまない気概と生き方の美学を持っていた。
かぶき者達は、一方で乱暴や狼藉を働く者として嫌われつつ、一方ではその男伊達な生き方が共感と賞賛を得てもいた。
かぶき者の文化は、慶長期にその最繁期をみるも、同時にその頃から幕府や諸藩の取り締まりが厳しくなっていき、やがて姿を消していくが、その行動様式は侠客と呼ばれた無頼漢達に、その美意識は歌舞伎という芸能の中に受け継がれていく。
・・・つづく
