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嫁入り直後

作者: 水蓮寺 涼子

三階の部屋の窓から大きい飛行機が飛んでいるのが見える。

今日の部屋はとても静かだ。


さっき実家の両親が大阪から千葉の新居まで遊びに来てくれていた。

夫は仕事だったので、今日は私と両親の三人だけ。


うちの最寄り駅で売っていたらしい出来のどんぶりをお昼に食べ、デザートにと小さいタルトなんと5個も買ってくれていた。


夫はチーズ系が苦手だからあえて買わなかったチーズ感の強いタルト。

‥夫が苦手と話した食べ物の事覚えていたんだ‥。

きっと私が相手に合わせチーズタルトなんて食べていないだろうという気遣いだった。

やっぱりチーズタルトは美味しかった。

普段食べていないから美味しいという事ではなく、気遣いがとにかく嬉しかったのだ。


両親は穏やかににこにこしていた。

美味しそうに食べる私を幸せそうに見ていた。


駅で手を振る両親の背中が小さく見えた。

でも幸せそうに帰っていった。

二人とも同じ背中になっていた。

やっぱり夫婦なんだなと思わされる。


部屋に遊びに来てくれた時はいつまでも笑い声が絶えなかったのに、

今は一人お茶のコップを洗い、布団を引いて寝そべりながら窓を見ている。


 “良い町だし暮らしやすそうで安心したよ”


 “元気でやるんだよ”


静かな部屋でコトバがココロに響く。

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